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一章家出
1日目 京子
私には2人の子供がいる。
1人は中学生の息子もう1人はまだ小学生の娘だ
息子は、受験生ということもあり最近何だかピリピリしている。
1日目 健斗
僕は今受験生ということと母からの小言でイライラしてしまい、母の大切にしていた花瓶を割ってしまった。
「バレたくない、何とか隠し通そう、」
そんな考えは無意味だった、しばらくして父に見つかり、「説教だ!」
と言われ部屋に押し込まれ説教が始まった
1日目 京子
息子が夫に叱られている
夫は熱血系で、昔からやる時はやるタイプだった
夫の説教が始まる
大きな怒号が響き息子に色々な言葉を浴びせる、まるで日頃のストレスを発散するように。
しかし次第に音が小さくなってきた
そして1度大きな音がなりその場は静まり返った
1日目 健斗
僕は今父に叱られている、父の叱る言葉に僕は段々と苛立ちを覚えた。
そして次の瞬間、僕は横にあった花瓶を父の後頭部に勢いよくぶつけた
1日目 京子
音が止んだ、微かに花瓶の割れるような音がして、私はすごく恐怖を覚えた
そして私は夫が息子を叱っている部屋へ走り出し、「どうしたの?!、大丈夫!?」
と声をかけていた、私はこの行動に何故か既視感を覚えた
1日目 健斗
父を殺した、僕がやったんだ、そう思っていたのもつかの間、母が扉をどんどんと叩き、「大丈夫?!、どうしたの?!」などと喚いている、その大きな声に対して妹は驚き泣いてしまっているのが微かに聞こえた。
もう後戻りはできない、僕はそう決心し、部屋にあった自分のカバンを持ち出し窓から身を投げ出した。
運良く致命傷は避けることが出来、僕は駅へと走り出した。
1日目 京子
私は部屋の扉を開けようとしたが強く抑えられており開けることが出来ない私は急いで裏口へと周り窓から入ろうと思った
1日目 健斗
泣きながら僕は走ったとにかく走った、そして駅へ着いた僕は息を切らしながらカバンを覗いた、カバンの中には財布、カッターナイフだけが入っていた。
財布の中には1万円が入っていた
「これでいける所まで行こう、」
そう思い僕は、電車に乗り込んだ
ふと目を開けるとどこか知らない土地へ来ていた、僕は何だかもう楽しくなってやれる事をやってしまおう!
僕はもう自由だ!
とおかしくなっていた
2日目 健斗
朝が来た、僕はあまり身体が大きい訳では無いのでなんとか暖かそうな場所をみつけ、なんとか一夜をすごした
昨日から色々と神経を張り巡らされていたためか僕は立つことが出来なかった。
いや違う
足がおかしい
足が紫に変色し腫れ上がっていた。
「もう嫌だ、」
そう思いながら1人路地裏で泣いていると一人の男がやってきた。
二章 後戻り
2日目 健斗
男は僕に対して「かわいいね」
と言っていた男は見るからにホームレスであり、服装も汚らしかった
確かに僕は小柄でやや細いそんな僕を見て女と勘違いしたのだろう
僕は男に対し「僕は男だ」
と言ったが、男はお構い無しに僕に向かって襲いかかってきた
嫌な予感がした僕は瞬時にカバンにあったカッターナイフを男に突き刺した
男は反撃されると思ってなかったのかカッターナイフが首に突き刺さり血が溢れ出した
「いてぇ、寒い、かぁさん、俺どうしてこんなことに、」
など言いながら男は徐々に冷たく意識を失って行った
またやってしまった僕はどうしたらいいのだろう、健斗は、とにかくその場から逃れるように走り出した
「僕は、僕は受験勉強を頑張って、行きたい高校にいって、彼女を作って、母さん妹、父さんを幸せにするはずだったんだ」
健斗の目には涙が浮かんでいた、
「自首しよう、」そう思ったが現実はそう簡単ではなかった、知らない土地、知らない人、何もかもが分からない街で健斗は迷い1人寂しく夜を過ごした。
三章 帰還
3日目 健斗
健斗は、フラフラになりながらもなんとか駅へと向かって歩き出した、そしてなんとか家の前まで着く頃にはすっかり周りは暗くなっていた。
「僕は、僕は家に着いたんだ、」
家の中からは談笑が聞こえる、
「父さん、?」
家の中には家族と楽しそうにしている父さんがいた、
「父さんは生きていたんだ、」
僕は体の力がふっと抜けた、そして倒れ込むように座ってしまった。
次の瞬間
グチャッ
惨い音ともに身体に激痛が走る
僕は車に轢かれたんだ
一瞬にして僕はそのことを把握した、
「お゛と゛う゛さ゛」
僕は理解した僕は窓から飛び降りた時に軽く頭を打ったのだ、それに3日間にも及び精神が摩耗しきっていたので、幻覚が見えていたのだ
そこには何も無かった、ただの田んぼ道が広がっている、
身体が冷たくなってくる
最後に父さん、母さん、妹のことを叫ぼうとしたがそんなことは許されなかった
1日目京子
京子は脚立を使い窓から部屋を見ると
夫が部屋にあった花瓶にぶつかってしまったようでなんとか直そうとして、息子は部屋の扉を必死に抑えていた。
京子は、安堵し脚立からおり再び部屋の前に行き、2人にそこまで怒っていないことを伝えた
「お母さんは、花瓶を大事にするような人だけど私そんな興味無いから別にいいのよ」
その言葉を聞いて息子と夫は安堵した様子で部屋から出てきた。
「さてご飯食べましょ!」
と娘を呼びみんなでテーブルを囲んで楽しく食事をした
「忘れてた!」
そう言うと京子は急いで仏壇の前へと行き
手を合わせた
仏壇には、京子の兄であろう人物と親の写真が飾られていた。