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「ああ、またやってるよ」
向かう先の楽屋から、騒がしい声が聞こえて来る。
楽屋には2人いるはずだが、聞こえるのは1人の声だけだ。
「佐久間、なかなか諦めないな~」
「まぁ、だても簡単には折れないだろうし」
深澤と渡辺、2人並んで楽屋に向かいながら苦笑する。
「…ただい、ま…?」
深澤と渡辺、楽屋の扉を開けたまま一歩も動けなくなった。
それはそうだろう、誰だって足は止まるはずだ。
楽屋の奥にあるソファに座っているのは宮舘。
その膝の上に向かい合って座り、ぎゅっと抱きついているのは佐久間だ。
「は、え…?」
「なに、あれ…」
深澤は横にいる渡辺を見るが、同じく小さく声を漏らすのみだ。
入って来た深澤と渡辺と目があった宮舘。
「佐久間、誰か帰って来たらどうするの?」
抱きついてまま離れないままの佐久間に問いかける。
がしかし、「どうするの?」と言った宮舘の腕はにしっかり佐久間の背中と腰に回り支えている。
「…来てもいい…」
普段から少し高めの声ではある佐久間だが、今は甘さをも含んだ声になっている。
「ふふっ」
宮舘が楽しそうに笑う。
「欲しいんだ? でももうすぐ誰か帰ってくるよ」
宮舘は一瞬だけ楽屋の入り口に視線を向けると、口に指先を当て2人を見た。
深澤と渡辺は、宮舘のそんな様子に何とか体を動かしてそぉっと扉を閉めて、楽屋の外へと出る。
楽屋の扉の前で、深く息を吐いた深澤。
「ねぇ、あれ、どういうこと?」
「俺だってしらねぇよ!」
渡辺は、楽屋の中の会話に耳をそばだて、中の会話に耳を傾けた。