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⚠️ばぶみのある露っさま。
どれだけたったのだろう。ここはどこなのだろう。僕はなんでこんなことになっているのだろう。何も分からない。何も分からないけどここは寒くて暗くてさみしい。寂しいよ。お腹がすいて満たされない。水も食料もある。栄養補給はしっかりできる。これっぽっちの飴に僕が生きるための全てが組み込まれている。砂糖食塩ビタミンに鉄分あとは…なにか色々。全部揃っているから死ぬことは無い。僕だって死にたい訳じゃないんだ。生きたいとも思わないけれど少なくとも今の考え方が変わらない限り飴玉を口の中でカラコロところがし続けるんだ。
そういえば中国と北朝鮮、あぁそれとベラルーシはどうしただろうか。ぁ。気にすることも無いか。どうせ僕はここから出られないのだし考えても仕方が無いことだなぁ。
コロン…
無機質な音が部屋に響く。いつの間に寝ていたのか、陽の光は差して来ないし、鳥のさえずりも聞こえないけれど。いつもよりも目覚めがいい気がする。気がするだけだけど。
音の方を見ると今日の分の飴が配給されていることが分かる。僕はまだ夢から覚めていないみたいだ。なんだろうな、痛い。どこだろう。体をまさぐっても分からないから、とりあえず水を飲んで飴を口に含む。すると激痛が走った。痛いのは口の中だったのか。なんだろう、歯が痛いのか、触って確認する。舌や顎、喉に異常はない。ということはやはり歯なのだろう。触ると歯茎と神経が痛む。痛い、昨日まで気が付かなかったのに、痛くなかったのに。なんで気がつくと痛くなるのか、分からない、でももうそんなこと考えていられないくらい痛い。痛い痛いよ、誰か、薬を。歯医者さんを呼んで。伝えるすべなどないというのに。必死に出られそうな場所、異常を知らせる為に部屋を見回して駆けずり回る。そんな努力も虚しく何も無い。駄目だ。やっぱりこの部屋には何も無い。僕と、飴と、水と、何度も何度も読み返した本と、生活に最低限必要な家具。真っ白なシベリアを彷彿とさせる部屋。寂しい。痛い。寂しい。痛い。ひとりぼっちだ。痛いよ。もう、こんな飴なんていらない。たべたくない。僕を傷つける甘さなんて必要ない。幸い僕は国だ。何を食べ無くなったって、死ぬことは無い。空腹の苦しみが全身を蝕むだけ。耐えればいい。そうさ、僕は空腹くらい耐えられる。そう思って居たのに、そもそも噛むことがなく飴を舐める以外にまともな食事をとっていなかったからか、半日、1日、1週間、分からないけれど僕にとっては割とすぐに限界を迎えた。痛いし苦しいしやっぱり僕は駄目だった。そう、諦めて僕が食べずとも配給され続けた飴を1つ、口に含む。甘いしょっぱい、決して美味しいとは言えない味が口に広がる。がりがり噛み砕くと虫歯が痛む。歯を1本ずつペンチで抜かれるような感覚と同時に空腹が紛れる。今僕はもしかしたら、この部屋に来てからいちばん、幸せかもしれない。その過程がどうであれ。
あぁでもやっぱり痛い、痛い、虫歯が痛い。
でもお腹が空く。さっきの幸せを、幸福感をもう一度だけ、1度だけだから。そうして飴を1つ2つと口に運ぶ。じわぁっと。頭に何かが広がる。美味しい。美味しくないはずなのにおかしいなぁ。その直後にまたあの痛みが。耐えられない。こんなの生き地獄だ。そう思いながらも飴を食べるては止まらない。空になったトレーには、機会が自動的に飴をまた沢山入れてくれる。僕はとっても幸せで痛い。痛いよ。でも誰も助けては、くれないよね。