テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※歌詞パロ
※AI、bot等はコメントしないで下さい
夢主 「」 冴『』 凛[]
形に残るものが全てじゃないんだから。
心の響くものが全てじゃないから。
だから私たちは、言葉を口に放り込ん
で、本当の気持ちを隠してしまう。
日本のぬるい夏の夜、3人で分け合った安っぽいアイスの味も。
遠くの丘から顔を出した雲を掴もうと、馬鹿みたいに空を切ったあの手も。
掴めない代わりに、ノートの切れ端に描いてくれた不格好な雲の絵も。
あの輝いていた夏はもう、二度と戻らない。
世界一を目指して、遠い海の向こうへ行ってしまった君。
その背中を追いかける勇気もなくて、物分かりの良い幼馴染のフリをした私。
そして、届かない手を伸ばし続けて、誰にも言えない秘密を抱えた君の弟。
私たちはみんな、あの日に置いていかれた『亡霊』のままだ。
「明日も晴れるといいね」
『アイスが溶けるだろ』
[西日が眩しいだけだ]
それぞれが口にした、嘘だらけの
愛の言葉。
すれ違う3人の想いが、暑いアスファルトの匂いとともに溶けていく。
これは、過去の幻影に囚われた私たちが、本当の夏を取り戻すまでの、切なくて少し痛い、ひと夏の物語。
それぞれの意味
明日も晴れるといいですね。
明日が来たらあなたは遠くへ行ってしまうけれどそれでもあなたの未来が輝いてほしい=あなたを愛しています
解説:スペインへ旅立つ冴を引き止められない夢主。
「明日になれば君は行ってしまう(=私にとっては雨のような暗い日々が始まる)」と分かっていながら、彼の向かう先(未来)が「晴れ(成功)」であることを願う、健気で切ない究極の片思いの言葉です。
アイスが溶けるだろ。
お前と過ごすこの時間が、一瞬でも早く過ぎてしまうのが惜しい=お前と離れたくない、ずっと隣にいたい
解説:旅立つ前の夏の夜、3人でアイスを食べている時に、冴がぶっきらぼうに言った言葉。
「アイスが溶ける」というのは、「2人でいられる楽しい時間がどんどん進んでいってしまうこと」の比喩です。
本当は「離れるのが寂しい」と言いたいのに言えず、時間が過ぎるのを拒むようにこの言葉を使いました。
西日が眩しいだけだ。
お前たちが幸せそうに笑い合っている姿が眩しすぎて、直視できない。
だから、涙が出そうなんだ
解説:冴と夢主が「最高の夏だな」と
笑い合っている姿を横目で見た凛が、
そっぽを向きながら呟いた言葉です。
夢主を失った悲しさや悔しさで泣きそうになっているのを、「夏の暑さと夕方(西日)の眩しさのせいで目が潤んでいるだけだ」と言い訳しています。
自分の届かなかった初恋の痛みをすべて夕暮れの景色のせいにした、凛の精一杯の強がりと優しさが詰まった言葉です。
44,352
345
207
コメント
1件
読み終えたよ…「言霊」みたいな言葉遊びがすごく切なくて、心に刺さった。 冴の「アイスが溶ける」の裏に隠した本音とか、凛が西日のせいにして隠した涙とか、どのキャラも「言えない気持ち」を抱えてるのが痛いほど伝わってきた。 夏のぬるい夜、安っぽいアイスの味、ノートの切れ端の雲の絵…そういう「形に残らないもの」にこそ本当の思い出が詰まってるんだなって。 まだ2話だけど、この3人の「すれ違い」と「亡霊」みたいな関係がどう動いていくのか、すごく気になる。 過労キティさんの言葉選び、めっちゃ繊細で好きです。