桐院高校(神奈川県)との試合は、結局、天才青山のゴールを守りきり、1-0で勝利で幕を閉じた。
試合終了後、ゴールキーパーの黒岩は、貴也に近づいて、こう言い放った。
黒岩「お前、まだ1年なんか?スピードにはかなり驚いたが、お前の技術が三流レベルで助かったぜ。あと、2年でプロまで登ってこい、技術がついてきたら、化けるかもな。」
貴也「ありがとうございます!今度やるときは、あなたからゴールをこじ開けてみせます。」
そして、天才青山も、貴也に近づいてきた。
青山「ナイス、アシストありがとうね。もし、今度試合に出たら、犬みたいに走ってあの動き頑張ってねー」
貴也「うるせえ、今度はお前からパスもらって、俺がゴール決めてやるんだ。」
貴也はそう言い返したものの、今回の合宿で一流選手のプレーを目の当たりにして、自分のシュートは技術はもちろん、足元の技術の未熟さを、より痛感して、日々の練習をもっと励まないといけないと思っていた。
そこへ、2軍監督の早稲田が近づいてきた。
早稲田「さっきの試合のシュート、まあ惜しかったと言えば惜しかったが、あれくらいのレベルのキーパーだと止められてしまうかもな。ただ、抜け出しの動きとはすごく良かったぞ。」
早稲田「シュート技術や足元の技術は、すぐに急激に伸びるものでもない。他の練習と同様に地道な積み重ねを意識高く継続していくしかない。とにかく、今回の合宿で自分ができていることと、できなかったことを明確にして、課題となっていることをコツコツと練習で積み上げていこう。」
貴也「ありがとうございます。今回、ちゃんと結果を出すことはもちろんのこと、自分の課題になりそうなことを見つけることも意識してみます。」
次の試合で、育榮高校は、超高校級ストライカーでトップチーム入りもしている、白鳥を擁する浦和レッズユース(埼玉県)と試合することになった。
貴也は控えとして、試合を見ていたが、かつてないほどの衝撃を受ける。
典型的なセンターフォワードの白鳥のプレーが衝撃的で、なんと前半だけでハットトリックを取ってしまった。
185センチの恵まれた体格と高校生レベルを明らかに超えたフィジカルを活かして、ボールを収め、さらにシュート技術も高かった。
まるで、元スウェーデン代表のイブラヒモビッチのようなプレーを思わせる動きだった。
貴也は、自分には絶対真似できないプレースタイルだとわかっていたものの、自分のプレーにヒントとなりそうな動きや技術は何か?と探しながら、白鳥のプレーを見つめていた。
白鳥は前半で退き、貴也は後半から出場したものの、シュートを1本だけ打てただけで、ゴールは奪えず、試合も3-2で負けてしまった。
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