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(翌朝、どんよりとした曇り空。桜は鏡の前で、不自然なほど真っ白に
染め抜いた髪をくしゃりと掻き回す。瞳には、
昨日負った傷の痛みよりも深い、他人への拒絶の色が張り付いている)
桜 「、、クソ、体が重ぇ。、、深入りしねぇって決めてんのに、何やってんだ俺は」
(ポケットの中、禁断症状を抑えるための品を指先でなぞる。
それが今の彼にとって唯一の「お守り」だった。大きく息を吐き出し、重い足取りでアパートを出る)
(街に出た瞬間、空気が変わる。昨日まで「化け物」と蔑まれてきたはずの視線が、今日は温かい)
八百屋 「! やぁ、あんちゃん! 昨日はありがとうな! ほら、このリンゴ持っていってくれ!」
桜 「、、あ? いらねぇよ、そんなもん」
精肉店 「よう坊主、聞いたぜ。昨日はかっこよかったな! 揚げたてのコロッケ、食ってけや!」
パン屋 「君、昨日の強い子だろ! うちの自慢のパン、冷めても美味しいから持っていきな!」
(断る間もなく、両腕は食べ物でいっぱいになる。桜は戸惑い、足を止めた)
桜 「、、なんだよ、この街。、、馴れ馴れしすぎるだろ。俺みたいな奴に、なんで、、」
(反射的に吐き気が込み上げるのを堪える。だが、不思議と昨日の連中を
思い出した時のような「恐怖」は湧いてこない。それが逆に、桜を苛立たせた)
女 「あのっ!!」
桜 「のぉわぁぁっ!? ビックリさせんな! どっから湧いて出たんだよ」
(目の前には、必死な顔をした一人の女性。彼女は桜の腕を強引に引こうとする)
女 「風鈴の方ですよね!? お願いです、助けてください! あっちで男の人が!!」
桜 「、、、は? なんで俺が。おい、さわんな。チッ、わかったよ、あっちだろ。お前はここにいろ」
(女性の手を振り解き、桜は駆け出す。そこには、数人の男に囲まれ、地面に這いつくばる小柄な少年がいた)
モブ1 「あーあ。せっかく女の子と楽しくおしゃべりしてたのに。なぁーんで、邪魔すんの?」
ドガッ!
??? 「ッ! 、、お、女の子は嫌がってたじゃないですか!」
桜 「、、おい」
モブ1 「ええー、なにそれ。言いがかりもいいとこ――」
ボコッ!!!
(言葉が終わる前に、桜の拳がモブの顔面に突き刺さる。
モブは独楽のように回転し、壁まで吹き飛んだ)
桜 「、、、」
モブ2 「な、何してくれてんだテメェ! その制服、お前も風鈴か!」
モブ3 「仲間を助けに来たってか? まさか一人で、、舐めてんじゃねぇぞ!」
桜 「助ける? 仲間? 勘違いすんなボケ。弱いくせに強いと勘違いしてる奴らが、
反吐が出るほど気に入らねぇだけだ。見てると吐き気がするんだよ」
モブ2 「んだとぉ!? このクソガキがぁ!!!」
??? 「一人じゃ無理だ、逃げて、、っす、、」
(一瞬の静寂。肉のぶつかる鈍い音。そして――)
モブ共 「チーン」
??? 「っす、、す、すごい!!」
桜 「、、、ハァ。時間の無駄だ」
(立ち去ろうとする桜の背中に、少年が必死に声をかける)
??? 「! ありがとう、、ございました! 俺、小さい頃からずっとパシられたり、
殴られたりしてて。そんな俺を助けてくれたのが、風鈴の人たちだったんです。
普通なら怖いとしか思えない人が、かっこよく見えて、、
俺も、ああなりたいって思ったんですけど、、全然、ダサくて、、」
桜 「あー、、べつに、だ、、ダサくはねぇんじゃねぇの」
(ボソリと呟いた言葉に、少年が目を見開く。そこへ先ほどの女性が駆け寄ってきた)
女 「あの! 大丈夫でしたか?」
??? 「あ、、はい、大丈夫です!」
女 「白髪の人も、ありがとう!」
桜 「、、ふんっ。(チッ、朝から最悪だ。、、つーか、学校どこだよ)」
??? 「あ、あの! お名前を伺ってもよろしいですか!?」
(迷う。だが、この少年の真っ直ぐな瞳は、かつて自分を捨てた親の目とも、
自分を嗤った連中の目とも違っていた)
桜 「、、桜、、桜だ」
楡井 「! 桜さん! 俺の名前は、楡井秋彦です!」
桜 「あそ」
楡井 「桜さんは、なぜ風鈴に?」
桜 「、、てっぺん、とるためだ」
(鼻で笑われると思った。だが、楡井は弾けるような笑顔で答えた)
楡井 「てっぺん、、ですか。き、きっと、なれます!!! 桜さんなら、きっとなれます!」
桜 「、、っ。、、そうかよ///」
楡井 「あ、照れた」
桜 「ばっ!? 照れてねぇ!!」
楡井 「ふふふ、、あの、よければ道案内しますよ。喧嘩では、
力になれないかもしれないですが。街のこととか、人のことなら。案内しますよ、てっぺんまで!!」
桜 「あ、、、」
(差し出された手は取らなかったが、その背中が眩しくて目を細める)
楡井 「さぁ、学校はこっちですよ!」
桜 「あ、おい! さわるな! ひっぱるな!」
(強引に腕を引かれ、桜はたじろぐ。不器用で、
暴力でしか自分を守れなかった少年の心に、初めて温かな風が吹き抜けた)
桜 「、、、人の話を聞けー!!!!」
(まだ固く閉ざされていた桜の花びらが、ほんの少しだけ、春の予感に震えた気がした)
2218文字!終わります