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第三話  先輩が現れて約一ヶ月が過ぎた。あの日から先輩は僕が誰かに言いふらすんじゃないかといつも遠くから僕のことを監視していた。

”あの人暇なのか?僕に話しかけて来る様子もないし、無視していればいいけど”

「皆さん今日は大事なお知らせがあります。皆さんの中にはもう知っている人もいるかも知れませんが、来月は中間テストがあります。皆さん部活動などももちろん大切ですが、学生の本分は勉強ですので勉学をおろそかにしないようにしてくださいね。では皆さんテスト勉強頑張ってください」

そう言って岩永先生は教室をあとにした。

”中間テストまで一ヶ月か。五位ぐらいに入ればいいか”

朝の会が終わり次の授業の準備をしていると、

「失礼」 といって誰かが入ってきた。

その人は、最近僕のことを追いかけ回している先輩だった。

「ちょっとついてきて」

そう言って先輩はまた僕の腕を掴むと何処かへ引っ張っていった。

”デジャブだ”

僕は心の中でそう呟きながら先輩について行った。

「ここまで来たらもう大丈夫よね」

先輩はあたりを見回しながらそう言って、僕の腕を離した。

「今度はなんですか?俺誰にもバラしてないですよね」

先輩はここ一ヶ月僕のことを監視していたから僕が誰にもバラしていないことは知っているはずだ。

それなのに、またこんなところに連れてこられるなんて僕には身に覚えがなかった。

「監視し…じゃなくて見てからあなたが誰にも言ってないのは知ってるわ。今日はあのことじゃなくて、別に用があって連れてきたの」

”今監視してたっていいかけたよな”

僕は先輩が監視していることに気づいていたが、僕が気づいていたと知ったら面倒なことになりそうだったので、僕は先輩が言いかけた言葉に気づいていないフリをして話を進めた。

「用って今度はなんですか?」

少し俯いて言うのを躊躇っている先輩に若干苛つきつつも、先輩が言い出すのを待った。

「あの…、その…勉強」

なにかもじもじしながら小さい声で話すのでよく聞き取れない。

「あの先輩もう少し声大きくしてもらっていいですか?」

僕がそう言うと俯いていた先輩の顔が上がって涙目になりながら

「勉強おしえてください」

と言ってきた。

”今、勉強おしえてって先輩言ったよな。なんで僕に頼むんだ?学年も違うし、なんか企んでるんじゃないかこの人”

僕が先輩に疑いの眼差しを向けていると、

「何よ。別に教えてくれないならいいわよ。ただあんたが頭いいって聞いたから勉強教えて貰おうって思っただけだし」

と少し残念そうに先輩は言った。

「俺、別に教えないとは言ってはいませんけど、先輩こういうのって友達とかとするもんじゃないんですか?なんであまり話したこともない、しかも同級生でもない俺なんですか?」

僕は疑問に思っていた事を先輩に聞いてみた。

すると先輩の顔はみるみる赤くなり先輩はまた俯いた。

”もしかして、先輩って友達いないんじゃ”

僕は内心先輩に怒られんじゃなかってヒヤヒヤしていたが先輩は小さな声で、でも僕に聞こえるぐらいの声で

「友達、いないから。それにあんたなら教えてくれると思って。」

僕は丸くなっている眼の前の先輩をみて、つい「教えましょうか?」なんて言ってしまった。

僕はすぐに訂正しようと思ったが、それよりも先に先輩が「本当に?」って喜んだ顔をして言ってきたのでその言葉は言えなかった。

僕はため息を付いて先輩に

「はい、本当です。ただ、先輩たちのテスト範囲がどこまでかわわからないし、僕もどこまで教えられるかわわからないのであまり期待はしないでください」

と言ったけど多分先輩は最初の一文しか聞いていなかったと思う。

”まぁ。もう言ったしあとから切れられても先輩が聞いてなかったからでしょっていえば先輩だってもう近づいて来なくなるでしょ”

なんて半ば強引に自分に言い聞かせた。

「じゃいつする?勉強会。テストまであと一ヶ月しかないから私は早めにやりたんだけど」

「そうですね。じゃ今日の放課後図書館するので、先輩は先生方からテスト範囲を聞いててください」

僕は”聞いててください”のほうを強調して言った。先輩は首を縦に振って返事をした。

「じゃぁまた放課後に」

そういいながら先輩は自分のクラスへと帰っていった。

”これから一ヶ月先輩と勉強するのか”

先が思いやられるのを感じながら僕も教室へと戻った。

 そして、時間はあっという間に過ぎ放課後に。

先輩は僕の教室まで来るとまた僕の腕を引っ張りながら図書室へ連れてった。

「では、先輩。まずは先輩の学力がどのくらいか見たいので軽くテストをしてもらいます。各教科10問ずつ。わからないところは書かなくてもいいので」

僕は先輩の眼の前に僕が2学年の先生方に聞いて作ったテストを出した。

先輩は嫌そうな顔をしていたが

「わかった」

と言ってテストに取り組んだ。

「では、全部終わったら教えてください」

そう言って僕は先輩が問題を解いてる中読書をしようと図書室の中を歩いていた。

数分ぐらい立った頃

「終わった」

と先輩の声が聞こえた。

”終わったってまだ数分くらいしか立っていないよな”

僕は見たい本を見つけることができずに先輩の方へ戻った。

「終わったって早すぎませんか?」

そういいながら僕は先輩の前から問題用紙をとった。

一つ一つ問題に目を通してみると、ほとんどが答えはおろか計算方法や並んだ痕跡が一切なかった。

”確かに、わからなかったらあけてもいいと入ったけどまさかここまでとは”

先輩のアホさに僕は、道のりが長いことを痛感した。

 それから僕は、テストまでの一ヶ月先輩と二人で図書館に行っては、公式や暗記などは徹底的に先輩の頭に叩き込み、毎日出るであろう範囲のテストをひたすら先輩が解いては僕が丸付けをし、間違っているところはわかりやすく解説をした。一ヶ月というのは以外にもあっという間で、明日はいよいよテストの日になっていた。

「明日はいよいよテストの日ね。どうしようこれで赤点があったら」

「まあ、やれることはやったので心配いりませんよ」

気休め程度にしかならないけど、僕は先輩のことを励ました。

先輩は、暗い表情をしていたが僕の言葉を聞くと少しだけ表情を明るくさせた。と思ったら先輩は急にこっちへむき

「ありがとう。今日まで私の勉強に付き合ってくれて、」

と少し恥ずかしそうに言った。

「お礼はまだ早いと思いますけど?まだ、赤点は回避できるかわからないじゃないですか」

「そうだけど、でも教えてくれたことには変わりないから言っただけ」

そう言って先輩はそっぽを向いてしまった。

「そうですか。では、明日のテスト赤点回避してくださいね。僕の努力先輩が赤点を回避して初めて報わてるんですから」

「な、なまいき〜」

先輩は眉間にしわを寄せて僕を睨んだ。でも、その睨んだ顔は最初の時と比べるとあまり怖くはなかった。

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