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神 神 神 神 。 え 、天才 爆誕 してる ん です けど 、あ 、元 から 主様 は 天才 か 。
rbzm 監禁です
同じようなシチュしか書かなくてごめんなさい!!
休憩に書いたので誤字等あるかもです
地雷さんはブラウザバックお願いします
ご本人様には関係なし。
「好き」っていう感情が歪んだのは、いつかわからない。いつの間にか、歪んでいた。
最初に出会ったのは小学生のころ。出会ったころは、ゾムのこと、ただの友達としか見ていなかった。
けど、小学六年生ぐらいのころから変わっていった。好きな子ができるようになった。
小学六年生なんて、美人だったり可愛かったりしたらすぐ惚れる時期だから、俺も色んな女の子に恋してた。告ったこともあったし、告られたこともあった。
そんな軽々しい恋、上手くはいかなかったけど。付き合ってもすぐ別れるし、そもそも付き合えないし。
でも、俺の三番目の恋は違った。
ゾムに恋をした。
同性に恋愛感情を持つなんて六年生のころは考えれなかった。けど、ゾムのことを好きになってた。
きっかけは、些細なこと。
俺とゾムは最初の方に友達になったから、他の人よりも距離が近かった。だから、一緒にお出かけだって沢山したし、一緒に泊まったりもした。そんなことが積み重なって、好きになっていったんだと思う。
でも、決定権があった。
六年生の十月ぐらい。運動会があった時。俺とゾムはリレーで同じチームだった。ゾムは足が早いからもちろんアンカー。
俺はそのころから、少しだけどゾムのことが好きだった。だから、他のチームメンバーに頼んで、順番はゾムの前にしてもらった。ゾムにバトンを渡す役。
俺とゾムは、一位になれるように練習を頑張った。一位じゃないと、ゾムが悲しんでしまうと思って、俺は人一倍練習を頑張った。チームの奴らも俺が率いって練習した。絶対に、勝てるように。
運動会当日は、先生にバレずにスマホを持ってきて、ゾムが走る姿を何度も動画で撮った。走り終えたあと、はあはあと息をして笑うその横顔を、何度も画面に収めた。そのときは、勝ち負けなんてどうでもよくなった。ただ、ゾムの「嬉しい」の隣にいたかった。
結果は、俺らは一位だった。
そのときの、嬉しそうなゾムの笑顔。
「 やったー!!一位やでロボロ!! 」
俺に抱きつきながら、目をキラキラさせて言うゾム。無邪気で、可愛くて、愛しかった。
このときのゾムの笑顔で、俺はゾムに惚れた。これまでの軽々しい「好き」じゃなくて、ちゃんとした「好き」で。
その夜は、なかなか眠れなかった。ゾムが抱きついてくれたその瞬間のぬくもりを何度も何度も思い返した。心臓が早く打って、でもそれが気持ちよくて、ずっとそのままでいたかった。写真には残ってないけど、脳内に焼き付いて離れなかった。
それからは、ゾムのことを意識してしまうようになった。ゾムの隣にいないと気が済まなくて、いつも隣にいるのは俺だけにしてた。
それは、他の誰にも知られたくない感情だった。その感情を、隠しているつもりだった。
けど、隠し方なんて知らなかった俺は、ただひたすら、ゾムにまとわりついていた。
理由なんてなかった。好きだったから。大好きだったから。そばにいたかったから。
それだけで。
休み時間は、ゾムがどこにいるかを確認するのが日課になっていた。廊下の奥の方に立ってる姿が見えたら、何でもないふりをしてそちらに向かった。授業中も、視界の隅にゾムの後ろ姿を捉えながらノートを取り続けた。
それはもう、自然と身体が覚えてしまっていた。目の前にいなくても、脳内にはゾムの声が響いていた。
ゾムと一緒にお泊まりしたときも、布団の距離をわざと近づけた。眠るふりをして、呼吸の音を聞いた。指が触れそうな距離に手を置いて、眠っているゾムの髪をそっと見つめていた。何かをするわけじゃない。ただ、そこにいてくれることが、何よりの安心だった。
ゾムの消しゴムを借りたら、それを返したあとも指の先に残る感触を大切にしてた。プリントの文字がゾムの書いたものだったら、目でなぞって、指先でもなぞった。それに、ゾムの荷物を持ってあげるふりをして、持ち歩きながらその重さを感じていた。些細なことの全部が、俺にとっては宝物だった。
