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#M!LK
はる☻
29,438
文章や口調等、拙い部分が多数見られると思いますが、ご了承ください🙇🏻♀️
まる さんからリクエストしていただいた作品です✨️
すみません、とっても長くなりそうなので、3話構成でいこうと思います!
地雷の方は自重お願いします!
塩レモン『ずっとそばにいて欲しい』
プロポーズ
現代日本では法的に同性婚が認められていない。
しかし、同性カップルはかなり多く存在しており、法律に対してデモ活動も起こっているほどだ。
今人気急上昇中のアイドルグループのある1人も、その不安定な世の中で珍しく頭を悩ませていた。
💙side
「………どないしよ、……」
レザー素材の、片手にすっぽりと収まってしまうくらい小さな箱を指でつつきながら溜息をつく。
ここはとあるバラエティ番組の楽屋。
機材トラブルで一時間ほど休憩となり、暇を持て余してしまった。
「……んん〜……、」
今まで何度も確認したのに、その小さな紺色の箱を開く。
明るい楽屋の照明で、ダイヤがキラリと光った。
「…いやぁ〜………」
これはやってもうたか?
さすがに衝動買いがすぎたか?
ほんまに給料三ヶ月分くらいはたいてしもうたわ、
目の前にあるのは男性でも普段使いしやすいと聞いた、ハーフエタニティリング。
たまたま昨日通りかかったジュエリーショップで、愛する人にぴったりだと思って買ってしまったものだ。
「…プロポーズするか、?…いやぁ、どうなんやろ……」
蓋を閉じて、背もたれに体を委ねる。
あかん、髪が崩れる。
とは思うけども、起き上がる気にはなれない。
ライブの演出考えてるより悩んどるわ今。
愛する人とは、同じメンバーの吉田仁人のこと。
出会って、恋仲になって、もうずっと一緒だった。人生の半分一緒に過ごしてると言っても過言では無いだろう。
だからって、こんなダイヤモンドの指輪渡してついにプロポーズて…!
やりすぎちゃう?自分。
そりゃ結婚したいか否かと聞かれれば、もちろんしたい。しかし、俺の中のなにかで一歩踏みとどまってしまっている。
コンコンコンッ
「っ、!はい、!」
急な来客に、リングケースを後ろ手に隠す。
「だいてぃーん、やほー」
「ふぅ、…柔太朗か……」
「近くに来たから、差し入れー」
やってきたのはメンバーの柔太朗。柔太朗含めメンバーたちは俺と仁人が恋仲なのを知っている。
柔太朗は俺の向かいに座り、俺が好きな洋菓子店の紙袋を置いた。
「おぉ!ありがとう!わかっとるなぁお前!」
「んふ、でしょ?……ん?だいちゃん何隠してんの、」
柔太朗が俺の後ろを覗き込むような目線を向ける。
「……柔ちゃん、聞いてくれる?」
リングケースを開け、差し出し、今の感情を正直に吐く。
「………おぉー、」
「それどういう感情なん?」
「いや、よっしーが好きそうなデザインだなって」
「っせやろ!?気づいたら買ってたんよ…」
「ふはははっ、じゃあもうそれが答えじゃない?」
「ぅえ…?どういうこと?」
「気づいたらってことは、それが本音ってことでしょ。だいちゃんは、よっしーにプロポーズするべきだ思うよ」
柔太朗の真っ直ぐ目に射抜かれる。
いたたまれなくなって指輪に目をやると、それをつけている仁人の顔がふんわり浮かんできて、体がぽっと熱くなる。
「だいちゃん顔赤い、笑」
「うわぁ、はず…まじか。仁人にプロポーズするんか……」
「そうそう、ほら、腹括って!」
「………断られたらどないしよ、」
普段の自分らしくない、ネガティブな言葉が口に出る。
すると、柔太朗が明らかに呆れた声を出した。
「いやそれ本気でいってる?よっしーは、だいちゃんが思ってるよりだいちゃんのこと好きだと思うよ?」
「仁人は、俺のことが好き……」
仁人が一番気の置けない友人だと言う柔太朗が言っているのだから、それに間違いはないはずや。
まあ、つまりあとは俺の覚悟次第ってことやな…
「…よっしゃ、わかった。柔太朗、ありがとう!」
「いいえー。じゃ、俺もう行くね」
柔太朗はそう言うと立ち上がり、楽屋を出ていった。
かと思えば、再びドアが開かれる。
「そうだ、結婚式の時は絶対呼んでね」
じゃ、と改めてドアが閉まる。
目線をドアから手元に戻す。
指輪をもう一度じっくり眺め、蓋を閉じてぎゅっと握り締める。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
💛side
「……こんなもんか、」
今日は珍しく太智に食事に誘われた。
しかも、太智が予約してくれていて、コース料理で既に会計も済ませてあるらしい。
昨日連絡が来て、ドレスコードまで指定されたから相当いいレストランなのだろう。
いつもどうにかこうにか金出すのを避けようとするくせに…明日槍でも降るか?
