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#いるなつ
3e1
718
# 梅雨の妖精
209
👑「ちょっといい?」
みことにそう言われ、なつは思わず固まった。
嫌な予感しかしない。
ものすごくしない。
🦈「みこ兄?」
こさめも不思議そうに首を傾げている。
👑「少しだけだから〜」
みことはにこにこしていた。
だがその笑顔が逆に怖い。
🍍「行ってくる」
🦈「うん?」
こさめは何も分かっていない。
本当に何も分かっていない。
なつは席を立った。
廊下へ出る。
みことも後ろからついてくる。
しばらく歩いて、人の少ない階段前で止まった。
👑「……」
🍍「……」
沈黙。
気まずい。
するとみことが先に口を開いた。
👑「なつくん」
🍍「はい」
👑「こさめちゃんって可愛いよね」
なつは固まった。
なんだその質問。
🍍「えっと」
👑「可愛いよね」
圧だった。
逃げ道がない。
🍍「まあ……」
正直に答える。
するとみことは満足そうに頷いた。
👑「だよね〜」
なんなんだ。
この人。
👑「でもね」
みことは少しだけ真面目な顔になる。
👑「こさめちゃん、すごく鈍いから」
🍍「……はぁ」
👑「優しくされたらすぐ懐くし」
当たってる。
👑「困ってたら助けてくれる人はみんな好きになるし」
それも当たってる。
👑「だから傷付けたらだめだよ」
なつは目を瞬いた。
予想外だった。
もっと脅されると思っていた。
🍍「別にそんなことしないけど」
👑「うん」
みことは笑った。
👑「知ってる」
その言葉に少し驚く。
🍍「知ってる?」
👑「なつくん優しいじゃん」
🍍「……」
👑「だから今は大丈夫」
今は。
その言い方が気になった。
🍍「今はって?」
みことは少しだけ考えた。
そして。
👑「秘密」
笑って誤魔化した。
絶対何かある。
そう確信した。
その頃。
教室では。
🦈「なつくん遅いなぁ」
こさめが窓の外を見ていた。
すると隣の席の女子が笑う。
「心配なの?」
🦈「うん?」
「ずっと気にしてるじゃん」
こさめはきょとんとした。
🦈「だってみこ兄に連れて行かれたから」
「過保護なお兄さんだもんね」
🦈「そうそう」
こさめは納得した。
だが女子たちはニヤニヤしている。
「仲良いよねー」
「そうかな?」
「そうだよ」
こさめは首を傾げる。
自覚ゼロだった。
数分後。
なつが戻ってきた。
🦈「おかえり!」
こさめがすぐ声を掛ける。
🍍「ただいま」
思わずそう返してしまう。
🦈「あははっ」
こさめが笑った。
🦈「教室なのに」
🍍「しまった」
なつも笑う。
その様子を見ていた女子たちがさらにニヤニヤする。
本人たちだけが気付いていない。
放課後。
なつが帰ろうとするとスマホが鳴った。
メッセージだった。
差出人は知らないアカウント。
🌸『らんです』
🍍「は?」
思わず声が出た。
なぜ知っている。
恐る恐る開く。
🌸『今度話そう』
短い。
怖い。
ものすごく怖い。
続いてもう一件。
🌸『心配しなくていいよ』
全然安心できない。
さらに。
🌸『普通の話だから』
絶対普通じゃない。
なつは頭を抱えた。
そして家では。
🍵「送った?」
すちが聞く。
🌸「送った」
らんが真面目に答える。
🍵「返信来た?」
🌸「まだ」
👑「怖がらせてない?」
🌸「普通に送った」
みこととすちは顔を見合わせた。
らんの言う『普通』は信用できない。
その時。
こさめがリビングへ入ってきた。
🦈「何してるの?」
三人は一瞬でスマホを隠した。
👑「なんでもないよ」
🦈「そう?」
こさめは疑うことなくソファへ座る。
鈍い。
本当に鈍い。
らんはそんな弟を見ながら思った。
まだ大丈夫。
たぶん。
きっと。
でも。
なつくんは少し危険かもしれない。
そんなことを考えていた頃。
なつは送られてきたメッセージを見ながら。
🍍「なんで兄貴と連絡先交換したんだ俺……」
🍍「てかなんで知ってんだよ‥こわ」
と本気で後悔していた。
コメント
1件
うわっ、今回の話めちゃくちゃ気になる…!みこ兄の「傷付けたらダメだよ」って圧、優しさと脅しの間でめっちゃ怖かったけど、なつくんのこと信じてるって言ってくれたのがちょっとホッとした。でも最後のらんさんからのDM、震えるわ…「普通の話」とか絶対ウソじゃん!しかも兄妹揃ってこさめちゃんに隠し事って、もうこの家族の結束力が怖いやら面白いやら。こさめちゃんの鈍感さも含めて、全員の関係性がじわじわ萌える…続き待ってます🔥