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2作品目です!
nmmn、fwakとなってますので苦手な方は注意してください。
それではお楽しみください!
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「あー鬱陶しい。」
俺の足、肩、頭。至る所についてる幽霊。数は10匹ほどだろうか?こうもつけられてるとさすがに歩きずらい。
「あーもう!お前たちなんで俺ばっか取り付いてくんだよ!」
ビクッと震える幽霊たち。
『 だ、だって明那見えるし。 』
『 そ、そうだよ。俺たち明那のこと大好きなんだ! 』
「…せめてもう少し離れて歩けよ!」
大好きなんて言われるとそれ以上言えなくなるだろ。くそ、なんでこんなことに…。
俺は5歳の頃から幽霊が見えていた。俺が母にその事を話すと母は決まって「いい、明那。絶対霊に話しかけちゃいけないよ?見えるって分かったら明那を食べにきちゃうかもしれない。」と言った。俺は食べられるのが怖くあの時から今まで霊に話しかけたことはなかった。もちろん、俺に取り付いてきた霊もずっと無視し続けていた。
しかし1週間前俺は母の反対を押し切り、東京に上京した。母があまりにも家から出させないようにするものだから何も言わずに出てきたのだ。
「ここが東京か…。」
初めて東京に来た時はビルがずっと立ち並んでいる光景に目を見張ったものだ。
初めての東京。初めての一人暮らし。そして1週間後には大学の入学式。ワクワクするものばかりで俺は浮かれていた。
「…は?」
アパートに引越して5日。おかしい、何かがおかしい。…霊が増えてる。引越しした初日には1匹しか居なかった霊は7匹に増えていた。こうも増えると生活に影響がでてくる。ゲームをしてる途中に邪魔してきたり、料理をしてるときに目の前に現れて脅かされたり。何より嫌なのがトイレ中にドアを貫通して見てくることだ。
くそ、これじゃ自分の家なのに全く休むことが出来ない。俺は逃げるようにして家を出た。
「ふぅ、なんであんな増えてんだよ…。」
実家にいた時は家で霊を見るのは珍しいくらいだったのに。東京って霊も異常にいるのか?そんなことを考えていると
「…ん?」
体が重い。なんだ?確かめているとさっき家にいた幽霊たちが俺の体に取り付いていた。
は?なんで俺についてくんだよ。
ムカついた俺は霊を振り払い、全速力で逃げた。
「はぁはぁ、ここまでくれば…。」
俺が逃げきれたと思い振り返ろうとした瞬間急にまた体が重くなった。
「って…なんで俺についてくんだよ!!」
あ、やば。
遂に限界を迎えてしまった俺は霊に話しかけてしまった。
『 …。やっぱり僕達のこと見えるんだね? 』
『 ね?私の言った通りでしょ。ふふ。』
『 いや俺のおかげだろ。なはは。 』
目の前で大騒ぎする幽霊たち。
「は?どういう状況?」
『 あ、自己紹介遅れたね!僕は”ミド”だよ!よろしくね。 』
「…よ、よろしく…?」
『 私は…』
『 次俺な!俺は…』
次々に自己紹介をしていく幽霊たち。
『 そんな怖がらないで!僕達悪い霊じゃないよ?明那の傍に置いて欲しいんだ! 』
「は、えなんで俺の名前…。」
『 まあ明那が家に来てからずっと明那のこと見てたからね!名前だけじゃなくて他にもいろいろ知ってるよ? 』
「まじかよ…。てかなんで俺の傍に置いて欲しいんだよ。探せば見えるヤツなんて他にも居るじゃん。」
『 いるにはいるけど僕達を見た瞬間に殺しちゃうんだ。明那は絶対にそんな事しないでしょ?僕達ずっと明那見てたから分かるんだ!明那は優しい人間だって! 』
「……分かったよ!好きにしたら。」
俺は早足で家に戻る。その間もニコニコで着いてくる幽霊。なんで俺許しちゃってんの。
最初は嫌でたまらなかった幽霊だが、打ち解けると以外に楽しいもので俺の生活は充実していた。
「だから!トイレ中は入ってくんなって!」
『 まあまあ明那落ち着いて、もうすぐ出かけなきゃでしょ? 』
もうすぐ大学に行く時間だ。
「あー分かった。大学行ってくる。」
幽霊たちが着いてきてないことを確認し、俺は家を出る。
『 大学っていい場所だよね〜。 』
『 え〜私は明那の家のほうがいいわ〜。 』
周りからあいつらの声がする。
なんでこいつら着いてきてんの。怒りたい気持ちを抑え、早足で歩く。入学式ではついこいつらに話しかけてしまい、俺は周りからドン引きされてしまった。
これも俺の大学生活を守るため。無視無視。
「今日も疲れたー。」
大学の授業中もこいつらが話しているため、まるで集中できない。更には大学内の幽霊まで俺の事を気に入り、つけてくる始末。
「あー鬱陶しい。」
ここから冒頭に戻る。
「お疲れ様でしたー!」
時間を確認すると時刻はもう0時を回っていた。
『 あとで肩もみしてあげるよ。 』
この頃ミドはバイト終わりよく肩もみをしてくれる。
「…ありがと。」
何気にこいつらとはいい関係を築けている。まあ、もう少し傍に置いてやるか。そんなことを考えていると
『 明那!危ない! 』
霊たちが俺を押し倒す。
「え、何…」
俺が振り返ると禍々しいオーラを放った1匹の霊がいた。
「なにこいつ…。」
明らかに殺意を放っている。殺される。本気でそう思った。奴が近づいてくる。
こ、怖い…。
逃げたくても足が動かない。もうダメだ。
そう思った時俺の前になにかが現れた。銀髪でピンクと紫のメッシュが入った派手髪に白い服。そして1番目に入った綺麗な大きな翼。そいつは俺のほうを見て微笑むと奴から俺を守ってくれた。
「…君は、、誰?」
幽霊たちがそいつを見て怯えている姿は目に入らず、俺は目の前にいる綺麗なそいつから目が離せずにいた。
「…俺?俺は湊。不破湊。」
これが俺と湊の出会いだった。