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アネモネ  完結

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アネモネ 完結

1 - 第1話 異様な出会い。

♥

113

2023年03月01日

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『』⇠葛葉さん

「」⇠叶さん






神に祈りを捧げる神父と生死なんて知らない

吸血鬼が出会ったのはこの世界線で

たった一度きりかもしれない。


今日も僕は、いつも通り神父として

神に祈りを捧げる。

今時、わざわざ教会に足を運んでまで

神に祈りを捧げる者など居ない。

いつものように一人で教会に足を運び。

一人で祈りを捧げる。

そうしているといつものように背後から聞き覚えのある鳴き声が聴こえる。

〖ニャァ〗

この子は僕がこの教会に足を運ぶ前から此処にいた、黒猫だ。

「おはよう。ロト。」

この子の名前はロト。

僕が付けた名前。

ロトが毛繕いをし始めたのを確認する。

すると。

教会の扉が年季を表すように音をたてた。

僕はすぐに護身用の銃を取り出し扉に銃口を向ける。

『おい。何もしねぇから今すぐその銃を仕舞え。』

扉の前の男は言う。

影が見える限り、耳が尖っている。

人外であるという事だろう。

「自分の身が危険にさらされるかもしれない状態で私が貴方の言うことを聞くと思いますか?」

『危険も何も、まず俺は何もしねぇって言ってんだろ。』

「信じられる訳がありません。」

「まず貴方、人間ではないでしょう。」

『へぇー。人間じゃないねぇ。』

『人間じゃないとして、なんだと思う?』

「貴方の背中から生えている羽に、貴方のその深紅な目。」

「私が知っている種族で貴方の特徴が全て当てはまるもの。」

「吸血鬼。でしょうか。」

『正解。んで。分かっただろ。』

『俺はお前に手は出さない。』

確かに。

これだけ時間が経っても何もしてこない。

この吸血鬼に警戒など要らないのかもしれない。

『お前、いつもこんなとこ居んのか?』

「そうですね。」

「僕には此処しかないので。」

『ふーん。』

「自己紹介がまだでしたね。」

「私は叶と言います。」

『かなえ…。』

吸血鬼が住む世界では聞いた事も無い。珍しい名前なのだろう。

彼は物珍しそうに僕の名前を繰り返す。

「そうです。」

「叶わないと書いて叶。」

名前の由来を言えば何時も求めてもない反応しか返ってこない。

僕を哀れむ者。

僕に同情する者。

そういう奴らの反応しか見たことが無かった。

今回だって。そう思っていた。

『アレクサンドル・ラグーザ。』

「アレクサンドル・ラグーザ…。」

『俺の名前。』

なのに。此奴は僕を哀れみもせず。

同情もしなかった。

僕の自己紹介を追うように、名前を言った。

「なるほど。では、ラグーザ様ですね。」

『様は要らねぇ。』

「では、なんと言えば?」

様は要らない。と言うが服装を見れば分かる。

吸血鬼の貴族なのだろう。

それに対して、僕は。

気づいた時には此奴にいて。

それからは近くの施設で暮らしていた、孤児だ。

関わるに関わらない存在だろう。

『お前が決めろ。』

「へ?」

『お前が呼びやすい名前でいい。』

呼びやすい名前。人の呼び名を考えるのはそう簡単じゃない。

「では。」

「サーシャ。」

「なんて、どうでしょう。」

そう思っていたのに。僕は気づいたら彼の呼び名を言っていた。

『サーシャ…。』

『ふーん。気に入った。』

『なかなか良いじゃねぇか。』

そう言ってサーシャは、嬉しそうな顔をした。

きっと、顔に出やすいのだろう。

気づいたら、僕が持っていた銃は元の位置に戻されていた。

『また来る。じゃーな。』

「待ってます。ではまた。サーシャ。」

気づいたら僕達は、空が茜色に染まるまで二人で喋っていた。





「その【また】は。何時まで続くのでしょうね。  」

「ねぇ。サーシャ。」




_____________________

どもども!

新しいこの連載は、不定期ながらも前の作品より

は、早いペースで投稿できるかと思われます!

これからも!

まだまだですが、新連載。

【アネモネ】

を、よろしくお願い致します!!

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