「ごめんなさい」
静かに微笑みながら星導はそう言った。
病室のベットの上、彼が着ている患者服の袖が窓から吹いてきたそよ風で揺れる。
「でも、ほら。大丈夫だよ。体は時間経てば元に戻るって先生も言ってたし」
「お前、なんで……」
そう口にして、小柳は頭を押さえた。ズキズキと目の奥が痛むような感覚。
「ロウ、無理しないで」
「大丈夫?」
隣にいた伊波が声をかけ、カゲツが背中に手をおいてくる。小柳の言葉の先を察した伊波が話はじめる。
「……星導のその判断が間違ってるっては言わないけど、でも……。もっと自分大事にしてくれよ」
「そうやぞ」
「うん……分かったよ」
本部への報告
星導 ショウの容体について
四肢欠損。戦闘不可状態。
本人の特殊体質(オトモの加護)により欠損部分は再生可能。医師の推察によるとあと2週間で体組織が全て再生するとのこと。
詳細は担当医師からのデータファイルを参照。
カウンセリングのデータファイルを添付。
退院時、欠損部以外に関しては内蔵に軽度の損傷を認めるも入院を延長する程のものではないとのこと。
精神状態は良好。
大事をとって1ヶ月の休息を求めます。
本人は2週間で復帰すると言って聞きませんが、リハビリ期間を加味して最低でも3週間は必要と医師から指摘がありました。
小柳 ロウの容体について
全身打撲だったが2週間の入院期間を経て回復。
精神状態は平常時と比べ疲弊気味。
カウンセリングのデータファイルを添付。
大事をとって2週間の休息を求めます。
入院中から睡眠が十分にとれていないと本人から報告があり、医師からも休息をとるようにとコメントがありました。
星導の負傷時、小柳はすぐ近くに居たと聞きました。本人に自覚はないようですが、相当疲弊しているようです。カウンセリング結果からも休息が必要と考えます。
入力者 伊波 ライ
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