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『今までありがとね、』

達也の言葉が頭の中に流れる。

俺は達也の葬式に参加出来なかった。出来なかったのではない。しなかったのだ。

達也がいないことを、受け止めたくない。目の前で死んだ親友を思い出したくない。あの光景を。そう考えるだけで涙が溢れてくる。



俺は、我慢して学校に通っている。達也の遺言を叶えさせてあげるために。

『もし僕が死んじゃっても笑顔で、生きててね』

その時は何を言っているのか分からなかった。何度も問い詰めたが、『なんでもない』の一点張りだった。

それが伏線だったなんて知らなかった。


そこから、ずっと作り笑顔をし続けた。したくない笑顔を。笑顔をするたびに、優しい達也の笑顔が頭に浮かんでくる。

「大丈夫?」「無理しないでね」「相談してみたら」クラスメイトに心配された。

…言って何になる。大丈夫だったら作り笑顔をしてない。相談して軽くなるならもうしてる。

お前らに何が分かる。俺の辛さを。


達也の机には花が置いてある。死んだように。もう離してくれ。嫌だ。

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