続きです。
(1)→(2)を見てから見ることをおすすめします。
めちゃくちゃ長くなります((
お付き合いいただけると嬉しいです…
「そこで泣いているのは誰だーーっっ!!??」
僕の慟哭の声がなくなり、再び静かになったお城の長い廊下に、幼いながら、しっかりと芯のある声が響き渡る。
声の主は一歩、また一歩と僕に近づいてくる。僕は急に響き渡った大きな声に驚いて、固まってしまっていた。
キラキラと光る金色の髪は、毛先にかけてピンク色に染まっている。服はなんだか王族のように立派でキラキラしていて…、頭には小さな王冠が…。
王族のような、キラキラした服…?小さな、王冠…?この国で頭に王冠を乗せることができるのは、王族の人間のみ。彼の頭に乗っている王冠をよく見つめる。折り紙で折ったものでも、おもちゃのものでもない、威厳のある輝きを纏って、彼の頭に堂々と収まっている。
「どこか痛いのか…?痛いのが飛んでくおまじない、オレ知ってるぞ…?」
優しい声で、座り込んでいる僕に目線を合わせ、そう告げる彼と、視線がかち合った。…合ってしまった。間違いない、星が溢れ落ちているような、キラキラと光るトパーズのような瞳は、王族の男性の象徴だ。わかってしまった、僕は彼を知っている。いや、この国の民全員が知っている。僕と同い年で、今の王様と王妃様の長男で、次期国王の…
「ツカサ、王子…。」
名前をポロリと溢せば、彼は今までの焦りの表情を、パッと驚きの表情に変えた。しかし、すぐににこりと笑ったかと思えば、両腰に手を当てて、胸を張って言った。
「そうだ!オレはこの国を、いや、世界を司る男ッ!!“ツカサ“だ!」
僕が仕える王族の人間、このときばかりは、目の前のツカサくんが憎くて仕方がなかった。だから、ツカサくんが、僕を心配して差し出してくれた手を、
パシッ…!
僕は思いっきり振り払ってしまった。乾いた音が、静かな廊下に響く。あぁ、やってしまった。王族の手を払い除けるなんて、不敬にも程がある。
でも、もしかしたらこれで使用人の仕事をしなくてもいいかもしれない。こっぴどく叱られて、お前はもうこの城の人間ではないと言ってもらったほうが、楽かもしれない。ほら、早く誰かに報告しに行きなよ、ツカサくんにそう伝えたくて、希望の目を彼に向ける。そうしたら、
驚くほど優しい目をしたツカサくんと、視線が合った。彼の目は、怒りや悲しみなんて、微塵も見えなくて。困惑している僕を見つめ、彼が口を開く。
「オレは、まだ一人前ではない。故に、国民全てを笑顔にすることは不可能だ。」
先程の自信のある大声ははどこに行ったのだろう。どこか寂しげな声で話す彼に、僕は目を見開いた。
「しかーーし!!今、目の前にいる元気のない少年一人、笑顔にできなくてどうする!!オレは笑顔が大好きなんだ!!……だからどうか、お前の笑顔をオレに見せてほしい。」
困惑、喜び、恐怖、疑問、不安、好奇心。様々な感情が溢れ出し、僕は再び固まってしまった。
見てくれてありがとうございます!
ちょっと疲れたので、休憩!
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できたら宣伝も…(ボソッ…)
次→♡100&視聴30
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