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教室に入り、歌蓮は辺りを見渡した。ほとんどの児童が来ている中、歌蓮が目に留まったのは前から三番目の席。ツルツルと磨かれている赤茶色の机上が目立つ。まだ司は学校に来ていないようだった。先生もいないため訊く事は不可能。歌蓮は自分の机に足を進めた。
始業式が始まるということで歌蓮は廊下に並んだ。島田は一学期のように中にいる児童を並ぶよう呼びかけた。
浮かない顔をしていたのか一人の男子児童が歌蓮の肩をポンと叩いた。
「大丈夫?」男子児童はそう呼びかけた。
「ん?ああ!平気平気!」笑顔でそう返事をした。
男子児童にはその笑顔が偽りに見えたのだろうか不安げな顔をしてその場を去った。
「誰だろ…」
歌蓮は不思議に思いながら体育館へ行く列へ着いて行った。