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『春の桜に恋焦がれ』
〜その姿に…恋に落ちた〜
第六舞「戀恋愛恋」
夕方――
『綺麗な夕日…。』
『そうですね…。』
私とベリアンは公園のベンチに座り夕日を眺めていた。
『……。』
その横顔から…目が離せない。
『…主様?如何なさいましたか?』
ベリアンは私を見つめる。
あぁ、気持ちが溢れてしまいそうだ。
この隠してた「好き」と「愛しい」が。
言ってしまえば――楽だろうか。
『…ううん。なんでもない。』
『……?』
気付かなくても構わない。ただ、これだけ伝えたい。
『ベリアン。』
彼を真っ直ぐ見つめ、口を開く。
『はい。』
『夕日が綺麗だね。』
『っ……。』
そう告げた貴方の横顔から――私は目を逸らすことが出来なかった。
『…はい。主様。』
その想いをぐっと堪えて微笑んだ。
『…そろそろ帰りましょうか。今日はロノ君が主様の好きな物を作ると張り切ってました。』
ベンチから離れるベリアン。
『そっか、それは楽しみだね。』
差し出された手を少し掴むのを躊躇う。
『主様?』
『…ねぇ。ベリアン。』
『?』
『また……。2人で来ようね。』
『えぇ。もちろん。』
その手を握り返し、屋敷へ帰る。
デビルズパレス 門の前
『さ、主様。入りましょう。』
心の中が、モヤモヤする。聞きたいのに、聞きたくない、葛藤している。
あぁ、止まって。
『ベリアン…あのね。聞きたいことがあるの。』
『聞きたいこと、ですか?』
お願い、私、聞かないで。
『あの日…どうして私にキスしたの?』
ドクンッ!
…あぁ。聞いてしまった。超えてはいけない線を超えてしまうこと、分かってたのにね。
貴方のそんな顔みたくなかったな。
困ったような、核心を突かれたようなその顔。
『……。』
沈黙が続き、ゆっくりベリアンは口を開く。
『今夜…静かに話せる時間を下さいませんか。』
『え…?』
『全て話しましょう。今隠してる私の気持ちを。』
主の部屋
『顔熱い……。隠してる気持ちって…まさか…ベリアンも私を……?』
ボンッと顔を赤くする。
(自惚れていいのかな。貴方と同じ気持ちだって。)
私は時計を見つめる。
(約束の時間は22時にドローイングルームに来てって言われてたな。まだ少し早いけど、行っちゃお。)
後にこの決断を…私は後悔することになる。
『ベリアンいるかな…?』
#ベリアン・クライアン
ぷち
276
『――です、』
『――なんだ。』
(話し声…?誰かと話してる?)
私はドアを少し開ける。
『そう…今夜話すんだね。主様と。』
『はい。私の気持ちを包み隠さず…話そうかと。』
『ようやく決断したなベリアン。』
(ルカスに、ハナマル…?それにミヤジも……。)
ハウレスを覗いた室長。ルカス、ミヤジ、ハナマル、ベレンの年長者がベリアンと話している。
『頑張ってね、ベリアン。』
『主様は受け入れてくれるだろうか…』
(受け入れるよ、もちろん。ベリアンの気持ち。伝えてくれるなら、私も伝えるよ。)
『受け入れてもらうしか…ありません。』
(ん……?貰うしか、無い…?)
『私達悪魔執事が…歳を取らないということ。』
(え……?)
『伝えるのが遅くなってしまったけど…主様は…』
ギィィ…。
『『『『『……!!』』』』』
私はドアをゆっくり開ける。
『主様…!?』
『…どういう、こと……?ベリアン……。』
次回
第七舞「失言後悔」
コメント
1件
夕日のベンチのシーン、すごく綺麗だったな…「夕日が綺麗だね」って、好きって言いたいけど言えないもどかしさが伝わってきて、こっちまでドキドキしたわ。 最後の「悪魔執事が歳を取らない」ってベリアンの告白、まさかそんな展開になるとは思わなかった。聞いちゃいけない話を聞いちゃった感、めっちゃ引き込まれた。続きが気になる…ベリアンの本当の気持ち、どうなるんだろう。