探偵社からも、寮からも、朝日からも、
逆方向の、遠い遠い、高いビルに向かっているとき、私の脳内では突然と1本の映画が
始まっていた。
その映画は突然と始まっていた。
(ここからは映画の中の太宰が生涯について
語ります。)
私は「中原中也」という男とよくペアを
組まされていた。
中也は、チビで、馬鹿で、小学生みたいな、
ガキで…
私達は15歳に出会い、その後、「双黒」と
呼ばれていた。
私は、織田作という面白い男に出会った。
その後に安吾という勤勉な男にも出会った。
私達はよくバーに集い、酒を飲んでいた。
だが、職業柄、そんな平和もすぐに消え
去った。
織田作が死んだからだ。
それは誰のせいなのか…。
安吾が伊能特務課の調査官であったせいか。
森さんが異能開業許可証を手に入れるため
織田作を戦わせたせいか。
それとも、
そんなことを考えても今更わからない。
その後私は織田作からの最期の言葉に従い、
種田長官や社長の協力により探偵社に入った。
国木田君とペアで働いた。
その後敦くんと出会った。
そして、芥川君にも再会し、
新双黒が出来上がった。
本当はもっと育てなければいけない。
あの魔神をも倒すために。
だが、私はもういなくなる。
そう思ったところで映画は突然と終わった。
(ここからは普通の太宰目線に戻ります)
脳内で映画が流れ始めてからも私は構わず歩き続けていた。
そして遂に着いたのだ。
呼吸を整えて、落ち着いて私はそのビルの屋上に足を運んだ。
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