ゾムの歩くテンポに合わせて、自然に足並みを揃える癖もついた。ゾムの話す言葉を真似するようになって、気づけば語尾まで似ていた。周りの友達に指摘されても、それすら嬉しくて誤魔化して笑っていた。ゾムの影を、俺はずっと追いかけていた。
学習発表会の時も、ゾムと同じ役にして。テストの勉強も、ゾムと一緒にして。毎日の放課後も、ゾムと一緒に帰って。学習班は、目が悪いという理由でゾムの隣にして。昼休みも、ゾムとしか遊ばなくして。給食のときも、ゾムと話しながら一緒に食べて。冬休みも、ほぼ毎日ゾムと遊んで。遊べないときは、LINEで連絡して。社会科見学のときもゾムと一緒に回って。もちろんバスの席も無理やり隣にして。塾はゾムと一緒のところに行って、曜日、日付も同じにして。勉強するときは絶対にゾムとするようにして。登下校も毎日ゾムとして。卒業式の後も、ゾムと一緒に泣いて。
今思えば、ゾムが隣にいなかった日はなかったと思うぐらい、俺はゾムにくっついていた。
中学生になって、周りの雰囲気は変わっていった。恋愛が現実味を帯びて、友達との距離感も微妙に変わった。ゾムは相変わらず明るくて、友達も多くて、女子ともよく話していた。俺は、そのたびに胸がざわついた。
理由は分かっていた。
でも、認めたくなかった。
ゾムが女子と話す姿を見るたび、その声の高さや、笑い方まで記憶に残してしまった。会話の内容を思い返しては、俺には話してくれなかったことを探してしまう。
教室の窓際で笑っているゾムを、席からそっと見るたび、目を細めて誰よりもその姿を焼き付けていた。ノートの隅に、ゾムの名前を何度も書いた。無意識に、無数に。
ゾムが女の子と笑っている姿を見るたび、心臓を雑巾みたいに絞られる感覚がした。苦しくて、逃げ出したくなるのに、目は離せなかった。そんな自分を、何度も醜いと思った。
けど、それでも好きだった。どうしようもなく、好きだった。
下校のタイミングが少しでもずれると不安になった。ゾムがどこかで寄り道していたら、それが誰かとの時間かもしれないと思って、いてもたってもいられなかった。他にも、ゾムが筆箱を落とした時、誰よりも早く拾って中身を確認した。そこにある小さな持ち物ひとつひとつが、知らなかったゾムの世界に繋がる気がして怖かった。
高校に上がる頃には、俺の中の「好き」は、もうただの好意じゃなかった。執着に近かった。ゾムの一挙手一投足を見逃さなかった。
誰と話したか、いつどこにいたか、どんな顔をしていたか。全部、覚えていた。頭に焼き付けて、消えないように何度も何度も思い返していた。
それだけが、俺の心を満たしてくれた。
ゾムが香水をつけていることに気づいた日は、ゾムが何気なくつけていた香水の匂いを調べて、買って、同じものを自分の机に染み込ませた。何度も匂いを嗅ぎながら、ゾムの姿を思い浮かべた。
LINEの既読がつかないだけで、スマホを何度も確認してしまった。通知が鳴るたびに心臓が跳ねて、ゾムじゃなかったと分かると、吐きそうなほど沈んだ。机の引き出しには、ゾムと撮ったプリクラを隠していた。見えない場所にしまっていたけど、毎日開けて確認していた。
けれど、それだけじゃ足りなくなった。
ただそばにいるだけでは、満たされなくなった。ゾムの目が、俺以外を映すたびに、腹の奥がじわりと焼けた。どうして俺だけを見てくれないのか、どうして誰にでも優しいのか、分からなくてたまらなかった。
優しさが罪に見えるほどに、俺はゾムを好きになりすぎていた。
ゾムが誰かの名前を口にするたび、その人のSNSを漁った。共通の投稿をひとつずつ探しては、どんな関係なのかを想像して苦しんだ。ゾムの部屋に飾られた小さなフィギュアさえ、自分が知らなかったと知ると、悔しくてたまらなかった。自分だけが、ゾムの全てを知っていたいと願っていた。
心の奥で、何かがひっくり返った音がしたのは、ある日、ゾムが他の男子と二人で帰っていたのを見た時だった。楽しそうに笑っていた。俺の知らない顔をしていた。その瞬間、全身から血が引いたように冷たくなった。
同時に、頭の奥が真っ白になった。
もう、俺、ダメだ。
