「まず、漢字の成り立ちは象形文字、指示文字、会意文字、形声文字と4つあります。」
「は?」
「気持ちはわかりますけどキレないでください。」
「コホン、取り敢えず分かりやすい象形文字から説明しますね。象形文字とは、物の形をかたどって描かれた文字からなる文字体で……って言われてもわかりませんよね。えーと、絵で説明していきますね。」
比較的分かりやすい日、木、山の3つをピックアップして黒板に描き出す。黒板に書くとなるといつもの筆記体より大きくしなければならないので線がぶれっぶれだが人の前で授業なんて初めてで慣れていないので許してもらいたい……。
「こんな感じで、象形文字とは実際のもの、もしくは現象を真似て形として描かれた絵を簡略化したものです。絵文字から発展して生まれたものとされていますし、よく漢字は絵だと言われるのもこの為ですね。」
「文字なのに絵とは、不思議なものだな。」
「そう言われると確かに不思議だね。」
あ、ツノ太郎来てくれてたのか。今回私がこの授業の事知らなかったから前もって教えてあげられなかったからハブられてないか心配だったけど、ちゃんと伝わっていたようで安心した。
「えっと、次は指事文字について解説しますね。指事文字と言うのは数や物の名前、性質等の形に表せない様な抽象的なことがらを点や線の組み合わせで表した漢字です。」
「例えば、この上という漢字です。まず、基準線となる横棒を書き、この基準線より高いことを示す為に〇を書き足して上、逆の手順で下。」
「ほう、抽象的なことがらを“示した”文字だから指示文字なのか。」
「あっ、ジャミル先輩漢字変換が多分違ってます。私の世界でもよく間違えられるんですけどね、指示と言うのは誤りで本当は指事と言うのが正解なんです。」
「は?」
「いやだからキレられても………しょうがないじゃないですか、そうなってるんですから。……ん゙ん゙っ、一応説明としては漢字の造字法を表す六書の1つが指事で、指事…その造字法によって作られた文字を指事文字というらしいです。納得出来ないという顔をされてますがこれ以上説明出来ないので納得してください。」
「監督生ちゃん、造字法は何となくわかるけど、その六書ってのは何?」
「あ、すみません。不要かと思って言ってませんでした…。六書というのはですね、漢字の成り立ちや用い方を象形、指事、会意、形声、転注、仮借の6つに分類したもの事です。6つ全部説明してもいいんですけど、それだと流石に多いし転注と仮借はあまり知られてないので私じゃ録な説明も出来ないですし……。」
「要するに6つ全て書くのは作者の知識があまりに足りないのとそれを書く語彙がないからですね。それならざっくりでいいので説明して貰えませんか?」
「アズール先輩メタい事言うのやめてください。転注はある漢字の意味を他の意味に転用すること。仮借は音だけあって文字のない言葉を書くのに、同じ音の別の意味の字を借りてあてたもの。これで大丈夫ですか?」
「大丈夫です。普通に説明出来るじゃないですか。」
「G○○gle先生に教えて貰ったので。」
「それ伏字の意味あります?」
こういうのは形が大事なので大丈夫です。伏せれていようがいまいが伏せ字にしたという事実さえあれば大丈夫だ。多分。コホンと大袈裟に咳をつき、会意文字について説明をする。分かりやすくする為の絵を黒板に書いていると、ふと視界の端に白い煙が立っているのが見えた。なんだあれ。不思議に思いそちらへ目を向けると、そこらかしこに?を飛ばすデュースが居た。
「?????????」
「あ、デュースがパンクした。」
「頭から湯気が出てるんだゾ!?」
「おい、大丈夫かよ。」
「デュースクン、頑張ってたけどとうとうパンクしちゃったか……。」
「確かに4つもあるからややこしいもんね……でも後2つあるしこれはなんでこういう字体になったのか説明しているだけで他にも教える事が色々あるから頑張ってね。因みにエースは平気そうだけど理解してる?」
「3分の1くらいは。」
「半分も理解してないんかい。まぁいいや、後で噛み砕いて説明してあげるから」
「人間!!!!!若様が授業を楽しんでおられるんだぞ!!!!!!早く進めろ!!!!!!!!」
「ア゙(耳が死ぬ音)」
「ごめん!でも獣人の方々死んでるから音量1セベクくらいに抑えて!!」
「僕を勝手に音の単位にするな!!!!!!!!!!!」
「セベクうるさい」
「申し訳ありません若様!!!!!!!」
人間の私でも耳がキーンとする程の爆音で怒鳴られ、近くにいた人はもちろんの事、教室の隅っこにいる獣人の方までもダウンした。セベクの近くに座っていたエース達が両手で耳を抑え苦しそうしている。……あれ、グリム気ぃ失ってない????
「」
「あ、グリムが逝ったぞ。」
「惜しい猫を亡くしたね……。」
「ついでにジャックも逝ったな。良かったなセベクダブルキルだぞw」
「お前達、今は授業中だ、静かにしろ!でないと首をはねてしまうよ!!」
「おいクソトカゲ。てめぇは従者の躾すら出来ねぇのか?」
「にゃーにゃー喧しいな、猫は静かにする事すら出来ないのか?」
「俺もう飽きたー。小エビちゃんの授業だから来たけどつまんねーし寝よ。」
あーあーあー………皆集中力切れてきちゃってるな。喧嘩始めてるし、フロイド先輩に至っては堂々と寝てるし。まぁ仕方ないか、0から知識を詰め込んでるから頭も疲れるしね。そろそろ時間もいい頃だし一旦区切りにするか……。
「そろそろ時間ですので、少し早いですが終わりにしましょう。本当は4つ全部説明しときたかったんですが……ぐだぐだですみません。誰かとは言いませんが連絡ミスのせいで準備が出来なかったものですから。誰とは言いませんが。続きはまた別の日にしましょう。後日になりますが、今日受講して下さった皆さんに今日習った事をプリントで渡しますので、次も授業を受ける人はそれを持ってきてくださいね。」
「ちょ、監督生さん!?それ私の事ですよね!?」
「自分は誰と入っていませんよ。そう感じるのは心当たりがあるからでは????」
「うぐっ……。」
「はい、鴉は放っておいて解散にしましょう。ありがとうございました。」
5話目終了しました!!!!後1話くらいで完結予定。1話目から見ると一人称とか色々変な所ありますが生暖かい目で見てやってください。スランプで全然手付けられなかったし進みくっそ遅かった。ナメクジ以下だった。後半漢字関係ないし殆ど会話だけじゃん………。色々中途半端ですみません。
ご覧いただきありがとうございました。
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続きが読みたいな~