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あとがき
その1.創作について
今作は前作の長編小説:MAFMAの正当な続編にしつつ、初めて海外(韓国)を本格的にした小説作品にしました。
私日本人のZ世代男性作者はちなみに海外未経験であり、SNSも未経験ですが、大好きな歴史や文化に敬意を払うことを意識しました。
文化盗用や偏見と大きく向き合い、自分の内面と大きく照らし合わせようと試みました。
その2.1866年に起きたピョンイン・サオク(丙寅邪獄)という韓国史上最大のキリスト教徒弾圧事件を投影した背景とは
日本の安土桃山時代に起きたバテレン追放令と日本二十六聖人殉教がキリスト教が3割から4割多い韓国にも似たような歴史的事件があったのかを調べ、勉強したからです。
私作者自身、ピョンイン・サオクの事件のことを韓国版バテレン追放令、韓国版二十六聖人殉教と呼ぶ程驚愕しています。
その3.作者の分身について。
カン・ヨヌ(漢字表記:姜延雨)は私作者の分身の韓国人男性で臆病だけど、歴史好きな一面を投影。
シンジャン・サムジ(漢字表記:神将三枝)は私作者の分身の韓国人男性で理想の冷静沈着な一面を投影。
マー・ユーニン(漢字表記:麻宇寧)は私作者の分身の性別反転させた中国人(漢民族)女性バージョンで歴史オタクな一面を投影。
このように私作者の本当の中身と理想の中身を曼荼羅のように別々のキャラのように分けてみました。
その4.韓国の母子保健法について
私作者自身はただ歴史や文化にこだわっている訳ではなく当時韓国の福祉における私作者が生まれる前の韓国の闇制度にどのように向き合うか考えました。
ただのその特定の法律用語だけを目に通すのではなく、自分がもしその時代に実際に生まれ、その制度に苦しめられて生きづらかったらどのような生きづらい気持ちを抱えていたのか考えました。
当事者でない日本人男性の私がどのように投影していくか非常に難しい決断でもありましたが、自分の内面と照らし合わせようと試みました。
つまり、過去の歴史の勉強とは自分の背景や気持ちと深く向き合うための材料でもあることです。そうすることで**『本質』**とは何かを理解できるのではないかと思いました。
ですから読者を不快にさせたいわけではなく、この社会の歪みと人間の業の本質を一緒に見つめてほしい思いで書きました。
ちなみに韓国の母子保健法の中の強制不妊手術は作中にも明かした通り、1999年2月8日に廃止されました。韓国の母子保健法自体はありますが、その中の強制不妊手術は廃止されたという意味で話をさせていただきました。
その5.韓国の武器について
私自身武器オタクではないことを自覚しつつも、ステレオタイプを持たないように純粋に調べて投影し、血肉化させようと考える必要がありました。
その中で、シンジャン・サムジが使っていたムーダン(巫俗)という韓国伝統、土着宗教のシャーマニズム武器である『シンジャンカルやサムジチャンの二刀流』、カンジョン・ヘリンの『サンスド』、ス・ピッコギが使っていた『チョソン・ファンド』(カササギ:鵲)が彫られている)の正しい装備方法。
さらにMAFMAメンバーの一人ファン・ファジンの『タンパ』、チョン兄妹の妹チョン・ウナの『マサン・ウォルド』、ワン・ミシンの『ヒョプド』、さらに私男性作者自身が考えたス・オドゥムの架空の韓国発祥武器である『テ・ユガン・パホド』です。
韓国文化であるミンファ(民画)に描かれている
カササギ(鵲)と虎の絵を見て着想を得た時に、虎の可愛らしい親しみやすい笑顔から虎を宿した刀剣を作れないか思いついた時に、柄頭をミンファの虎に、ハバキの代わりにあるホドング(虎呑口)が牙で刀を咥える姿を魔除けの凶暴な虎として表現するようにしました。
これをオドゥムの二面性と合わせて武器を彼女に与えました。
それを発祥起源として考えたのが朝鮮王朝時代後期イ・サンの時代です。
作中でも明かした通り、丁酉逆変(チョンユギャクヘン)というイ・サン暗殺未遂事件の際にも当時の役人の一人がその130cmある巨大なテ・ユガン・パホドを持って犯罪者たちを薙ぎ倒した恐ろしい武器として知れ渡ったと言われています。
その6.関西弁について
韓国のプサンの気質は情に厚く、裏表がない開放的な性格が日本で言う大阪の人の気質に似ていることやプサン方言も韓国版大阪だと思った点も踏まえて、先入観のないように全員ではない何人かを関西弁で喋ってもらうようにしました。
その7. なぜ私男性作者が小説を書くのか。
何のために小説を書くのか、これについてお話しいたします。 それは私作者自身の複雑な内面を投影したいのもありますし、自分のこの醜い内面を投影することによって、本質的なドス黒い残酷でグロテスクな歴史とは何かを考えるためです。
終わり.
コメント
3件
読み終えました……あとがきまでちゃんと読ませてもらいました。 黒屋ムラサキさんの、一つ一つの設定や歴史に向き合う誠実さがすごく伝わってきて、胸が熱くなりました。特に、自分が当事者じゃないからこそ、どう向き合うかすごく考えて書いてるんだなって感じて。分身のキャラの振り分け方も面白いし、「本質」を考えるための創作って言葉、すごく響きました。 ただのあとがきじゃなくて、作品の重みをちゃんと受け止められた気がします。ありがとうございます🌙🤍
#人間ドラマ