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「みんな見てみて〜」
「?どうしたんだいフェリシアーノ。」
そんなどこかうきうきしている様子のフェリシアーノに対し、不思議そうに問い返した。
よくぞ聞いてくれました!とでも言いたいように、顔をにこりと微笑ませたあとに自作の効果音付きで何かを見せて来た。
「謎解き!みんな暇でしょ?やろうよ!」
「どこから見つけて来たんだよ」
「ヴェ〜…なんかその辺にあったんだよ〜!」
「まぁ、まだ時間も少しあるだろ。」
「よく見せてくれないかい?」
その問いに嬉しそうに笑ったあと、ここにいるみんなにも見えるように机へとそれを広げた。
書いてある内容は至ってシンプル。日本語の謎解きだ。
まずは左に虫のような絵が一つ、そして真ん中にも犬に近しい絵が一つ。最後の一番右にある絵はよく見ると、宇宙のようになっているため、宇宙を表しているのだろう。
そして他にも共通することがある。三つの絵の下に平仮名と矢印が書かれた四角があるのだ。
「…“く“の↓、“み”の↓、“さ”の↓…?」
「次は“え”の↓、“え”の↓、“き”の↑、“ま”の↓。」
「最後は“え”の↑、“ちょ”の↑、“い”の↓。だね!」
見た通り矢印がヒントになっているのだろう。考えるほどでもなさそうだが、うーんと唸りながら考える。
すると、そんな考えている俺達を横目でチラリと見ながら師匠がこう口を開いた。
「単純に、平仮名表だろ。」
「…平仮名表なんてあったか?」
「あるんだよ。矢印の通りにやればいいだけだぜ。」
なるほど。大ヒントどころかほぼを正解を口にする師匠の言葉で、ちゃんと考えてみると、確かに絵との辻褄があってきた。
くの下だから“け”、みの下だから“む”、さの下だから“し”。と言うわけだ。
師匠の言葉に皆謎が解けたようで、でもどこかがっかりしたような雰囲気を醸し出していた。
「わかれば簡単だね〜」
そんなゆるーく答えたフェリシアーノの考えに声には出さないが頷く。
それでも、暇つぶしぐらいにはなったからよしとしよう。
「…フランシスさん」
「ん?」
後ろから楽しそうに謎解きをしているのを見守っていると、なぜかこそっと菊ちゃんが自分に伝えて来た。
「あの謎解き、前に私の家でやったゲームに似たようなのありませんでした?」
急にゲーム、という問いかけにきょとんとするが、すぐに記憶を探り答える。
「…あー!あれ?クリアに数十時間かかって徹夜したけど泣けたやつでしょ!」
「それです!」
そう。この前、といってもずいぶん前だが、菊ちゃんからゲームを勧められて一緒に行ったわ良いものの、それがまぁ長時間で。
ただその分やり込みも多く、エンディングも泣けて自分の中ではランキング上位に入るレベルだが。
ゲームの詳細は一旦置いといて、謎解きを思い出す。確かに、あの時も簡単すぎ(笑)とか思っていたが本当は答えが深すぎて二人同時にツッコミを入れたのもいい思い出だ。
「まぁ、お兄さん達国をここまで集めるぐらいなんだから、そんな簡単じゃないよねぇ」
「そうですよね…まぁ、それで簡単だったらちょっと拍子抜けですけど」
苦笑いをし、謎解きの紙がある方へと目線を向けた。自分も特に期待しているわけでもないが、気になって来てしまったため、先程より人数が少なくなった机の前へと立つ。
特になさそう……
「…いや、あるね」
「え?」
後ろから紙を覗き込んでいる菊ちゃんがびっくりしたような、そんな感情を滲ませた声を出した。
よく見ると、小さく数字が書かれているのだ。
「左が3、真ん中が2、右が1…いや、どういうこと?」
「私も聞きたいぐらいですよ…」
思い出せ、あのゲームではどうやって解いた?
「……うーん、これがもし外国語関係だったりしたら私にはもうお手上げですね」
やれやれとでも言いたいように両手を上げ、ため息を一つついた。
「…待てよ、てことは英語ってこと?」
「えっ、なんでです?」
「んーいや、あのゲームたしか英語要素あったな〜って」
「でも、あの時フランス語表記に後々からしてましたよね?」
「…そ、んなことある…?」
なぜかそんな問いかけにぞっとするのを感じた。ま、まさかね?そんなことあるわけないじゃん…。
信じたくはないが、ものは試し。
「毛虫はchenille。狼はloup。宇宙はunivers…」
「フランシスさん…?」
突然フランス語に変換した自分を不思議そうな声で問いかけ、少しだけ困ったように眉を下げていた。
そんな菊ちゃんをちらりと横目で見たあと、再び謎解きの紙と向き合い、考える。
四角の枠の下にある数字…これがもしあのゲームと同じことだったら?
全ての数字はフランス語の頭文字。
「che……lo…u。」
「菊ちゃん…読み、当たっちゃったね」
「…え?」
当たり前だが、何もわかっていない菊ちゃんに対し、説明をする。先ほどのフランス語、数字の意味、そしてその頭文字をつなげた言葉の意味。
「Chelou……これね、フランスのスラングなんだけど、意味が「怪しい」なんだよ。」
大きな目を丸くし、見ただけでも驚いていることがわかる。
「怪しいって…なにが、でしょう」
「ごめん、俺もそこまではわからないんだけど……ていうか、このスラング自体が偶然かもしれないしね」
「…偶然、ではないと思いますけど……」
沈黙が流れる。無理もない、先程までとても簡単だと思っていた謎解きにこんなメッセージが隠されていたなんて思いもしないだろう。
「怪しい」…その言葉が何を示すかもわからないが、用心しておくにはいいことだろう。
お兄さん今SUN値チェックしたらファンブりそうなくらい怖くなってきた
そうして一人で静かに焦っている間も、目の前の菊ちゃんは顎に手をつけ、何かを考えているようだった。
思考を邪魔する気はないのでそんな様子をぼーっとながめていると、いつのまにか時間になっていたのだろう、近くのルートが皆に声をかけている。
これは、言うべきではないねぇ…
不穏な気持ちを抱きながらも、自分の席へと促されるように座った。
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