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夕方の道を三人で並んで歩く。
買い物リストを片手に、亮が先頭を歩きながら軽口を飛ばした。
「おーい咲、ちゃんとメモしてきたか? この前みたいに忘れ物すんなよ」
「してるよ!」
ムッと返すと、横から悠真が覗き込む。
「……ちゃんと準備してるじゃん。亮よりしっかりしてる」
咲の頬が一瞬で熱くなった。
(ほめられただけで、どうしてこんな……)
亮は気づかず前を歩いている。
その隙に、咲はそっと視線を横に向けた。
悠真も同じタイミングで目をやっていて――慌てて逸らす。
ほんの一瞬。
だけどその短さが、逆に心臓を強く打たせた。