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「久しぶり!紫鬼!」
左から四天王一番、風神のウィン、二番雷神のサンダー、三番火を操るサン、四番水を操りこの中で一番怖い小雪姉さん。この四人は父の派生であり母の友達。父の派生というのは喜怒哀楽が具現化されたもの達のことを言う。この四人はそう、人でも神でも何でもない召し使いのようなものだった。
「サンダー兄さん、それにみんなも。久しぶり。」
「見ないうちに大きくなったな。」
「力は兄さんたちに負けるけど。」
幼い頃、この四人に仲良くして貰ったせいか、俺と聖來のお兄さんとお姉さん見たいになっていた。本当はこの四人は父の元に戻る予定だったのだが、父の体が戻るのを拒み、結局派生として今も生きている。
「で、アンジュ。紫鬼は私達が強くすればいいの?」
「ええ。」
KING高等学校魔法科。そこにはエリートたちが集まって魔族を倒そうという警察官を育てる学校みたいな場所。今の俺は魔力という魔法を使うのに必要なものが駄々漏れで今そこにいけばすぐに殺させるであろうという考えで四天王に強くしてもらうことになった。
「じゃ、庭で今日から鍛練だっ!」
「はぁ、待って馬鹿。」
小雪姉さんは基本的に笑わない。性格からして『怒』の派生と思っていたがそうではないようだ。
「待ってって言ってんの( ω-、)」
姉さんは『哀』、人の悲しみの派生だ。
「紫鬼殿、あやつらをあまり信用しなさらない方がよろしい。」
一番表情が読めないウィン兄さんは『怒』の派生。こうやってる時でも怒りのオーラがぷんぷん出ているのに本人は気づいていない。そのかわりこの中では誰よりも強く、父の次に力がある。
「よぉし!じゃあまずは紫鬼の使える力を見せてくれ!」
「うん。」
一番使いこなせる炎属性を詠唱した。
「紫鬼、…ゴロゴロ…良い炎出してるな。」
一人飴を食べていたサン兄さんが魔力に反応してにやけていた。あのにやけ方はダメ出しされる前のサインだ。
「でもなぁ、…ゴロゴロ…詠唱したらどの魔法を使うかバレて防がれる。…ゴロゴロ…だからまずは無詠唱の練習をしないといけないが、まだその年だ、難しいに決まってる。…ゴロゴロ…だが詠唱してもまだその炎は強く出来る。火よりも炎のほうが威力は強いだろ?…ゴロゴロ…なのに_____」
姉さんのげんこつがヒットした。
「馬鹿。いっぺんに言ったら分からないっての分からない?」
「ってぇ…。うわ、飲みこんじゃった。」
「紫鬼!魔法は創造だ!威力を高めたかったら、大切な人を思うんだ」
「そして、紫鬼殿。魔力を一点に集中させるのですよ。分散させてはいけません。」
みんなのアドバイスを参考に、魔力を一点に溜め、聖來の事を考え、強くなるように創造した。
「炎火弾(ファイア)。」
的に数発火の玉を当てた。それでも何発かは外れて庭に引火したけれど、新しい魔法を生み出すことができた。
「ほう、この魔法一発は威力が少ない。じゃが、連発することで威力をあげることが出来る。…天晴れだ。」
「ありがとう、ウィン兄さん。」
「『ファイア』なら火球でもファイアだし、どっちが来るか分からねぇなw」
「さぁ、その調子で撃ってきなさい。消火はしてあげるから。」
俺は新しい的を狙った。
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