テラーノベル
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昼過ぎ、街が花火に浮かれざわめき出す頃
蓮 大介、行ってくる
大介 うん…気をつけて…これ
大介が差し出せのは折り鶴、羽の所に拙い字で
書かれた だいすけ れん
蓮 上手に書けてるな
大介 待ってる…から
俺を見上げる潤んだ瞳
大介を抱き寄せ口付ける
蓮 行ってくる
岩本 深澤、留守はたのんだ
深澤 無茶だけはすんなよ
岩本 お前等行くぞぉ〜!!
大介 蓮…
昨日指切りした小指にそっと唇を付ける
深澤 大介〜お茶でもしようぜ
大介 こんな時に…
深澤 こんな時だからだよ、旦那を待つ嫁同士
帰って来て疲れた顔してちゃ駄目なんだよ
大介 そうなの?
深澤 帰って来たら、まぁ多分血みどろだと思うが、笑顔でおかえりって迎えるのが俺達の役目
だからゆっくり茶飲んで待とうぜ
大介 深澤さんは凄いね…俺は不安で…最初約束を破ったのは俺なのに、今は蓮に約束を守ってって思ってる
深澤 俺も最初の頃は不安だった、でも照はまぁ多少の怪我はするけどちゃんと帰って来てくれる
俺達の男は約束は守るよ
信じてやれよ
大介 そうだね
二人空に浮かぶ夏雲を見上げ無事を祈る
岩本 お前等、あそこが奴等の根城だ
蓮 行くぞおらぁ!!
襲撃に向け準備している最中のこちらからの奇襲
慌てふためく奴、直ぐに反応して切り込んで来る奴、そいつらを片っ端から切り捨てる
「あのデカい奴が岩本と目黒だ!奴等を殺れ!」
他の奴より頭一つ大きい俺と岩本の兄貴は標的になりやすい
だがその分まとめて始末しやすい
ゴロツキを寄せ集めた集団だからか統制が取れていない、賞金首の俺めがけてくる奴がほとんどだ
原 探しに行かなくても向こうから来ますね
蓮 馬鹿みたいに突っ込んで来る奴ばかりだ
近接戦闘なら腕の長さと洋剣で何とでもなる
岩本 油断はするなっ武器は刀だけじゃ無いぞっ
原 わかってますって
パアンッ
鳴り響く破裂音
岩本の兄貴が肩を押さえる
蓮 兄貴っ
岩本 やはり鉄砲もあったか…
「岩本、目黒、お前等邪魔なんだよ!!」
鉄砲を持った男が三人…まずい
「先ずは賞金首からだ!!」
俺に向けられる銃口
原 蓮さんっ!!うっ
蓮 原〜!!
俺を突き飛ばした原が短刀を投げ一人倒すが
足に弾を受ける
倒れた原の懐から落ちた短刀を拾い前から俺を狙う男に命中したが
「もらったぁ〜」
背後に回り込んだ男の鉄砲の弾が俺の左肩に
蓮 グッこの野郎〜
連続で撃てない男に向かって剣を振り下ろす
手下 兄貴〜!他は全部始末しました
岩本 大体全部で何人くらいいた
手下 八十くらいですかね、聞いてたより少なくないですか?
蓮 まずいっ屋敷に向かってるかもしれないっ
岩本 お前っ急いで帰るぞっ
駆け出す俺達に聞こえる打ち上げ花火の音
大介っ無事でいてくれっ
深澤 大介、念の為主屋に来い
大介 どうして?
深澤 敵が二手に分かれてるかもしれん、主屋の
中心ならもし来ても直ぐには見つからない
大介 うん、わかった
深澤さんに連れられて主屋に来た
凄く大きくて入り組んでる
大介 迷子になりそう
深澤 敵襲に備えてわざと複雑にしてあんだよ
大介 へぇ〜、そうなんだ
ぐるぐると廊下を進んで着いた部屋に入ると
「おう、来たか」
大介 親分さん…
深澤 親分、大介を頼みます
俺を置いて部屋を出て行こうとする深澤さん
大介 待って!深澤さんは何処に行くの!?
深澤 俺は照からここの留守を任されてる、万が一の時には指示を出さないといけないからな
大介 そんな…
深澤 大丈夫、俺は運だけはいいんだよなぁ
もうすぐ花火が始まる、念の為だ
親分さんにお辞儀をすると部屋を出て行く
「そんなとこに突っ立ってないでこっち座れ」
大介 はい……
「お前こないだの別嬪さんだな、蓮の嫁の」
大介 はい、あの…どうしてここに
「深澤が言ってたろ、念の為だ」
大介 だったら俺じゃなくて深澤さんの所に
「倅の嫁だ、俺がみといてやるのは当然だ」
大介 親分さん…ありがとうございます
その時外で鳴り響く花火の音が聞こえた
ゆんしょ
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コメント
2件

いや~、今回もめちゃくちゃ良かった!花火の日に別れを告げる蓮と大介のシーン、折り鶴に名前が書いてあるのとか小指にキスするところとか、もうズルいって😭 深澤さんの「帰って来たら笑顔でおかえり」って台詞、本当にそうだよなって思った。留守番組の覚悟と優しさが沁みるわ。 んで蓮たちの戦闘シーン、洋剣リーチ活かした立ち回りとか岩本さん被弾の緊迫感とか、めっちゃ熱い!でも屋敷に残した大介が心配で…敵が二手に分かれてたらどうしよう。花火の音が不気味に響く終わり方、続き気になりすぎる🔥 ゆんしょさんの筆致、キャラの心情描写とバトルのバランスがマジで好みだわ!