2話目いってみよぉぉぉ
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ドットが距離を置こうと言ってから、1週間がたったある日こと。
オーターの持つ伝言うさぎが鳴った。
「なんの用だ、ランス。」
相手は、もう一人の弟子、ランス・クラウンからだった。
『オーターさん、あの、ドットが大怪我を「は?」』
ランスの言葉をさえぎって聞き返した。
───ドットが大怪我を?ランスと一緒に戦ったとはいえ、あの、イノセント・ゼロの三男に勝っているのだ。そう簡単に、、
『今日、実技授業で、森にいる魔獣を討伐しに行ったんです。その時、クラスメイトが攻撃を食いそうになり、それをドットが庇い、大怪我を、、』
「そうか、今、どこにいる?」
『イーストンの保健室でおう今日処置を終え、今はベッドに、「今すぐ行く。」』
またもや、ランスの言葉をさえぎり、伝言うさぎの電源を切る。そして、今残っている仕事をほおり投げ、イーストンに向かった。
見慣れない天井が視界に入ると同時に、聞きなれた声がする。
「、、ドット、目を覚ましたか。」
あぁ、この声が好きだ。
でも今は、、聞きたくない。
「、、なんであなたがいるんすか。」
少し素っ気なく答える。
「何故って、あなたが、大怪我をしたと、ランスから連絡があって、「仕事、戻ってください。」」
「神覚者なんだし、、忙しいでしょう、仕事はどうしたんですか。」
「仕事なんか、いつでも出来る、今はあなたの方が大事、、」
そう言いかけたが、オーターは気づく。
(何故、そんな顔を、、)
ドットは、今にも泣き出しそうな、どこか苦しげな顔をしていた。
「分かりませんか。」
「は?」
「俺が、距離を置こうと思った理由。」
「距離を置くことになってから、俺の事、何回考えましたか?」
オーターは、1週間、どれくらいドットのことを考えていたか、何を考えていたか思い出してみる。
───何故、ドットは距離を置こうと考えたのだろう
───私は、何か気に触るようなことをしただろうか
それしか考えていなかった。
そこまで、深く考えもしなかった。
きっと時間が経てば、元通りになると思っていたし、
1週間のうち、最初の3日程しか、ドットのことを考えていなかっただろう。
「、、、」
「答え、られませんか。そうですよね、答えられませんよね、だってオーターさんが見てるのは、俺じゃなくて、かつての『後輩』ですもんね。」
「そんなこと、「あります。」」
「いつも、俺じゃない誰かを見て、その『誰か』と俺を重ねて、その特別な目を、俺じゃない誰かを、俺を通して見ている。そんなん、耐えれるわけないじゃないですか。」
一滴の水が、ドットの頬をとおる。
そして、次々に溢れ出る涙が、ドットの頬を濡らす。
「、、出てってください。」
「俺の事を見てくれない人は、、もう、あんな目、見たくないです。あなたの目、見たくないです、、!」
「いつでも仕事ができるのでしょう、?
なら、俺の事気にしないで仕事に戻ってください。
一応、恋人の、俺を放って、帰ってください。」
オーターは、何も言えなかった。
私が、あいつと、ドットを重ねているなんて、そんなの知らなかった。
だが、ドットが言うなら、きっと無意識のうちに重ねてしまっていたのだろう。
私は最低だ。恋人なのに、涙を拭うことすら出来ない。今、愛しているのはあなただけなのに、今、私には、あなたしかいないのに、もういない、あいつと重ねて、あなたを傷つけてしまうなんて、
きっと今は、あなたの近くにいる権利は無いのだろう。返す言葉がない。私は、ドットの言うことを聞くぐらいしか、あなたの役に立てない。あなたの前から、いなくなることしか出来ない、今は。
いつかきっと、ドットを本気で好きになりたい。
きっと今は、まだ、もういない『あいつ』が好きなのだろう。
だから、忘れさせてくれよ。
─────────ドット─────────
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