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iris様の二次創作

本人様には全く関係ありません

CP→桃×黒

曲パロ

人外・モブ黒・身分差


以上のことにお気をつけてお読みください









そう簡単なことだった

君を手に入れるのは。この遠くから聞こえる感嘆も、俺によって掻き消されて塵になる。君が被る純白のベールが上がる前に鎮きった会場をさよなら






桃「悠佑、またね」

黒「またな」

今日もまた言えなかった。本当は親が悠佑との結婚を認めてないこと。これで親にも悠佑にそのことが伝えてないという事実が増えた。

正直、親なんかどうでもいい。罪悪感だけが募って背けた体に後ろめたさだけが残る。

俺の家は商人一家で、悠佑は王族で。王族が一般人と結婚だなんて前代未聞だ。悠佑だって従いたいしきたりに抗って俺との結婚を臨んでくれてる。そんな悠佑の心情を考えると、胸が澱のように濁る。

でも悠佑以外の誰かなんてあり得ない。受け止めなければいけないことが、抱えられなくて結局頼って。俺が出来るのはただ、か弱い力で守ることだけだ。

「逃げよう」この言葉を言い出そうとしても、声は霞んでカラカラに喉を焼き尽くされ、何も言えなくなる。



出会った時は、沢山共通点があって一緒だって心奥底で信じてた。でも実際は同じ様でなんだか違った。

悠佑と何時まで行こうか、何処まで行けるのか

曖昧ならなにに縋るの?



2人が離れるなら

2人が迷うなら

その度に何回も繋ぎ直せるように

離れないなら、失望しないなら、居てくれるだけで俺はいつの間にか救われてく






平穏には代償があって

亭楽には嘘が紛れて

桃「ね、ねぇ」

精一杯の声

桃「結婚式は、ここじゃない違うところでやろう」

桃「もう、早いうちにここから逃げよう」

そう言った。遠回しにしきたりも面倒くさいことも置いて平穏が欲しかっただけ。2人なら、と都合の良い願いを呟く

黒「え?いや、逃げる必要とかある?誰か追われてるの?」

桃「無い、よ」

きっと悠佑の頭の中は何から聞くかで必死だろう

そして、たてた仮説。

俺がまだ自分の両親に結婚のことを話していないという説が定かじゃないから、此処を動けない

とかだと思う。大正解だ。

黒「俺、お母様にもお父様にも許可取ったんやで?昔から結婚約束してた人にも今日謝りにいくし、」

黒「だから、この町でやろうよ」

ごめん、ごめん。そんなに君に労力をかけて

でも俺は弱虫だ。今すぐに逃げ出したい。心が守れるように、貴方を奪われないように。お互いに託して、全部預けてよ

桃「でも、どうしても俺はっ」

桃「そもそも、悠佑にそんな面倒くさいしきたりがあるから、悠佑が王家じゃなければ……」

言ってはいけない言葉だと理解してるのに、分かってるのに。王家として扱われるのが誰より嫌いな、悠佑なのに。

恐る恐る顔をあげると

大粒の雫が頬を伝っていた

黒「生まれたくてこの家に生まれたわけじゃない!出来ることなら違う家で育ちたかった。

政治とか、国民を背負う責任なんて持ちたくなかった!いつも王家だから威張ってるとか、贅沢三昧だって言われて、



そんなことないよって言ってくれるのはないこだと思ってた」

ありがたくそのポジションにいれたのに、わざわざ自分からこんなことを言ってしまうなんて。

黒「もう、もういい。ごめん、今までありがとう。やっぱしきたりを超えての恋なんてムチャだった。結婚式の準備するまえで良かったね。次はちゃんと一般人の子と付き合いなよ」