俺はその夜、ゾムのSNSのフォローを全部外した。でも、すぐにまた戻した。外した状態じゃ、安心できなかった。ゾムが今、何をしているのか分からないことが、何よりも怖かった。知りたい。知らなきゃ、落ち着かない。
けど、知れば知るほど、苦しくなる。
ゾムのLINEの通知も切ろうとした。ブロックしようとした。けど、最終的にはスマホのホーム画面に、ゾムとのトークルー厶を固定した。通知を切ることなんてできなかった。それからは、ゾムのアイコンが変わっただけで、背景まで調べ直した。何気ない一言に一晩悩み、送信取り消しの痕跡を見つけては、何が書かれていたのかを妄想し続けた。
こうやって苦しむことがあっても、まだゾムのことが好きだった。この感情は止まらなかった。いや、止めようなんて、もう思っていなかった。
俺の中で、「好き」が「所有したい」に変わっていった。ゾムの全部が欲しかった。
笑顔も、言葉も、仕草も、全部、俺だけのものであってほしかった。
でも、そうならないことも分かっていた。
俺は、ゾムにとってただの友達だったから。
昔から一緒にいる、気楽に話せる存在。それだけだった。
だから、俺は、もう「普通」ではいられなかった。好きが膨れ上がって、俺の中で限界を越えていた。ゾムのことを考えすぎて、眠れなくなる日が続いた。食事の味もしなくなっていた。ゾムの姿が、夢にも出てきた。
笑ってくれるたびに嬉しくて、でもその笑顔が俺以外の誰かに向けられる可能性を思うと、全身が軋んだ。
好きだった。でも、それはもう、まともな「好き」じゃなかった。誰にも見せられない、心の奥にひそんだ、どす黒い感情だった。
それでも俺は、ゾムのことが欲しかった。
ただ、欲しかった。
好きって、こんなにも苦しかったんだな。
そう思ったその夜から、何かが変わり始めた。変えなきゃいけないと思った。
このままじゃ、俺は壊れてしまう。いや、もうとっくに壊れていたのかもしれない。
ゾムが誰かと話して笑うたびに、心が裂けそうになった。その感情に耐えるだけじゃ、もう足りなかった。奪いたいと思った。
誰にも渡したくないと思った。
ゾムのスケジュールは、ほぼ把握した。
授業のある日も、休みの日も、誰と会って、何をして、どこに行ったか、全部。
高校生になって頭も良くなったから、ゾムの家の近くを通る時間を計算して、偶然を装って出くわすようになった。学校の帰り道、遠回りをしてでもゾムの姿を探した。
偶然に見せかけて、必然を積み重ねた。
ゾムの好みを徹底的に分析したりもした。好きな色、嫌いな食べ物、興味を示した小さな話題まで、忘れないようにメモしていた。
ゾムがSNSで何気なく言及した物や音楽を、すぐに調べて自分の生活に取り込んだ。
自分がゾムにとって一番「気の合う存在」でいられるように、形を変えていった。
それに、少しずつ、周囲からゾムを切り離していった。ゾムが誰かと話していたら、その人に対して無意識に冷たくなった。ゾムが楽しそうにしていたら、何気なくその空気を壊すように間に割って入った。誰にも気づかれないように、少しずつ、少しずつ。
ゾムの世界から他人を減らしていった。
それでも、ゾムは俺のことを信じていた。
昔からの友達で、何でも話せる存在。
だから、警戒なんてされなかった。
それが、恐ろしいほど心地よかった。
ゾムの私物にも触れるようになった。
誕生日にプレゼントしたハンカチと同じ柄のものを、自分用に買って、家でそっと握りしめた。貸してもらった筆記用具を、返す前に自分のものと並べて写真を撮った。ゾムの匂いが残っているものは、捨てられなかった。捨てるどころか、密かに保存していた。
いつしか、ゾムに恋人ができる未来を、想像すらできなくなった。そんなものは、あってはならなかった。ゾムの人生に、俺以外の誰かが深く関わるなんて、許せなかった。
誰かに奪われるくらいなら、自分の手で閉じ込めてしまいたかった。
そんな俺でも、どういう俺でも優しく接してくれるゾムがが怖かった。
誰にでも笑顔を向けて、誰にでも同じように接するその無垢な態度が、俺を狂わせた。それがゾムの魅力であり、同時に、俺の不安の種だった。
だから、俺は決めた。ゾムには、俺だけを見てもらう。俺だけのものになってもらう。
もう俺は壊れちゃうって分かったから。
