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最後の紙飛行機を君に。

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最後の紙飛行機を君に。

1 - 最後の紙飛行機を君に。

♥

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2024年10月03日

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最後の紙飛行機を君に。


きもも

地雷注意




『ごめんね。』



それだけ書かれた紙飛行機を君にあげたら、君はどんな反応をしてくれるかな、




幼馴染で仲が良くて、いっぱい遊んでいた君。でも僕は病弱で、めを合わせて遊ぶなんて片手で数えられるくらい

だから良く、紙飛行機を投げて、大声を出せない僕は庭まで来た君と会話していた。僕が書いた紙飛行機の文字を見るたびに、君は笑顔で返事をしてくれる。


その姿が大好きだった。


風がひどい日も、雨の日も、雷がなっていても、君は笑って僕の名前を呼んでくれた。犬に噛まれたって笑顔で言って、

にへって笑う君。そのとなりで僕も、犬と追いかけっこしたりしてみたいな。


叶いもしないけど、2人で海に行って、泳いだり、遊園地に行ったり、肝試ししたり、雪合戦して顔に雪が当たって喧嘩したり、落ち葉に2人でダイブして、嫌いな虫がいて逃げ回ったり、

そういうちょっとしたことを君とするのが僕の夢。


だから今、君がいないで部屋に一人は寂しいよ。どこに行ってしまったの、?

僕が嫌いになったの、引っ越したの、?

また、紙飛行機投げ合って笑い合いたいのに、

るぅとって元気な明るい笑顔で言って欲しいのに、

なんで、、?


君が来なくなって、もう2年。

今もめげずに手紙を折って紙飛行機にしてる。全部君宛で、

何度も何度も書くうちに、僕の病気もひどくなっていく、

君はどこにいるのって思ってまた今日が終わっていく。

当たり障りのない他愛もない会話、

ずっとずっと彼にあげるために日記みたいに書いていく。

足元は紙飛行機で埋まって、無我夢中で殴り書きとも言える文章を書いて

君の反応を思って眠りにつく。

時折、紙飛行機に吐いた血がついてしまって折角の紙が無くなる事もあった。

大事な紙なんだから、ちゃんとしないと

君にあげるためだけにある、限りある紙だもん。捨てるなんて勿体ない


そんな中、僕の病気は悪化していく。

心房中隔欠損症、心臓の壁に穴が開く病気。立つたびに苦しく痛くなって、今では紙飛行機の溜まった勉強机にさえ足が届かない。

ああ、どうしよう。

君にあげるための日記みたいな手紙。

もう書けなくなっちゃう

やだ、手が震えて鉛筆すらもうまく持てない。やだ、最後に1枚書くの、

無理に手を動かして

最後の想いをたんと込めて、大きく君への気持ちを伝えるみたいに。


ごめんね。


そうやって書いて、折る気力もなかったから眠りにつく。深い眠りで、とてもいい夢を見る。君と笑い合う元気そうな僕の姿。

いいなぁ、、

あんなふうに君と過ごしていられれば、

あんなふうに僕が元気いっぱいだったら

もっとたくさん遊べたのに。




何年経っただろう。

幼馴染のるぅとと合わなくなったのは


何時も何時も、笑い合っていて紙飛行機を飛ばして遊び合っていた幼少期。

ずっと一緒だと、片腹痛い程雑な約束を二人とも信じていた頃、

その頃の俺は、あんな病弱な奴と、外で遊べるなんて考えていつもその日を待ち望んでいた。今なら当たり前のように分かる。そんな夢みたいなこと、あるわけないのにって。


今日久しぶりに彼の家に行く。

、と言っても遊んだりするわけではなく

一様、

線香を上げに行くため、

、、、、先日、彼が亡くなったと彼の両親から電話があった。彼の両親は、こんな長い間姿を見せなかった俺を、るぅとの一人の友達とまで言い、泣きながら俺と電話をした。

意味がわからない。

2、3年も姿を現さなかった幼馴染を、

たった一人の友達という意味が。

なんでるぅとが、俺宛で、こんなにも大量の紙飛行機を折っているのか。

彼の両親は、俺を彼の部屋まで案内させ床にまで散らばっている紙飛行機を見せた。全部俺宛。全部るぅとの字。

一つを開けると、紙いっぱいに文字が並んでいる。


__20☒☒ 11月24日


拝啓 さとみくんへ


今日はおかあさんと一緒に、アップルパイを焼いたんだぁ。さとみくんアップルパイ好きだったよね、?頑張って焼いたから、食べに来て欲しいなぁ。

ねぇ、早く来てよ、アップルパイ冷めちゃうよ、?


るぅとより。



胸が痛くなる。この年のこの日、俺何やってたんだっけ、?

いけばよかったのかな、

片っ端から手紙を開けていく、

その中でひときわ目立つものが2つ。

るぅとがタヒぬ1日前と二日前の手紙。


_20☒☒ 3月5日


はいけいさとみくんへ


きょうさとみくんのゆめみたよ。

いつかまた、あえたらいいねぇ

ずっと、ずーっとまってるよ

だいすきなんだから

さとみくん


るぅとより


1枚目は平仮名だけのなぐり書きの文。

なのに何処か優しさがこもっていた。


_20☒☒ 3月6日


ごめんね。



それだけ書かれた、折ってもいない手紙

誰宛なのかも、誰が書いたかも書かれていない手紙。なのに、心の内側から抉られる。


『る ぅ、 と、ッ、』


それからの言葉は喉が詰まって言えない

頬に涙が伝う。


泣かないと思っていたのになぁ、


るぅとには言えないな。言い訳だって言われちまう。


るぅとの前に顔を出さなかった理由は、

お前がタヒぬのを間近で見ているのが、 いやだからなんだよ


『ごめんね。』


それだけ書かれた紙飛行機を、俺はどうやって見ないふりをすればいいのかな






お終いです。


さとみくんは、るぅとくんが亡くなって

しまうのを前々から感じ取っていて、

どうしても目を背けたかった。

そして、彼のタヒを目の当たりにしたくなかった。

でも、るぅとくんは、さとみくんが

来てくれれば病気何が怖くない。でもさとみくんが来ないとどうしても弱気になってしまう。

早く、かれにあいたかった。


二人の似たようで間逆な思いが、

このようなことを作ってしまったのかもですね。


、、、、


ということで ぷりん復活~~!!

これからも2日に1回のペースで投稿します!!

精神に落ち着きがきくようなったので、

一安心だぁ〜


終わりΛ♡✗♡Λ✨

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