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あれから3人から引き受けた仕事は結局俺がやった。オペはさとみくんにも入ってもらっちゃったけど…

全て患者さんのためだと思えばなんだってできた。

でも身体はそうじゃなかったみたいだ。


グラッ

「…ッ」

また、目眩…?

仕事入りすぎたかな、笑

そういえば全然食事もとってないし寝てないや、貧血だろうな〜

そう思ってスタッフルームに戻った。


「りいぬ先生、少し話が」

「…え、はい」

「前回のオペでまたさとみ先生を呼んだの?」

「はい、」

「さとみ先生も忙しいのよ?スタッフリーダーなんだからそれぐらいわかるわよね?代わりに入ったとはいえ引き受けたのなら自分で責任は取らないといけないのは分かるわよね?」

「申し訳ございません…」

「さとみ先生は本来脳外科なのよ?脳に損傷のない患者さんのオペに入るのは本来ないことよ?分かってるでしょ!」

「はい、、、」

今後こんなことがないようにして」

「はい…申し訳ごさいません、」


そっか、そうだよね…

さとみくんは本来脳外科、運ばれてきた患者さんを片っ端から治療する俺らとは違う。

次から気をつけなきゃ…


この1件からみんなに目をつけられ扱いが酷くなり始めた。

初めの3人は堂々と聞こえる声で俺の不満をぶつけたり、上司の先生はスタッフリーダーだからと他の人のミスを全部俺のせいにしだした。

仕事を変われと言われることも多くなりどんどんエスカレートしていった。

そんな俺の精神状態は最悪だった。


少し休もうと椅子に腰を下ろせば久しぶりにころちゃんとるぅちゃんが向かいから歩いてきた。2人も俺に気づいたようで手を振りながらこっちへ来た。


「やっぽ〜!」

「りいぬ先生休憩?」

「…うん、」

「なんか、やつれた…?」

「やつれてなんかないよ笑」

「そう…?顔色最悪だよ?」

「体調は全然いいよ??」

「そうなの、ならまぁ気をつけてね?」

「ありがとう!」

ころちゃんはそう言って俺の隣に腰を下ろした

るぅとくんはこの後会議に出ないといけないらしくまたねと言って歩いていった。


「最近どうよー」

「どうって?」

「さとみくんと、」

「あ…、べっ別に、」

「好きならそう言っちゃえばいいのに〜さとみくんも絶対りいぬくんのこと好きだよ笑」

「そんなことないよ、笑

さとみくんは忙しいし迷惑かけたくないから」

「迷惑だと思ってないと思うけどね、

てかほんとに体調悪くないの?」

「うん」

「それならいいけど、あっ!僕もう行かなきゃ。じゃあまたね〜」

「うん、また」

みんなすごいな、

俺も頑張らなきゃ


「さすがに何か食べないとダメかな…、」

もう1週間くらいまともな睡眠も食事もしてない。さすがに医者としてもこれはだめだと思い食堂へ向かった。


「…」

「あれ?りいぬやん、」

「ジェルくん?」

「りいぬがいるなんて珍しいなぁ、」

そう言ってジェルくんは俺の向かい側の席に座った。

「1人なんて珍しいね。いつもならなーくんもいるのに笑」

「俺だって四六時中一緒にいる訳やないで?!」

「わかってるよ笑」

「そういえば最近は救命ばっかなん?」

「、そうだね」

「でもあれだけ精神科にだけは務めないって言ってたりいぬが行くとは思わんかったわ、」

「今も嫌だとは思ってるよ、今でも鬱になった患者さんとか錯乱状態に陥ってしまう患者さん見ると結構来るものはあるよ…、笑」

「まぁ、そうやろな…あんま無理はせんといてな?仲間が苦しむ姿は見たないで、今のりいぬは無理して働いてるように見える」

「みんなに言われる…、笑」

「今のりいぬ見れば誰もがそう思うで?」

「限界が来れば俺だって休むよ笑 ありがとう、俺もう行くね 」

「誰でもええから辛い時は言うんやで〜」

「うん」

ジェルはそう言いながら手をひらひらとふった


言えないよ…

辛いなんて、助けてなんて、

言えるわけないよ…

仕事仲間に標的にされたことなんて


言えば今よりエスカレートするだろうし信じて貰えないかもしれない。言いがかりだってみんなからも嫌われるのも耐えられない。みんなを信用してない訳じゃない、でも1度経験したことはどうしても怖くて出来ない。

それなら気づかれるまで何も言わない、気づかれたら助けてもらおう。そんな受け身の思考しかできない自分が嫌いでしょうがない。

でも昔からこうやってしか生きていけなかったからしょうがない。

今日もそう言い聞かせる、、、


自分が精神的にも身体的にも疲れているのを知ったのはそう遅くはなかった。


「りいぬ先生!この患者さんのカルテの更新まだできていないんですか!?」

「え…?それは安西先生の担当ですよ、」

「安西先生はりいぬ先生が代わってくれると言っていましたよ!」

「俺知らないです、!」

「なんでもいいから早く終わらせて!」

「はい…」

知らない間に仕事を擦り付けられ、怒鳴られて全て俺が悪い。

…そう思わされる

(使えない)

(任された仕事が出来ないなんて)

(リーダーとは思えない)

(昔はよくできたのに…)

