テラーノベル
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登場人物↪︎rfmo、ばるつ
この作品はrfmo(微ホラー)となっています。
桜魔に関して都合のいい解釈が書かれています。
ご本人様方の目に入るような行為はやめてください。
この先伏字がありません。
この世の全てと関係ありません。
【加賀美が怪異に出会う話】
◾︎○○○○年○月○日、○○県○○市○○村の山にて小学4年生の少女が溺死する事件が起きた。警察は事件性はないと発表している。
◾︎その数年後、周辺の川辺で行方不明事件及び原因不明の死亡事件が多発している。
◾︎連続死亡事件が原因で、○○村は現在廃村となっている。
<かっこいい大人なら自然の中に放り出されても対処できるはず!>…
そんなROF-MAOの収録途中、その場の流れでこの地域を散策する事になった。
じゃんけんの結果、剣持・不破、加賀美・甲斐田の組み合わせになったので、加賀美達が山道を歩いている。
「つ、疲れた…!」
「連続撮りの後の山登り…確かに疲れるなぁ…。」
「思ってないだろその声と顔はぁ!!」
「思ってますって!!」
そんなコントをしながら進むと、古びたバス停のようなものが道の脇にあった。
寂れて蔦が這っている時刻表に、雨風で劣化した屋根。見るからに使っていなさそうだったが、やけに真新しいベンチがあったので2人とも座る。
「こんな所までバス通ってるんですね…。 」
「こんなに山道なのにねぇ、道が通るのかな。」
「このベンチだけ新しいですもんね。」
「近くに川あるし休む人用に作ったのかも。」
なんて会話をしながら涼む。現在気温は24度。暑すぎないが、山登りをしながら談笑をしたのだから汗をかいている。喉が乾いたなぁ、なんて話していると、急に甲斐田がすっと立ち上がって加賀美の方を向いた。
「僕水汲めそうなところ探してきますね!」
「えっ、汲むって…飲めるんですかこの川の水!?」
「大丈夫って言ってたー!待ってて社長!」
嵐のごとく走っていった甲斐田の背を見送って、またベンチに座った。
背中側は川とその辺に生えている木々で、風が気持ちいい。彼の方が体力がないのだから私が行くべきだったのでは?
「ねぇ。」
なんて考えていると、背後から声が聞こえてきた。振り返ろうとしたが、嫌な予感がしてそのまま返事をした。
女の子の声だ。小学生くらいの。
「疲れた?」
「えぇ疲れましたね、流石に動きすぎまして…。」
「寒い?」
「…?いえ、寒くはないですよ。」
今は涼んでいる途中で、むしろ暑いくらいだ。仮に涼んでいなくても、さっき言ったように今日は24度、寒くはない。
「家に帰りたくない?」
「帰りたい、ですけど…。」
「苦しイ?」
「…いえ。」
段々、女の子の声が変わっていく。
高いような低いような、色々混じった声。
不気味だったが、甲斐田が帰ってくる気配はないので質問に答えていく。
「ツらい?」
「全く。」
「シにたイ?」
「いえ、全く。私この人生を謳歌していますので。」
加賀美は堂々と、はっきりそう言った。
女の子の声はしばらく聞こえなかったが、気配はする。
「……そう。」
ぽた、と背後から音がした。
「ざんねん。」
「社長!!」
そんな声と同時に甲斐田が走ってきた。息を切らして、汗をかいている。もうさっきの気配はしない。
「大丈夫ですか、何か嫌な予感がしたので戻ってきたんですけどっ…!」
「大丈夫ですよ。何ともありません。」
「ほんと!?」
「はい。」
遠慮なく体をベタベタ触って何かを確認している。
心配だったようだし、このくらいいいのだが…やっぱり近いな。
「ほんとに何もない………」
そこまで言って、話が途切れた。加賀美が疑問に思っていると、甲斐田がいきなり目線をこちらに合わせ、こう言った。
「社長、質問されましたか。」
質問。
「…はい。」
なぜ彼が知っているのだろう。聞いていないはずなのに。加賀美の返答に少し顔を顰めてしゃがみこみ、ため息をつき、やっぱりなと漏らした。
「この辺そういうの多いんですよ。適当に質問に合わせた奴が連れていかれるの。」
「連れていかれる?」
「幽霊に。」
しゃがんでいる彼と目が合う。
「良かったですね社長。ちゃんと答えられたみたいで。」
「え、あ、はい…?」
「何も無さそうなんで行きましょうか。もちさん達待ってますから。」
「はい…。」
甲斐田が先にさっき来た道を進み、後から加賀美が追いかける。
ふと後ろを振り返ってみた。そこにはただ、今座っていたベンチがあるだけだった。
しかしなぜか妙な焦燥感を感じ、視線を前へと戻す。撮影場所に戻るまで2人とも無言だった。そのせいで何か声がたびたび聞こえたが、それでも何も話さなかった。
無事に収録地に戻り、撮影を開始する。
「始まりました、木10ROF-MAO塾〜!」
「何すんだよこんな山で!!」
「魚釣りとかすんの?キャンプ?」
「力仕事ばっかじゃん…!」
時々笑って、ツッコんで、収録は進む。
たまにノイズが入るが、編集でどうにかなるだろう。
「ザンネン、だったなぁ。」
川辺から、そんな声がした。
◾︎この事案から数ヶ月後、突如警察が少女は自殺が原因の溺死ではなく、何者かに突き飛ばされた事が原因の溺死と発表した。現在その犯人は死亡している。
◾︎少女は濁流の中で長く苦しんだとされる。家族との仲が悪く、親族は少女を探しにも行かなかった。そのせいで発見が遅れ、死亡したと思われる。
「ねぇ晴くん、どうしたの?」
「え?」
「収録行ってから疲れてるよね?なんか気配が変だよ。」
訝しげに甲斐田を見る弦月。その意味を察したのか、あー…と言葉を濁す。
「良くないモノがいましてぇ…まぁ…ちょっと、ね。」
「良くない…もしかして魔!?」
「違う違う!そっちじゃない!」
「幽霊とか言うんじゃねぇだろうなぁお前、専門外だろ。」
いつの間にか、襖に寄りかかっている長尾がいた。長尾を見て甲斐田がにやりと笑う。
「専門外でも出来ちゃったもん。祓えるもんは祓っとかないと。」
そう言って黒ずんだ御札を見せる。
「…あ!それこの前言ってたやつ!?」
「完成したん!?」
「ご名答〜!」
見せつけるようにヒラヒラさせているのは、先月辺りから取り組んでいた、対魔“以外”に使える護符だ。
にじさんじ内には様々な人種の生き物がいる。故にその分害のある生き物も増えてしまうのだ。
だから甲斐田が率先して、護符を作ろうとしていた。それが完成していたというのだ。
「ま、僕のも使ったんだけどね。保険だよ保険。 」
「ふぅん…誰か守ったの?結構早かったよね、完成。」
「分かった社長だろ、懐いてるもんなハル。」
そう言われて甲斐田がぴしっと固まった。
お、当たった?と長尾がニヤニヤする。
「……そうだよ。」
「おー!やっぱな!良かったな先輩守れて!」
バシバシと甲斐田の背を叩く。
あの時社長に絡んできた霊は僕が祓ったし、もう社長に何か起こることはない。今後同じような目に遭う人がいなくなるように、手を回さねば。
桜魔の著名人を舐めるなよと、背中を叩かれる衝撃を無視し、案を錬るのであった。
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