と思いつつも、鏡の中の自分はかなり嬉しそうだ。
色味とデザインが気に入って衝動買いしただけで、日の目を見なかったちょっとお高めのセットアップのジャケットまで引っ張り出して……。
うわ、やばい。めっちゃ嬉しい。楽しみ。
いつもつけているアクセサリー類はドレスコードに合わないだろうから、今日はお留守番。
最後に、太智が好きと言ってくれた香りの香水を軽くふる。
「…俺、めっちゃ太智のこと好きじゃん」
完成した自分を見て、無性に恥ずかしくなる。
時計を確認すると、まだ予定の時刻にはなっていない。
…まあ、特にもうすることないし、行っちゃお。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「うわ…なにここ…」
タクシーで太智に伝えられた住所に辿り着くと、都内でも夜景が綺麗だと好評なホテルの最上階に隣接されているレストランだった。
圧倒されながらも、フロントで名前を伝え、エレベーターで最上階へと上がる。
「…やっとついた……」
エレベーターの扉が開くと、そこはホテルのフロントとはまた違うシックで煌びやかな景色が広がっていた。
…いや、今更だけど場違い感すごいな!?
太智、ほんとにここであってる??
その雰囲気に若干引いてしまい、しどろもどろになっていると、レストランのドアマンらしきタキシード風の制服を着た男性が話しかけてきた。
「こんばんは。ご予約のお客様ですか?」
「こ、こんばんは、はいそうです…」
「ふふ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
柔らかな物腰で優しい笑顔を浮かべてくれ、凝り固まった緊張が少しだけ解ける。
「あ、えっと、塩﨑…です、」
「塩﨑様…はい、確認が取れました。塩﨑様のお連れ様ですね?」
「はい、!」
「塩﨑様はもうご来店頂いております。お部屋へ案内致しますね」
「あ、はい、ありがとうございます」
え、もう太智来てんの…!?
まだ約束の時間より10分くらい早いぞ?本当に明日槍降るんじゃ…
普通の飲食店じゃありえない、プライベートな通路をついて行く。
その通路にも絢爛豪華な装飾品が置かれているが、太智が太智らしくなさすぎてそっちに気を取られる。
少し開けた所に出たなと思うとドアが現れた。
「こちらのお部屋でございます。私は持ち場に戻りますので、あとはおふたりでごゆっくりお楽しみくださいませ」
ぺこりと、綺麗なお辞儀をする男性にお礼を言い、恐る恐るドアを開ける。
「太智……?」
「おー、仁人!今日はいきなりありがとうな」
そこには普段の初期装備とは打って変わり、綺麗めの格好をした太智がいた。
こいつ、可愛い顔してるくせに、ジャケットスタイルめっちゃ似合うんだよな…。
久々見たけどかっこいい、、
レアな太智を堪能しながら太智の向かいの席に座る。
「めっちゃ早いやん。さすが吉田さん」
「いやいや塩さんこそ。どうした?どんくらいからここにいんの?」
「……30分前とか、?」
「はぁー?!はっや、本当に太智…?」
「どういう意味やねん、!ちゃーんと本物の太智くんやで!」
なんでじゃあ普段はあんなに遅いのか、という質問はさすがに野暮かなと思い、心に留める。
「……ん、?仁人なんか好きな匂いする」
いきなり太智が机越しに身を乗り出して、鼻をすんすん鳴らす。
「…前、太智が好きって言ったやつふってきたから、」
「…っえー、!吉田さんめっちゃ俺の事好きやん!」
「っ、そうですけど、?!」
「えッ、……」
ここで嘘ついても無意味な為、素直に返すと、太智が赤くなる。
「ぁ、あぁ、そうよな?…ありがと、?」
「な、なんでお前が照れんの…」
つられて俺も顔に熱が集まる。
向かい合って赤くなって、異様すぎるだろ。
「っ、まぁ、まずご飯食べよーや、!」
「…うん、」
そこから、少し気まずいまま前菜を食べ始める。
値段が張る分料理は絶品で、気まずさなどすぐ吹き飛んで、味の感想を言い合いながらコース料理を食べ進める。
デザートまで食べ終え、ほっとベルドット生地の椅子の背もたれに背中を委ねる。
「……なぁ、みて、仁人。夜景めっちゃ綺麗やで」
太智が柄にもなくしんみりとした声色で言う。
…変に緊張感あるな……なにかあったのか?
少し違和感を覚えたものの、太智と同じようにほおずえをついて窓の外を眺める。
確かに、東京の街を一望できて、綺麗な夜景が広がっている。
こんな所で告白されたら、OKしちゃうよなーと、ロマンチックな気分になっていると、個室の照明がぱちりと消えた。
「っえ、!?なにっ!?」
真っ暗な中、動くようにも動けない。
なんで太智はノーリアクションなんだよ、!
