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「家から出ていきなさい」
今から15年前、俺が2歳のころの話。
〜15年前〜
らん)ぱぱ!だっこぉ!
らんぱぱ)お!抱っこか〜…ほらっ!
らん)わぁ〜!たかいね〜!
らんまま)らんはぱぱが大好きなのねニコッ
らん)うん!ぱぱだいすき!
らんぱぱ)ぱぱもらんとままのこと大好きだぞ〜?
らんまま)私も、ぱぱとらんのことが大好きよニコッ
らん)かえったらね!くるましゃんであそぶの!
らんぱぱ)それは楽しみだな〜
らんまま)そうね〜…ってあなた!!危ない!!
らんぱぱ)らん!頭下げろ!!!
らん)ぱぱ?なんで?
らんまま)いいからはやく!!
突然、よく分からない大きな音が鳴り響く。車が父さんに直撃していた。俺はまだ2歳だった為、理解することは出来なかったが、あの音は耳から消えない。
らんぱぱ)ウッ……
らんまま)そんな!あなた!!
らん)ぱぱ?グスッ…ぱぱぁ?グスッ
らんまま)ッ…救急車!!
運転手)ごめんなさいごめんなさい
「ごめんなさい」と父さんを跳ねた車の運転手は何度も何度も謝罪した。まるで呪文のように。それから数分が経ち、救急車が到着した。だがしかし、救急車が来た頃には、父さんは息絶えていた。
「もし、俺が抱っこなんて言わなかったら?」
「もし、代わりに俺が死んでいれば?」
「もし、もうちょっと長く遊んでいれば?」
なんて、思っても無駄だ。父さんは死んでしまった。俺は父さんに守られて、かすり傷しかなかったが、 父さんは重症。頭や腕など全身から血が流れている。
「もう、父さんには会えない」
父さんを思い出すと自然と涙がこぼれた。
音と同時に俺の部屋のドアが勢いよく開いた。母さんか。また俺に対して何か言ってくる。
らんまま)あんた、この家から出ていきなさい
らんまま)そして、戻ってこないで。
家を出ていけ…?初めて言われた。昔からいじめられていた俺には、頼れるような友達もいない。だから、助けてくれなんて言えない。野宿になるのか。野宿ということは、いつかは食料が無くなって、汚れて、ホームレスのようなもと同じ。いつ死ぬか分からない。だが、それが辛いとは思わない。俺も変わったな…
らんまま)早く出ていきなさいよ!!!
らん)わかった
らん)でも、荷物だけは持っていかせてもらう。
らんまま)だめよ。あなたが今来ている服やサイフ以外は、売ってお金にするんだから。
らん)…そう。じゃあいいよ、これだけ持ってくね。
らん)さようなら。
家を出て数分、どこが1番寝やすいだろうか。ふかふかな草があるところか?それとも柔らかい土があるところ?どちらでもいいが。死んだら、父さんに会えるんだから、これからの生活で考えると、直ぐに死ぬことが出来る。最高じゃないか。そう思っていたのに。なんでだよ…。