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俺は家を出た。
ハヴァマールとアルフレッドに家を任せ、ひとりで『木材』集め。
周囲が暗すぎるので、キャンプファイヤーを緊急で設置。ひたすら、ゲイルチュールを振り、木々を伐採。その甲斐あり、木材が『230個』も集まった。腕がパンパンだ。
トゲトゲバリケードは、要は木のバリケード。先っちょが槍のように細く、鋭利になっているヤツ。
[トゲトゲバリケード]
[防衛設備]
[耐久値:50]
[効果]
木材10個を消費し、バリケードを設置する。モンスターなどの侵入から身を守れる。特定のモンスターに破壊される場合がある。
俺は、これを家を囲むように設置。これでもうモンスターは入って来れないはずだ。……さて、もう夜が明けてしまう。寝よう。
◆
目覚めると、自室ではなくリビングにあるスライムクッションの上だった。どうやら、俺は玄関で倒れて、そのまま眠っていたらしい。その後、誰かがここまで運んでくれたようだが……。
「お目覚めですか、ラスティ様」
「よう、アルフレッド」
「明け方、玄関の前で倒れられていたのを発見したので、そちらの奇怪なクッションの上に移動しておきました」
「そうか。今は昼か?」
「ええ、昼前ですな。それより、ラスティ様……なぜ無茶をなされたのです」
「昨晩、ゴブリンに襲われた。それ故に、早急に家周辺を固める必要があった。だからだ」
「そ、そうでありましたか。ですが、御身が第一。どうかご自愛下さいますよう」
めちゃくちゃ心配してくれるアルフレッド。そうだな、自分の身を滅ぼしても逆に周囲に迷惑を掛けるだけだ。健康が一番なのだ。以降は気をつけよう。
起き上がって体を伸ばす。
「ところで、スコルとハヴァマールの姿がないが、部屋か?」
「ハヴァマール様はお部屋にいるそうです。スコル様は、温泉ですな」
スコルはまた温泉か。
綺麗好きなのか温泉好きなのか。
多分、どっちもだな。
それじゃあ、邪魔するわけにもいかないし……朝食にするか――と、台所へ向かおうとしたその時。
『――――』
いきなり手が痺れ、背筋が凍った。
「……な、なんだ?」
昨日の疲れか? それにしても、おかしい。これはまるで“警鐘”に近い。嫌な予感がする。
「兄上、それは無人島開発スキルが反応しているのだ」
二階から降りてくるハヴァマール。
「スキルが、反応?」
「そうだ。恐らく外部からの侵入者。兄上が許さんとする相手が無人島に踏み入れた場合、そのような反応を示す」
マジか!!
だとすれば……スコルが危ない!!
直後、悲鳴が上がった。
『きゃああああああ……!!!』
この声は、スコルだ。
昨日といい、アイツはどうしてトラブルに巻き込まれやすいんだ!!
俺は急いで家を出た。
すると、そこには見覚えのある顔が。裸のスコルを捕らえて人質にする複数の男達の姿があった。……くそ、もうこの島を特定されたのか。