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君の隣は俺のモノ
桜愛され+女体化
最新話までのキャラや内容のネタバレを含む内容が多いです
風鈴+獅子頭連+etc…の人達に心を開き始めて素直になってきた桜が出てきます
書いてる人はぽわぽわふわふわ女子が好きなので桜の性格がふわっとしている可能性があります
それでもいいよ、なんでもいいよという人向け
綿あめみたいな恋をして
「桜ぁ、一緒に夏祭り行かない?」
「…あ?夏祭り?」
ここは獅子頭連本拠地のオリ、風鈴との関係が良好になった今、たびたび梅宮や柊、そして桜などとの交流会が開かれるようになった。そして今日は獅子頭連頭取、兎耳山丁子にお呼ばれされ梅宮と共に桜が来ていた。
桜は十亀からラムネを渡され横並びで話をしていると急に十亀が真剣な顔をしだして夏祭りへのお誘いが来た。
ちなみに梅宮は兎耳山に腕を引かれてどこかへ行ってしまった。十亀曰く近くの店に焼き鳥を買いに行ったんだろうということだった。
「夏祭り…ってあれか?屋台とかが出て花火が上がるヤツ」
「うん、そうだよぉ。行ったことない?」
おぅ、という言葉と共に桜が小さく頷く。深くは知らないがおそらくあまり良いとは言えない環境で育った桜なら行ったことがないんじゃないかと思っていた十亀はこの返答に対しそっかぁ。とにこやかに返答した。
「行ったことないならなおさら一緒に行こうよ、美味しいもの沢山あるから気に入ると思うなぁ」
「い、行きてぇ…けどお前手伝いとかねぇのかよ?前にこういうの手伝ったりしてるって言ってただろ?」
「今回は準備と片付けの手伝いだから大丈夫だよ」
それに…好きな子とデートしてこい!って背中押されちゃったからねぇ、と、心の中で呟く。そう、本当は当日屋台の手伝いもする予定だったのだが普段十亀が桜にアタックしていることを知っている屋台のおじちゃんやおばちゃん達によって背中を押され今回は準備と片付けの手伝いのみになったのだ。
「…それで…どう?」
「…行く」
十亀条、桜とのデート券を獲ました。
十亀は内心ガッツポーズをした。
祭り当日
(わ〜、ちょっと早くきちゃったかなぁ。ソワソワしちゃう)
「ーー、なっ、は、早くねぇか?!」
「!さく、ら、ぁ?」
そこには緑色を基調とした浴衣を身につけている桜が立っていた。
「悪ぃ、待たせたか?」
「あ、うん、待ってないよぉ。えと、それより桜その格好、どうしたの?」
桜がはっ、としたように顔を赤く染め、下を向きながら話し出す
「こっ、これは!ことはに祭りに行くって行ったら浴衣着てけって言われたから借りただけだからな!!?!??け、決して浮かれてるとかでは…」
最後のほうはごにょごにょと声が小さくなって行ったが十亀はとりあえず、ことはにありがとぉ、梅宮の妹さん〜と心の中で手を合わせた。
「そっか、似合ってるよ。髪も簪刺してるの?綺麗だねぇ 」
「かっ、、髪、は、椿野にやってもらった…」
桜は下を向いて目線をうろちょろさせている。いっぱい褒められて照れているらしい。桜が嬉しそうなので十亀も嬉しくなった。
「ふふっ、良かったね。それじゃあそろそろ行こっかぁ。屋台いっぱいあるからさ」
「お、ぅ」
まだまだ顔は赤いままだが それでも2人で祭りを堪能することができた。それにいっぱい食べれたし。そしてそろそろ花火が上がるだろう時間が迫ってきていたので、人気は少ないが花火がよく見えるという穴場スポットに移動してきた。だが、 桜は今イカ焼きを食べ終わり今度は綿あめに手をつけ始めた。ちぎっては口に入れ、ちぎっては口に入れ…と、そんな花より団子状態な桜を見てふふっと思わず笑みが零れた。
「あ?んだよ」
「ふふっ、なんでもなーい」
なんでもないと言いながら桜を見つめるのは辞めない。そんな十亀に思うところがあったのか思いついたような顔をして綿あめをちぎり出した。そして、桜はちぎった綿あめをこちらに差し出してきた。
「んっ!」
「…えぇ、桜、どういうことぉ?」
「あ?お前綿あめ食いたくてこっちみてたんじゃねぇのかよ?」
なるほど、見つめているのを綿あめを食べたがっていると勘違いされたらしい。実際には桜を見ていたのだが…どうしようかと少し悩んでいると、痺れを切らした桜が口元まで綿あめを持ってきた。ここまで来ると食べない訳には行かない。俺は大口を開けて綿あめを食べるふと、これは俗に言うあーんでは?と気づき桜をチラと見た。それと同時に花火も一発目が上がったらしい。辺りが明るく照らされる。そして桜の顔を照らした。その時桜は微笑んでいた。
ドクンッと、心臓が脈を打つ。桜は初めて会った時に比べてよく表情が動くようになった。でも、笑顔を見たのは初めてだったのだ。
まだドクドクと脈打つ心臓と、それによって汗が流れ始めたのを感じる。
もうとっくに桜は花火へと意識を向けているのに俺はまだ桜の顔から視線を外せない。もう桜は笑っていないのに、こちらを向いていないのに、とても魅力的な顔を見て思わずゴクリと喉を鳴らす。
もうとっくに口の中で溶けた綿あめが喉に流れて行くのを感じだ。
(…ホント、甘いなぁ…)
END