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「いつもシロイヌムサシをご利用頂き、誠にありがとうございます!日頃のお礼として、アナタに豪華客船旅行を無料でプレゼント!」そう書いてある手紙と旅行券が、ポストに届いていた。
シロイヌムサシ・・・この辺ではよくお世話になる宅急便だ。私もよく利用しているが・・・日頃の感謝とはいえ、何故旅行券をプレゼントしてきたのかが不思議だった。だけど、あまり考察したり怪しんだりする気力は無かった。
私はムギ。先日、親友を失った。しかも奇妙な事に、親友の遺体は見つかったものの、彼が御守りとして持っていた物が紫色の光を放って消えたらしい。私はそれが不思議で仕方なかった。ずっと眠れなかった。だから、例え詐欺だったとしても、1%でも希望があるなら、旅行に行ってリフレッシュしたい。
日付を確認し、スーツケースに必要な物を入れ、当日に備える事にした。
当日。旅行券、旅行に必要な物の入ったスーツケースと、招待券を持って行った。すると、私が嫌いな3人組がいた。3人とも私に気づくと、「お前も招待されたのか!太っ腹だよな、シロイヌムサシ!俺、豪華客船なんて何度も乗ってるけど、タダで乗れるとは思ってなかったぜ!」「でも意外だね。ウチらみたいなイケイケギャルとかカズキみたいなイケメンが誘われるのはわかるけどー、なんでアンタが居るのかなー?キャハハ!」「配達先間違えてたんじゃね?」と、酷い言い様である。彼らは私の親友をいじめていた人達、カズキ、ユキ、タカシ・・・思い出しただけでもイライラする。だけどまぁ、せっかくの旅行だ。あまり気にせずに楽しもうと思う。
私は初めて豪華客船に乗るからあまりよくわからないが、とりあえず自分の部屋?みたいな場所があるらしいので、さっさとそこへ行く事にした。