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甘酸っぱくて好き
初コメ失礼します!! めっちゃ好きです✨️天才すぎません?📢🍍てぇてぇ
ども、本日、学校祭でございます( ᐛ )
勉強が嫌いだ。
いつ使うか分からない数学や古典など好きなやつが覚えとけばいいものまで習う。
そんなのめんどくさいし意味がない。
嫌い。
でも最近 、此奴との時間が楽しいと思える。
紫「 ここ の 問題 、もう 1回 復習 ね 」
赫「 うん … 」
いるまが差し出す問題用紙にペンを走らせる。 さっきまでわからなかった式が、少しずつ形になっていく。
紫「 ん 、正解 」
何気なく笑ったその顔に、胸がぎゅっとなる。 赤点をバカにしてきたときのむかつく笑みじゃない。素直に嬉しそうで…なんでだろう、こっちまで嬉しくなる。
いや 、気のせいだ。気のせいに決まってる。
はず。
赫「 …… ⸝⸝ 」
紫「 … なつ 、顔 赤い けど 熱 あんの ? 」
大きな手が、おでこに伸びてくる。
咄嗟にのけぞったけど、もう遅くて。
軽く触れられただけで、心臓が喉の奥まで跳ね上がった。
赫「 …… っ ! ⸝⸝ 」
紫「 … うん 、熱 は 無さそう 」
ゞ「 どっか 体調 悪い ? 」
赫「 … 別に 」フイッ
答案に視線を落とす。 けど、文字はぼやけて、ちっとも頭に入ってこない。
数日後
2時限目の数学。 答案用紙が返ってきた瞬間、思わず固まった。
赤点常連だった俺の答案には、見たことのない数字が書いてあった。
__80点
赫「 マジかよ … 」
周りの友達が驚いた顔で覗き込んでくる。
からかわれても、今は全然腹が立たない。
胸の奥にじわっと広がるのは、信じられないくらいの達成感だった。
そして、脳裏に浮かぶのは――
隣で問題を解説してくれた、あの強引な教育実習生の顔。
赫( いるま の おかげ … だよな )
素直にそう思った瞬間、また心臓が騒ぎ出す。
悔しいけど、結果が出たことが、ただただ嬉しい。 嫌いって言い張るのが、だんだん苦しくなってきていた。
き ー ん こ ー ん か ー ん こ ー ん
チャイムが鳴ると同時に、俺は席を立った。 教科書もノートもろくに鞄に突っ込めてない。 ただ答案用紙を握りしめて、教室を飛び出す。
赫( 早く … 見せたい っ )
足が勝手に動いていた。 廊下を走って、職員室の前をのぞきこむ。 見慣れた背中が見えた。
赫「 いるま っ ! 」
思わず声が裏返った。
紫「 ん … ? 」
振り向いた彼が少し驚いた顔をする。 その瞬間、胸が高鳴って、余計に顔が熱くなる。
紫「 そんなに 慌てて 、どした ? 」
赫「 こ 、これ ! 」
答案をぐいっと突き出す。 いるまがそれを受け取り、目を通すと、すぐに口角を上げた。
紫「 お ー 、80点 … やるやん 」
赫「 … っ !」
たったそれだけの言葉なのに、全身が熱くなる。 褒められるのが、こんなに嬉しいなんて。
紫「 頑張ったな 」
くすっと笑って、俺の頭に大きな手がのる。 その重みが、どうしようもなくあたたかくて。
紫「 でも 、あと もう少し で 受験 。」
ゞ「 気 は 抜くなよ 」
赫「 … うん 」
その言葉に、嬉しさと同時に少しの焦りが胸に刺さる。
紫「 次 は 過去問 やるか … 時間 測って 解いて もらおっかな 。集中 できる よう 環境 とか 整え とけ 。」
赫「 また くんの ? 」
紫「 当然 。」
かきかき…
机に向かって過去問を解く。
時間を測るいるまの視線が背中に刺さる。
答案用紙に必死で向かうけど、意識の半分はどうしても彼の方へ逸れてしまう。
紫「 … はい 時間 」
ペンを取り上げられて、いるまが答案をチェックする。
紫「 ここ 、公式 違う わ 。」
赫「 ぇ 」
紫「 間違え やすい からな 」
ゞ「 もーちょい ここ 復習 するか 」
解説を始めるいるまの 声は落ち着いていて、それを聞いているだけで不思議と安心した。
休み時間、友達が何気なく言った。
MOB「 なぁ 、教育実習生 って 確か 1ヶ月 だろ ?もうすぐ 終わり じゃね ? 」
赫「 … 」
その言葉が胸にひっかかった。 もうすぐ、終わり。 考えた瞬間、急に心臓が重くなる
赫( あと 少し で 、 居なく なるのか )
その日の勉強時間。
いつも通り問題を解いて、解説を聞く。
でも、集中できない。ペンを持つ手が小さく震えていた。
紫「 … なつ 、どした ? 今日 ぼんやり してるけど 。 」
赫「 別に … 」
強がって答えるけど、胸の奥はどうしようもなくざわついていた。
答案に赤ペンが走る音だけが、部屋に響く。 いるまは真剣な顔で解説をしていた。 その横顔を見つめていると、不意に言葉が落ちてきた。
紫「 あと 2週間 だな 。受験 も 、俺 が ここ に 居られる のも 」
淡々とした声なのに、胸を強く締めつけられた。 そうだ。 俺は、受験を終えたらそして二週間が過ぎたら、もう…
赫( 会えなく なる … ? )
頭が真っ白になる。 どうしようもなく寂しい、苦しい感情が込み上げてきて。 その理由に気づいた瞬間、心臓が跳ねた。
赫( 俺 、いるま の 事 … )
胸の奥に浮かんだ言葉は、否定できなかった。
嫌いなんかじゃない。むしろ、きっと―
赫( … 好き なんだ )
気づいてしまった。
受験よりも大事なものが、今すぐ消えてしまいそうで、怖い。
目の前でペンを動かす彼に、その気持ちを言うことなんてできない。
だから、ただ必死に視線を答案に落として、心臓の音を隠すしかなかった。
赫「 ……( 焦 」ᝰ✍︎
紫「 ………… 」
サムネが上手く作れない問題