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あなたを信じていた
いや、あなたもしたくてしたわけじゃないのはわかっているし、仕方のないことなのもわかっている
俺は物心つく前からあなたと一緒にいた
多少の文句や不満はあれど、それを疑問に思うことは今の今までなかった
あなたのために名前を変えた
あなたのために幾度も出兵した
そして、あなたのために俺はここにいた
正直なところ、デンマークにあなたが実質的な支配をされていたときは嬉しくて仕方がなかった
俺はそのおかげであなたからの支配が軽くなったのだから
それなのに、心に穴が空いたような気持ちもあった
あなたが屈服する姿なんて見たくなかった
少なくとも俺が従っている国のそんな姿を
でもあなたが大人しくするわけがなかった
あなたは同盟を抜けた
それでこそ俺が思うあなただった
その後、何度も何度も俺はあなたと勝利を重ねた
あなたの”仲間”として、俺は誇らしかった
そこで大きな災いが起こった
ナポレオン戦争
あなたに選択肢はなかった
でも初めはその選択が最善に思えた
ロシアが敵にならなければ
誰が想像しただろう
俺ないしはあなたが苦しい状況だったのはわかっていた
俺もこれまでにないほどに本気で抗った
結果は俺たちの負け
あなたがいるというのにこんなに派手に負けるとは思いもしなかった
条約を結ぶときのあなたの顔を忘れることができない
目が合った
あなたがあんな顔をするなんて
俺は勝つと信じて、あなたを信じて、最後まで戦った
あなたは俺をロシアに引き渡した
したくてしたわけじゃないのはわかっているけれど、それでも……
こっちの生活は思った通り最悪だ
自治権はないし文化だって否定される
あなたが恋しい
何度も思った
よく窓越しにあなたを眺める
まだ戦争をしているようだ
……
聞くところによると失った俺の代わりにノルウェーを奪取しようとしているようだ
あなたらしい
俺があなたのどのぐらいを占めていたのかはわからないが、あなたにとっても俺は大事な存在だったようで少し、安心した
マスター