自分の仕事はやってるのに…


「りいぬ先生、その痣どうしたんですか?」

「あざ…?ーほんとだ」

「どこかでぶつけたんですかね〜」

「そうかもしれないですね」

「気をつけてくださいよ〜?」

「はーい笑」

最近の悩みは身体中に痣ができていること。

昔にできた痣の跡もあるが明らかに真新しいあざも幾つかある。

医者になると病気などに敏感になるため症状を照らし合わせるとだいたい思い浮かぶものはある。でも信じたくなかった。

気のせいだと思いたかった、、、


「あれ?まだ俺たちしか来てないじゃん」

今日は唯一休みが被る日でオフィスで集まることになった。ご飯食べたり遊んだり普段できないことをする、はずだったのに…

「ほんとだね笑」

「っ!りいぬ鼻血!」

「え、?」

鼻血と言われ鼻下を指で擦ると赤色に染っていた。さとみくんはティッシュを2.3枚取ってくれたが量が多すぎる、すぐに白が赤に染る。

さすがにおかしいと思ったさとみくんも俺の傍に来た

あ…きっと俺は病気なんだ

そう悟ってしまった。

痣に鼻血、この単語を聞いて出てくる病気なんて限られている


「りいぬ、抑えて!」

「さと…ちゃッ…」

「ちょッ、りいぬ!」

目の前がぐるぐるして白くなっていく。出血量が多いことから貧血を起こしたのかさとみくんに抑えてもらってなかったらきっと倒れてる。

「いつからッ…?」

さとみくんもだいたいわかっちゃったのだろう

そりゃそうだ、優秀な医者だからたとえ科がちがえど病気くらいわかるのだろう

「はな…ぢ…はッハァ…きょッ…はじ、めて…」

「分かった、」

あ…さとみくん涙目だ

迷惑かけちゃったな、、、

この後みんなで遊ぶ予定だったのに、

せっかくみんな休みなのに俺のせいで…、


この後の記憶は何となくしか覚えてない

俺が意識を保てるようにずっと声をかけてくれていたさとみくんと後から来たるぅころは状況把握から始まりその後にななもり、ジェルの順に来てそれぞれ処置をしていた


さとみside


今日は奇跡と言っていいくらいだ。

なんと6人の休みが被ったことだ

「あれ?まだ俺たちしか来てないじゃん」

オフィスに集まる予定だったため俺はオフィスに向かっている途中りいぬと会い、2人で向かったがどうやらまだみんな来ていないみたいだ。

「ほんとだね笑」

そんなこんなでとりあえず中に入りは椅子に座ってどうでもいい話をしていた。

それが途切れたのはりいぬに起きた出来事だった。

「っ!りいぬ鼻血!」

「え、?」

俺の発言に驚きながらもりいぬは自分の手で鼻を拭った。

それに俺は見てしまった、りいぬの白い肌には合わない紫のような赤黒い痣を。 鼻血に痣、それも数箇所にあった。

俺たちは医者だ、これが何を指すのかがいやでもわかってしまう。

信じたくない、まだ分からないのに嫌なことだけがグルグルする。

「りいぬ、抑えて!」

「さと…ちゃッ…」

「ちょッ、りいぬ!」

そんなことを考えていたら急にりいぬの体が斜めになって行くのが見え急いで支えた。

(酸欠か…、)

めまいでもするのか焦点があっていない。意識も朦朧しだしいよいよ危なくなっていた。

「ごめ…ん…ッ…」

「さと…ちゃッ…」

「いいから、」

こんな時にまで謝るなよ…

りいぬが何をしたって言うんだよ、

俺がいつから症状があるのか聞けば鼻血は今回が初めてと言っていた。

りいぬも俺が何かに気づいたことを察したのか一瞬表情が歪んだ、


ピーンホーン


インターホンがなったあとガチャッとと音がして足音が聞こえた。


「やっほ〜」

ころんだ、まだこの状況を知らないためハイテンションで廊下を歩いているのだろう。


「おはっ…え、?」

「ごめんころん、タオル持ってきてくれない?説明は後でする… 」

ころんは顔を歪ませた。

そりゃあそうだろう、来たら2来ててしかも1人は体力の鼻血を出してもう1人は涙目で抱き抱えてる。

さとみがころんに指示を出したと同時にもうひとつの足音が聞こえて来た


「さっきのうるさい声はころちゃんですか!!?」

バンッと音を立てて怒りながら入ってきたのはるぅとだ

「もう少し静かにっ…、りいぬ…?」

怒っていたるぅとも目の前の状況を見て唖然としていた

「さとみくん…、りいぬどうしたんですか、?」

「急に鼻血出て多分貧血…」

「それにしても出血量が、」

「とりあえず処置が先だ。今ころんにタオル頼んでるからるぅとは水頼んでいいか?」

「もちろんです、」


りいぬはとうの昔に限界を超えていたのだろう

最近変だとおもったことは仕事量が急に増えたことだ。

りいぬは仕事を残さないタイプだから残業とかあまりないタイプのはずが、最近は毎日残っている気がする。


俺はなーくんとジェルに早く来てもらうため連絡をした。

ちょうどもうすぐそこまで来ていたみたいで5分もたったくらいでガチャッと主がしてバタバタ入ってきた


「様子どんな感じ、?」

「偉い出血量やな…。これいつくらいからなん?」

「もう20分は経つ、」

「さとちゃん場所変わらんでええ、?」

「ん、」

「そか、分かった」

ジェルは気を使ってくれたんだろうな、

俺がりいぬを好きな事をジェルには話していたから。もうだいたいみんなにバレてるけど、笑


“神様…どうか、どうか…

りいぬを助けてください”


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