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#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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鷹槻れん

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「梓沙、和葉さんと貴方の想い人の湊さんって……もう結婚してるみたいよ」
その瞬間、梓沙の表情がこれまで見たこともないほど歪んだ。
「……信じられない……」
それから怒りを押し殺すように呟いたあと梓沙は俯きながらぽつりと零す。
「父親にも内緒で籍を入れたなんて…………っとに、誰も役に立たないわね」
その言葉に里菜は思わず息を呑んだ。
自分が想像していた以上に梓沙が湊へ執着していることもそうだけど、何よりこれが梓沙の本性なのだと。
梓沙のそれは無意識だったのか顔を上げると里菜へ縋るように問いかけてきた。
「ねぇ里菜ちゃん、どうにかしてその女と湊さんを引き離したいの! どうすればいい!?」
「……梓沙」
里菜は困惑しながらも、 どうにか落ち着かせようとした。
「ねぇ梓沙、貴方が湊さんを好きな気持ちは分かるけど……相手が結婚してしまった以上、もうどうにもならないわよ」
「そんなことないわ! こうなれば、どうにかして湊さんに接触して既成事実を作ればいいのよ! あ、それか……その女をその辺の男に襲わせて湊さんと別れさせる。ねぇ、これならどうかな?」
あまりにも予想外の言葉に里菜は言葉を失った。
「梓沙……流石にそれはやりすぎよ。冷静になって?」
何とか考え直してもらおうとする里菜だったが梓沙は苛立ったように吐き捨てた。
「うるさいなぁ、旦那さんに不倫されてるくせに、偉そうなこと言わないでよ!」
「……っ」
思いがけず自分の家庭のことを持ち出された里菜は息を呑む。
「聞き分けのいい良い子ちゃんでいるから他の女に盗られるのよ? もう少し自分から行動しなきゃ駄目よ里菜ちゃん」
その言葉を聞いた瞬間、里菜の中で何かがすっと冷めていった。
これまで自分は梓沙のことを妹のように思っていた。
だからこそ間違った方向へ進もうとしているのなら止めてあげたいと思っていた。
けれど――もう無理なのかもしれない。
梓沙が自分をどう見ていたのか、自分の言葉がどれほど軽く扱われていたのか、それを思い知らされた気がしたから。
里菜は静かに息を吐くと梓沙を真っ直ぐ見つめ、
「……私のこと、そういう風に思ってたのね」
「え……?」
「もういいわ。正直今の梓沙の考えにはついていけないから……」
里菜は悲しげに目を伏せると最後にこう告げた。
「会うのは、これっきりにしましょう。さよなら」
そう言って里菜は梓沙の前から立ち去り、その日を境に二人が会うことはなくなった。
そして里菜はこれまで自分がしてしまったことを振り返り深く反省すると共に、今度は誰かの言葉に惑わされるのではなく自分自身の気持ちで和葉と向き合いたいと思い、里菜は新たな気持ちで和葉との関係を築こうとしていたのだった。
「ごめんなさい和葉さん……」
深く頭を下げて謝罪する里菜を前に、和葉はすぐに言葉を返せなかった。
少しの沈黙のあと静かに口を開く。
「……頭を上げて、里菜さん」
促された里菜はゆっくりと顔を上げたけれど、その表情には依然として申し訳なさが滲んでいる。
「ありがとう、話してくれて……」
「謝って許されることじゃないのは分かってる……けど、私には謝ることしか出来ないから……」
絞り出すような声でそう告げる里菜を前に和葉の心は複雑だった。
里菜が自分たちを探るような真似をしていたことは事実だけれど、その経緯を聞けば簡単に責めることも出来なかったから。
どう言葉を返すべきか迷っていたそのとき、
「和葉」
聞き慣れた声に振り向くと湊が二人の元へ歩いて来るところだった。
「湊さん……」
和葉が名を呼ぶと湊は彼女に一度視線を向けてから里菜へと向き直る。
「大内さん」
「は、はい……」
「すみません、先程の話は全て聞かせてもらいました」
「……そう、ですか」
里菜が気まずそうに視線を落とす中、湊は落ち着いた口調で言葉を続けていく。
「貴方に一つ、頼みがあります。聞いていただけますか?」
「私に出来ることがあれば……何でも言ってください」
「今から君嶋さんをここへ呼んでもらえますか?」
「え……?」
思いがけない頼みに里菜は目を見開いた。
「本人に直接話をしないと、この先も何をしてくるか分かりませんから、もうここで終わりにしたいんです。私が直接話をしたがっていると伝えてもらって構いません。お願い出来ますか?」
「…………分かりました」
里菜は小さく頷くと鞄からスマートフォンを取り出して梓沙へ連絡を取り始める。
その様子を見ていた和葉は隣に立つ湊を見上げた。
「湊さん……」
「大丈夫だ、俺に任せてほしい」
不安を察したのか湊は安心させるように和葉の顔を見つめた。
「きちんと話をして、これ以上何も出来ないようにするしかないんだ」
「……そうですね……」
和葉は不安を拭いきれないまま、それでも湊の言葉を受け入れるように頷いた。
「和葉は千宙たちと一緒に別の場所で待っているか?」
「いえ、私も一緒に会います」
「……分かった。じゃあ千宙に詩音たちを連れて近くのファミレスで待つように伝えてくるよ」
「はい」
和葉の意思を尊重するように頷くと湊は千宙たちのいるほうへと歩いていった。
コメント
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うわっ第83話…梓沙の本性ヤバすぎて鳥肌立った😱💦「その女を襲わせる」発言で里菜さんの目が覚めたシーン、ゾッとしたけどリアルだった…。里菜さんが自分の間違い認めて和葉さんに謝るところでじんときたよ😢💕湊さんが直接話つけに行く流れ、次どうなるの!?連載めっちゃ気になる〜!!🔥✨