「太智、!太智大丈夫…?!」
「………」
なんだよこいつ!無視?!
やばい暗い。夜景しか見えない。
「……ねぇ、!!だい、ち、」
さすがに太智に一喝入れてやろうと、少し大きめの声を出した途端、明かりが灯る。
ほっとしたのも束の間、目の前に座っていた太智が、真っ赤な薔薇の花束をもって立っていた。
「ぅえっ!?なにその薔薇…?!」
衝撃で、俺も立ち上がる。
すると太智に、仁人ちょっとズレて、と言われ、不思議に思いながらも机の横に立つ。
太智も同じようにしてきて、立って向かい合う形になる。
…めっちゃ太智見てくる。
恥ず、、目合わせられない、
沈黙が耐えられなくて、なに?と問うと、太智がその薔薇の花束を渡してきたため、反射的に受け取る。
あ、いい匂い…。
これプレゼントってことだよな?
珍しっ、、。まぁ、うれしい、けど……、
薔薇の香りを楽しんでいると、太智が深呼吸をし始めた。
「…太智、?」
「すぅぅぅー……っよし、」
「吉田仁人さん!」
「ぼ、僕と、結婚してください…!!」
………………え、
「…えぇっ!!!?!?」
真っ赤に染まる太智の顔と、照明の光を反射して輝くリングケースの中の指輪を交互に見る。
「ま、まって、まって?…これ、のために、今日……!?」
「……どうやったら仁人にOK貰えるかなって、考えて…、選んだ、」
「っ、、!!」
本当に待って、やばい、つまり……え?
俺にプロポーズ受けてもらうために、指輪買って、高いレストラン予約して、プラン考えながら過ごしてた、…ってこと、だよな?
どうしよう、めっちゃ嬉しい。
泣きそう。いや泣く。
気づけば目に涙が浮かんできて、次から次へと零れ落ちる。
「えっ!?泣い、え、吉田さん…!?!ごめん、そんな、嫌やった、、?」
とんでもない勘違いをしている太智に薔薇の花束を押し付ける。
「っ、ばーか、!嫌なわけ、ないだろ…っ、!」
「っえ、それって、!」
「…すー、…はー……」
「塩﨑太智さん、こんな俺でよければ、…喜んで」
涙を拭って、真っ直ぐ太智の目を見る。
太智の表情が花が咲くように明るくなっていく。
「ほんまっ、!?これ現実やんな!?」
「現実だよ、笑」
笑うと、太智に抱きしめられる。
「ねぇ、!薔薇!苦しいんだけど…!!」
「あーごめん!!嬉しすぎて!!」
太智が薔薇の花束を自分が座っていた椅子に置き、改めて抱きしめてきた。
甘んじてそれを受け入れ、俺も太智の背中に手を回す。
「…あー、現実なんや、…よかったぁ、」
「そんな疑う?笑 ……あ、指輪、つけてよ」
体を離して、左手を差し出す。
「っ、うわぁ、!これも緊張するわ!」
少し震えた手で太智が指輪をはめてくれ、その手を上に掲げてうっとりと指輪を眺める。
「…いいね、このデザイン、好き」
「…知ってる。それ見た瞬間仁人の顔浮かんだんやもん」
「さすが、」
指輪から太智へ顔を戻す。
今度は太智が泣きそうな顔をしていた。
「…太智、幸せにするからね、」
「それ俺の台詞や!!」
「仁人、もう地球上の誰よりもめっちゃくちゃ幸せにしたるから!!」
「ふはははっ!!笑 それはやばいな、楽しみ笑」
「本気やからな!」
太智に手を握られ、少し見つめ合うと、目を閉じる。
そのまま自然と唇が重なる。
離れて、目を見て、笑って、また唇を重ねる。
太智、もしもの話だけど、いつもの初期装備で家でプロポーズされたとしても、同じように泣いて喜ぶから。
そのくらい、お前のこと好きだから。
…なんて、絶対本人には言ってやらないけど。
to be continued…
一話目はプロポーズして頂きました!
個人的に💙さんはめちゃくちゃ王道ストレートなプロポーズをすると思います。一生懸命に。
そして「絶対幸せにする!」宣言もすると思います。
だけどめちゃくちゃ悩んで考えてたら可愛いなぁと思い、長くなってしまいました…🥹
二話は結婚式のお話を書こうと思っております!
リクエスト頂いた作品は表紙を統一しようと思います!ご意見ありましたら、遠慮なく!
コメント
1件
もう読んだわ……!💙のプロポーズのための準備と緊張と、仁人の「え、マジで?」ってなってからの涙、めっちゃええやん……。同性カップルだからこそ、法律とか現実的な壁も頭のどこかにあるんだろうなってのが伝わってきて、その上で指輪買って、レストラン予約して、薔薇まで用意してる太智の覚悟にグッときた。柔太朗の後押しも良かったな。続きの結婚式編も絶対読むわ🔥