この作品はいかがでしたか?
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あれから三日が経った。いやもう3日も経ってしまった。俺は今治療のせいで何もさせて貰えない。なんなら食べたい飯も食えない。自由が制限されている。もういっその事自由にしてくれないだろうか、もう期間は決まっているのだから。
「蒼弥、?起きとる?」あかりが入ってきた。
「あぁ、起きてとよ」
「ねぇ蒼弥、相談なんやけど」
「ん?」
「今日の朝先生が個別入院室だと退屈だろうから団体入院室に移らないかやって言っとったん。そこみんな同年代らしいから楽しいと思うんやけど…どう?」団体入院室。知らない人と毎日過ごすのは楽しいものなのだろうか。でも、体験してみる価値はありそうだ。
「へぇ、そんなのあるんや。俺行きたいかも」俺がつぶやくと何を考えたのか分からないけど、あかりの表情が明るくなった。
「ほんま!?ちょ、先生呼んでくる!!」と言い残しあかりは走って出ていった。数分後に医者が入ってきた。
「お話聞いたと思うんですが。実は今、団体部屋高校生の間が空いてまして。是非入りませんか?」
「よろしくお願いします。」
「ではでは早速。下の階なので車椅子乗って貰えますか」
「分かりました」と言い、俺は力の入らない震えた足であかりに手伝ってもらいながらも車椅子に乗った。
「はい、それでは行きましょうか」
「そんなすぐ移動出来るものなんですか」
「あ、もう準備してましたんで」
「あぁそうでしたか」というような素っ気ない会話をしているうちに団体部屋に着いた。
「ここには基本医者が入ることが禁止されてるので私はここまで。あかりさんにお話はしているので体に負担がない程度にお好きにすごしてください。」
「ありがとうございます。」と話し、医者はもう一度エレベーターに乗って行った。
「んじゃ、入ろ」
「おけ」俺らは病室の扉をを開けた。その途端
「パパパパパパーーーーーン!!!」俺は思考停止した。なんの音か分からなかったが、周りを見る度クラッカーのようだ。
「いらっしゃいませー、えめっちゃイケメンで草」ベットに座ってる茶髪の女子高校生が言った。
「よぉーしまず自己紹介するか!!!」今度は赤髪のガタイのいい男子高校生が盛り上げた
「いぇぇぇい」みんなで拍手。
陽キャだ、めちゃめちゃ陽キャ。俺についていけるのだろうか。
「んじゃまず俺から、俺は加太颯乃。高3。えー最近ちょっと喧嘩した時に屋上から落ちた☆まあ元気だからwここでは年齢関係なくタメ語でいってるからさ!☆夜露死苦☆」
「いえええええええええい」この人たちはほんとに病気なのだろうか。俺とはまるでテンションが違う。
「んじゃあ次、俺。俺は佐崎空。高2です。俺は、うーん、学校で色々あって怪我した。まあ元気だからさ!気軽に話しかけて」
「いえええええええええい」
「はーい次私!私はー伊野結衣で、高3!ネイルとかそういうオシャレが好きで、食べるのも好き!今は元気なんだけど、昔から病気で入院してます、よろしくねぇ」
「いえええええええええい」
「はいはーい最後ウチ!ウチは矢那瀬美亜!!高2なんだけど、1回留年してるから一応高3かな!ウチは半年…?ぐらいまえに病気で入院し始めてからずっと入院してますっよろぴくみん」
「いえええええええええい」
「それでそれで、君は?」と颯乃が言い出した。
「あ、俺?」
「そ、君」
「俺は…青田蒼弥です。3ヶ月前に事故にあって、そこから意識不明で、最近起きました。1人だと退屈なのでこっちに来たんです。実はよめI」
「ぁストオオオオオップ」美亜が言った。
「え、あはいすみません」すると美亜が小さな声で話してきた。
「ここにいるみんな余命決まってるのよ」
「あそうなんですか」
「そそ、だけどいつまでって言ったらみんな悲しくなっちゃうでしょ?だからみんな秘密にしてるの」
「な、なるほどわかりました。何も知らずにすみません」
「いーのそんなん気にしないで!!てかタメ口で行こ!はいもう1回自己紹介っ!」
「あ、はい」
「たーめーごーは!!!!」
「あ、う、うん。えっと、俺は青田蒼弥で、高3。とりあえず、よろしく」
「いえええええええええい」なんなんださっきから。これはなんなんだろうか。この、いえええええええええいってやつは。
「てことで!これからよろしくな!!」
「それにしても、蒼弥くんイケメン」
「えそれな思った」
「え、いつもスキンケアとかしてるの?」
「いや、特に何も」
「えええええ美肌!!すっごおおおお」
「あ、ありがとう」
「えっそっちは彼女さん?」
「そう、俺の彼女」
「可愛いいいいい!!」
「えぇ照れちゃうなぁ(,,- -,, )松田あかりです、時々遊びに来るよ!」
「えええええ心も清らかぁぁぁ」
「美男美女カップルだぁぁぁぁ」
「ぬおおおおおおおおおおおおお」
「wwwwんじゃ、そろそろ部活あるから行ってくる」
「うん、ありがと」
「キャァァァァァァ」外野がうるさい。
「んじゃ、みんなもバイバーイ」
「またねぇ!!!」と言いあかりは病室を出ていった。
俺は颯乃、空、結衣、美亜と一緒に過ごしていくことになった。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭
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