それならいっそ、壊す側に回る。
誰にも渡さない。誰にも触れさせない。
ゾムの笑顔も、声も、時間も、心も、全部。
全部、俺だけのものにするって。
そのための準備を、静かに進めた。
周囲には気取られないように、いつも通りを装いながら。ゾムとの関係が「普通の友情」であるうちに、その絆の中に、見えない鎖を編み込んでいった。気づかれないように、でも確実に。
そうすれば、もう怖くない。
不安も、嫉妬も、苦しさも、すべて終わらせられる。ゾムが俺のものになれば、それで全部、終わる。それでやっと、俺は安心できる。それだけを、信じていた。
静かに、確実に、ゾムを監禁する準備は進んでいった。
ゾムの予定を操作するのは、もはや日常だった。さりげない誘導。自然な提案。偶然を装った必然。ゾムが疑問を抱く隙間すら与えなかった。信頼という名の鎖で、ゾムは俺の手の中に留まり続けた。
高校の三年になった頃には、ほとんどではなくて、毎日をゾムと一緒に過ごすようになっていた。学校でも、放課後でも、休日でも。
他の誰かがゾムに声をかけるたび、俺は心の中で何かを塗り潰すようにして、微笑みを貼り付けていた。ゾムはそれを不自然だとは思わなかった。思わせないように、長い年月をかけて作り上げてきたから。
誰にも渡さないためには、物理的に距離を奪うしかなかった。だから俺は、ゾムを閉じ込めるという選択をしたんだ。あまりにも静かに、自然に。他の誰にも気づかれないように。それは衝動ではなく、ずっと前から用意していた結論だった。
最初は、泊まりの口実だった。
受験前に、ゾムと勉強をするため一緒に泊まるという理由。親も納得しやすい。
俺の部屋には、すでにゾムのためのものが揃っていた。机も、布団も、歯ブラシも、服も。準備していた。ずっと前から。ゾムの好みに合わせて。好きな色、素材、匂い、配置。一つひとつ、迷いなく選んできた。誰よりも、ゾムのことを知っていたから。
その夜、ゾムが眠ったのを確認して、俺は部屋の鍵を閉めた。内側からしか絶対に開けられない扉。音が出ないように手入れした足枷。スマホも、そっと手元から離した。アラームも、通知も切っておいた。
誰にも邪魔されないように。この空間には、もう俺とゾムしか存在しなかった。
俺は静かに部屋の隅に座って、寝息を立てるゾムを見つめていた。こんなにも近くにいて、こんなにも深く知っていて、それでも不安は消えなかった。だから、必要だった。この閉ざされた空間が。二人だけの世界が。
ゾムが目を覚ましたとき、どんな顔をするのかは想像がつかなかった。でも、それでもよかった。驚かれても、怒られても、泣かれても、それはすべて、俺だけのものになるという証だから。ゾムの反応すら、俺だけのものになるということだから。
逃げ道はないようにした。窓にも鍵をかけて、カーテンは厚手のものにして、光を遮った。時計は取り外して、時間の感覚も曖昧にした。この部屋のすべてが、ゾムにとっての世界になるように。俺とゾムだけの、世界に。
不安や後悔は、なかった。この選択が間違いだとは思わなかった。ずっと、ずっと、そうしたかった。やっと叶った。やっと、俺の手の中にゾムが完全に入った。
誰にも触れられない。誰にも見せない。
俺だけが見て、知って、感じるゾム。
そう思うと、胸の奥が熱くなった。
この熱は、ずっと俺を苦しめてきたものだった。でも今は違った。この熱は、安堵だった。ようやく、俺のものになったという、確かな実感だった。
その日から、世界は変わった。外の世界なんて、もうどうでもよかった。ゾムがいれば、それでよかった。
ゾムさえここにいれば、何もいらなかった。
きっとゾムも、いつかこの空間に慣れていく。最初は戸惑っても、俺の優しさに触れて、安心してくれる。ここが、いちばん安全で、いちばん幸せな場所だと気づく日が来る。
その日まで、俺は待ち続けるつもりだった。
どれだけ時間がかかっても、構わなかった。
だって、もう始まっていたから。俺だけの世界が。ゾムだけの、檻の中の世界が。
ゾムが目覚めた。これからどんな生活になるかな。狂った生活でも、歪んだ生活でも、どんな生活でも、ゾムは俺の手元にあるという事実に変わりはない。
大好き。ゾム。これから、よろしくね。