こんな時には声が出なくてカラカラだ。

「いかないで」「待って」

違う、違うじゃん

「ごめん」

だろ?この言葉を言う前に俺は要望を押し付けて。そういえば

「離れてほしくない」「そこに居て欲しい」

も全部要望だ。もしかしたら、付き合ってる最中もその要望に疲れ切ってたのかもしれない。






そこから数ヶ月の時が過ぎても、俺は悠佑のことしか考えられなかった。


君と泣いて、

君と笑って、

君と怒って、

君と踊って、

君と、

君と話して

そんな日々を忘れず脳裏に刻んだまま、誰かと結婚してしまうのが怖くて

桃「俺がちゃんと言えれば、きっとこんなことにはならなかったのに」

急に頭が割れるような痛みが襲ってきた。頭を抑えてうずくまる。

痛みは収まったけど、頭に違和感がある。鏡でその姿を見てみた。

桃「え…?」

ぐるんと曲がっている羊のようなツノ

この国で非現実ながらも信じられている、悪魔の角にそっくりだ。

桃「…なんだ、なんだぁ。結局俺は種族も違うから、結婚なんて」

君への隠し事が何時まで続くだろうと、弱々しく呟く。あの時の幸せな空気を、これから何度思い出すのだろう






今日は街へでた。ツノを隠すためフードを被って。ガヤガヤした酒場にはいってみると、なにやら話し声が聞こえる。

「そういえば王の息子は隣国の王家と結婚するんだっけね?」

「そうらしいな。今結婚式の準備中らしい」

「確か王の息子は最初、そいつじゃない誰かと結婚するって言ってなかったか?」

「ああ、それはその隣国の王家の圧力だぜ。王子を渡さないのならって。だから諦めざるおえなかったんだろ」

「ああ、そういうことか」

ねぇ、この言葉信じてい?あれは、悠佑の優しさだって

悪魔は平穏な性格じゃないらしい。俺がするのは一つだけ。ただ取り戻すだけだ。悪魔の性格は欲に忠実で、狂気だ







今日は悠佑の結婚式の日。そして俺にとって、もう1回目のプロボーズの日



結婚式場の屋根の上に乗って、ガラス越しに様子を伺う。悠佑はベールの上からでも分かるぎこち笑いだった。

そういえば、昔結婚相手の人のことを色々言っていた気がする。

賑わっていた会場が静まった。誓いのキス、だろうか。でもそのベールが上がる前に止めなければ。



結婚式場には申し訳ないけど、ステンドグラスを突き破った。一瞬にして会場が騒がしくなる。それも当然だ。上から入ってきた侵入者。その頭にあるものは人間のものじゃない。結婚相手も思わず悠佑の手を放した。

桃「悠佑っ!」

黒「…ないこ、」

桃「ついてきて、くれる?」

伸ばした手をしっかりと掴んだ。

繋がる手


2人だけが



2人が迷うなら、世界へ沈むなら、その度に何回も離れないように

捕まえられる前に君を連れて逃げ出した。騒ぎ声が遠く、遠くなっていく。

君となら生きていたいよ、どんな世界でも

なんでかわからないけど生きていたいよ、そう思わせてくれた

桃「まずは、ごめん」

桃「酷いこと言ったし、結婚式も…」

黒「別に大丈夫。結婚式ぶち壊してくれてありがと」

黒「本当はずっとないこから離れたくなくて、でも俺と居るとないこに危害があるかもしれん。だから、突き放しちゃって」

黒「ごめんな」


桃「俺は悠佑から逃げてた」

桃「親にも結婚のこと言えてなかったし、挙句の果てには俺悪魔でさ」

ツノを指しながら笑う

桃「隠しててごめんね」

桃「言えなくてごめん」

涙で顔も可笑しくなってると思う。

黒「ねぇ、これから離さずに居てくれる?」

桃「悠佑がいいなら、ずっと死ぬまで一緒だよ」

俺の全部を確かめて、愛して

黒「ねぇ、このベール取ってみてくれない?」

言われた通りベールを丁寧に取った。


浮き上がる輪っかと広がる翼

黒「実は天使なんだ」

純白のドレスを身に纏っている悠佑はさらに、天使の翼を持っていた。

天使と悪魔の相性は良かった。共依存だ。お互いがお互いの苦しみを味わい、存在が生命となる命綱。

嗚呼、そうだね。互いの体を生きてる証にして、全部二人で確かめよう。

太陽の光が漏れる木の下で、愛を確かめあった今日はきっと灰になるで忘れない

【ぬゆり/ロウワー】








🎲様より黒くんオタクの炉心(ろしん)と申します!

黒右中心に出していければな〜と思っております

コメント等凄く嬉しいのですが、誰かと上手に絡むのが苦手なので反応が薄く見えるかもしれません

でも凄く喜んでます。踊り狂るうぐらいには


是非よろしくお願いします!(11/29)

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