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6 - kn3. やっぱり触れたい

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2024年06月28日

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『焦り』つづき

R18表現ありません




kn視点


あれからメンバーとも一緒に何度か集まったりしていたが、特に何も起きず、平凡な毎日を過ごしていた。彼はまだ俺のことを不審に思っているのか、全然話しかけてこない。だけど、ほかのメンバーがいたら、めちゃくちゃ楽しそうに笑ってるし、そんな彼を見たら、ああ、やっぱり好きだな、なんて小恥ずかしいことを考える。


触れたいなぁ。


こないだの彼の頬に触れてしまうようなことは、以前にも何度かやっていて、今まで1度もバレたことはなかった。ただ、バレない期間が長すぎて、いま俺は強い我慢を強いられている。仕方ないくらい君に触れたい、と思ってしまう。友人でいたいのに、そんなことを考えてしまう自己矛盾に苦しむ。


「…とき!きんとき!」


「…え?!なに?」

急になかむの声が耳に飛び込んでくる。


「もーー話聞いてなかったでしょ。俺らちょっと買い出し行ってくるからよろしくって何回も言ったよ?」


「えぇ…ごめん。買い出し?俺も一緒に行くよ。」


「…いや、なんかスマイル寝てるんだよね。だからあんま1人にするの良くないかなって。だから、待機しておいてほしいかも。」


「んーー別に良いんじゃね?そいつも子供じゃねーんだし。きんときも行こうぜー。」

シャークんの声が玄関から聞こえてくる。


「えー、そうかなー。きんときどうする?」


こちらに判断を委ねられる。


「うーん…、まぁ行かなくていいや。適当に待ってるねー。」


「OK!じゃあ行ってくるね!早く帰ってくるよ。」

「行ってきまーーす。」


チャリンチャリン



またもや2人きりになってしまった。てかこいつ寝すぎだろ、ついさっきまで起きてたのに。

触る…チャンスなのか?今触らなかったらまただいぶ日があいてしまうだろう。それに俺は耐えられるのか?

頭の中で自問自答を繰りかえす。買い出しが戻るかもしれないし、なによりこいつが起きてしまうかもしれない。早く決断をしなければ…。


「…んん。」

彼は寝返りを打って、背中がこちらに近づいてきた。




ふと、気づいたら自分の手がスマイルの髪に触れていた。耐えきれなかった。ここにはもう理性なんてなかった。


少し、少しだけ彼の頭を撫でる。

サラサラ。


多幸感が溢れあがっていたそのとき、急に腕を掴まれる。


「…はっっ!なに?!」


スマイルの手だ。


「お前、やっぱり触ってんじゃねーか!」


腕を強く掴まれ動かすことができない。そして衝撃で声が…。

とにかく早く弁明しないと…。


「…いや。これは違くて。」


「なにがだよ!じゃあこの手はなんだ?別に触ってるなら触ってるでいいんだよ。ただ、俺は何が理由で触ってるのか知り..」


ガチャッ

「「ただいまーーー」」


スマイルは驚いたようで俺の腕を掴む力が弱くなった。すぐに彼の手をはらって、メンバーに勘づかれないようスマホを触り始める。


「おかえり。早くボドゲ始めよう。」


「いいねーー!あれ?スマイル起きたんだ?」


「…今な。」


「そうか、じゃあ始めるか!!」



その後は何事も無かったかのようにただ時間が過ぎていった。酒も入って、酔っぱらいがすごい盛りあげてくれたので、気まづさは全く感じずよかった。ただ、スマイルからの視線は感じている。この時の頭の中は、どうしよう…ただこれだけだった。


そろそろお開きという雰囲気になってきた頃、俺はもう早く帰ってしまおうと、すぐに帰る準備を始めた。すると、


「きんとき、ちょっと話あるんだけど。この後どっか…。」


スマイルだった。やっぱりそうだよな…。


「ごめん用事あるから、もう帰るね。」


帰ろうと荷物を持つと、腕を掴まれ引き止められる。


「いや!なら帰り道だけでもいいよ。絶対今日話したい。」


「……わかった…。帰り道だけね。」


「ありがとう!ちょっと待っててすぐ準備する。」



承諾してしまった…。

もちろんいつか絶対話さなきゃいけない話だ、スマイルのことだしあいつはこういうのをなかなか忘れないだろう。しかし、さっきまで言い訳をずっと考えていたが、いいものはひとつも浮かばなかった。どうしよう…。


「すまん待たせた、帰ろう。」

「うん…。」


無言のまま少し歩く。どっちから話を切り出せばいいのか。俺が世間話でもすればいいのか?


少しイライラしていると、やっとスマイルの口が開く。


「…今日の話なんだけど、どういう意図を持ってああいうことをしてきたの?しかも隠して。こっちも寝たふりとか試すようなことして悪かったけどさ。」


「…なにもいえない、俺からは。ごめん。」


「だからごめんとかじゃなくてさぁ!なんでか聞いてんのに、意味が分からん。」


「お前には理解できないことなんだよ、だからごめん。」


「何が…理解できないだ?!言いもしないくせに。1回言ってみて、俺が理解できなかったらそれでいいじゃん。とりあえず言ってくれよ…。」


「……。」


どうしたらいいのか全くわからない。

俺は無言を貫いてしまった。辺りがシーンと静まり返る。


「…はぁ、分かった。もういいよ。ただ、こういうことは今後一切やめて。」


「…それは、できないかもしれない。」


「はぁ?!一体なんなんだよお前!」


「ごめん!!俺スマイルのこと…その、恋愛的な目で見てるのかも。あんときも、衝動的にやってしまった。1回ちゃんと離れるように、離れるようにするから、ああいうことは今後しないように頑張る。本当にすまなかった。」


俺は真正面から誠心誠意頭を下げる。

スマイルの反応はどうだ?頼む、どうか友人のままでいさせてくれ…。

少し間が空いて、いつもはなかなか動かないスマイルの顔がピクピクとし始める。


「おま…え…まじかよ…。その……。」


「すまない、突然こんなこと…。じゃあ解散ってことで。」


「…えっ、と。えっ…。」


困惑するスマイルをおいて急ぎ足で帰る。言ってしまった…。残酷なことに、もしスマイルが俺のことを気持ち悪がったとして、他メンとの関係がある以上、俺と縁を切ることは難しいだろう。そうなったら、俺はあいつに嫌われながら近い距離にいなければいけない。あいつにも悪いし俺もつらい。やっぱ言わなきゃよかったか…。

と、グダグダいろんなことを考えているうちに、また再び会う日が来てしまった…。

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