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そうしてまた数日が過ぎて、段々と近づいてくるのは退院日。身体中のそこかしこに見えていた包帯もガーゼもない。でもその代わりに、痛々しい傷跡だけが残っている。




「……あれ、カゲツまだ来てない?」



ガラリ、とわたしのいる病室の引き戸が開いたかと思えば、そこから顔を出したのは薄紫と水色のメッシュが特徴的な髪の長い、綺麗な男の人だった。



『えっと、あの、あなたは……?』

「……星導ショウと言います。一応カゲツから話は少し聞いたんですけど、空野さんで間違いないですか」

『空野帆華です。えっと、”ほしるべ“って漢字で……』

「ああ、星のしるべ星導ほしるべって書きます」

『とても綺麗な苗字、ですね』



よく聞くようなありふれた苗字ではないけれど、でもそれが似合うのは彼の容姿もあっての事なのだろう。

ふと気づくとじっと彼に見られているような気がして、問いかける。



『えっと、あの……ずっとこっち見ていらっしゃいますけど、何かついてます……か』

「ああ、いや……その、別世界から来たって聞いてたけど随分普通なんだなって」

『……普通じゃないですよ』



トラックに轢かれたかと思えば、今度は全然知らない世界にいて。ヒーローが存在するのはアニメや漫画の世界での話だと思っていたらそれが現実。おまけに現世での記憶は行方知れず。そんなので、一体。



『……記憶がないんです。この世界に飛ばされてくるまでの』

「俺と同……いや、俺は宇宙と同化してるから事情が違うか。でも空野さんと同じ、記憶喪失で」



──わたしと同じ、記憶喪失。どうしてそうなってしまったのだろうか。


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