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nqrseは舞台袖でエレキギターのストラップを肩に掛け出番を待つ。最後のトリを支配人から任され、良いポジションを貰う事が出来た。久しぶりのライブ。客の入りも悪くなくむしろ良い方でこれ以上ない環境でのライブだった。握ったマイクをスタンドに差し込みエフェクターをアンプに繋ぐ。
照明が暗くてもお客さんの顔は見える。見られている。いつもステージに立てば父から告げられた「お前は演者としての才能は無い」という言葉を嫌でも思い出してしまう。
🍥「こんばんは」
きゃあああああ!!!
黄色い歓声がライブハウスを包み込む。
自分はここに立っていいんだとそう思える場所でnqrseはマイクに声を乗せる。
「今はファンが居ても2年も立てば忘れられるだろう。人を惹きつける能力はあるが繋ぎ止める才能がお前には無い」
デビューがしたい。父さんの事務所にアーティスト部門ができたすぐ、そう伝えると返ってきた返事はこれだった。着々と友達のバンドのデビューが決まり何も思わなかった訳では無かった。 作詞作曲は唯一父に認められたもので、自分の価値はこれしかない。ずっとそう思っていた。
🍥(そんな表情で俺を見ないで欲しい)
客席で誰よりもキラキラと目を輝かせ、俺を見つめる。 自分よりも才能に溢れた後輩が俺の音楽が好きだと俺の歌声が好きだと。そう言ってくれたように。
🗝「nqrse!めっちゃかっこよかった!!」
ライブが終わり楽屋で作業をしているとローレンが入り込んできた。
🍥「それは良かった」
ライブが終わった直後でまだ頭がふわふわとする。顔が熱い。心臓がバクバクする。
🗝「あのラップパートとかありえぐらいかっこよかったぁぁ生で見れたの良すぎる〜!」
ローレンもテンションが上がっているのか体をぴょんぴょんと跳ねさせたり落ち着きが皆無に等しかった。
🍥「ふわっちとイブは?今日来てたから」
🗝「あイブとふわっちはライブハウスの支配人さんに挨拶に行ってて、俺だけnqrseに会いたくて抜けてきちゃった」
🍥「笑」
🍥「そうなんだ笑」
nqrseは無意識にローレンの頭を撫でてしまう。
🍥(あ、しまった)
🗝「えへへ…ファンサだ!」
そう言うとローレンは嬉しそうに目を細める。
🍥(はああ〜〜〜勘違いしそう〜〜〜…)
コンコン
🥂「ろれ〜もう遅いから帰るよ〜」
🗝「あっ!ふわっち」
🗝「といぶ!」
💧「nqrseお疲れ〜!めっちゃ良かったよ!
次のライブもまた3枚もらって来て〜 」
🍥「あはは!ありがと笑」
そそくさとローレンを回収すると手を振りながら3人は楽屋を出ていった。
ガチャン
🍥「はぁ」
nqrseは床に座り込んでしまう。
🍥(これはマジでガチめにやばいかも)
🍥「彼氏持ちに手出すのは…泣」