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雨の事件から一夜明けたオフィス。
いつも通り、私は定時の15分前にデスクについた。
鏡で何度も確認したメイクに崩れはないし、スーツにも一点のシワもない。
けれど、足元だけは昨日泥だらけになった10センチのヒールではなく、予備で置いていた少し低めのパンプスを履いていた。
(……日比谷くん。大丈夫かな)
昨夜、雨の中で見せた彼の切なげな表情が頭から離れない。
「完璧な私」を守るために、光がどれだけのものを背負わされたのか。
美咲たちの余所余所しい視線を感じながら、私は淡々とPCを立ち上げた。
社内には、すでに健太が流した悪意ある噂が広まっているようだった。