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向こうから聞こえる。
人の音とは違う音。
音の聞こえる方へ向かう。
道はなく辺り一面花や緑の草などで埋め尽くされている。
花は、踏まないよう意識しても無理なくらい多い。
ここはどこだ
景色はいいのに人気が一切ない。
SNSで投稿されてバズってもまったくおかしくない程綺麗なのに。自分はほんの少し勿体なさを感じる。
しかしこの綺麗な場所にただ一人自分だけいると思うと、ここを独占しているように感じ優越感を覚える。
柔らかい風が自分を包みこみ、強すぎない程度に日光を浴びる。そして幻想的とは言えないがどこか儚さを感じる景色で一つの音が聞こえる。
近頃自分は学業やら部活やら人間関係やらで色々あり、良く言えば充実、悪く言えば多忙な毎日を送っていた。おかげで精神的に参ってしまい睡眠不足になり、頭痛と眩暈が酷い。
そんな自分にとってここは、ある一種の楽園のように感じた。不思議なことに植物に囲まれてるのにも関わらず、虫の気配が一切ない。
着いた。
音の正体はある小川。
言葉の通りそよそよと流れている。
この川はいったいどこに繋がっているのだろう。
そう気になった自分は、川の流れる先まで向かった。
普段ならそんな無意味なことは一切しないのに、珍しく今はそれを行なっている。
やはり自分はかなり疲れていたのだなと身に沁みる。
ザッザッザッ。花を踏み潰すことにほんのわずかな申し訳なさを感じる。
花だってずっと綺麗なままでいたいだろうに、こんな醜くて精神疲労の人間に踏まれるなんて非常に遺憾だろう。
しかし、こちらもそれなりの事情がある。そう自分に言い訳して川の流れる方へ行く。
嘘だ。
何故。何故あなたがいる。
あなたは今、こんな綺麗な所にいるはずない。
やめろ。なんでなのか分からないけどそこへ行かないでくれ。
駄目だ。なんでなのか分からないけどその川行かないでくれ。
自分のよく分からない抵抗は虚しく、あなたは川へ入ろうとする。
すると突然、川からナニかが現れた。
見た目は船かもしれないが、なにか違う。
なんとなく自分は、あなたがその船らしきものに乗ってどこかへ向かう気がする。
行き先は、知らない。
だけど二度と会うことができないかもしれない。
置いていかないで。
必死に自分はそう叫ぶ。たとえ喉が枯れようとも自分は戻るよう促す。
船は動き出す。
無理矢理にでもあなたを戻すために自分はその船に乗ろうとする。
しかし何故か自分はその船に乗れない。乗ろうとした途端、跳ね返された。
こうして自分は船に乗ることもできずあなたとの距離が更に離れる。
もうあなたは戻れない。そう察した自分は泣き叫ぶ。多分この生涯の中で一番泣き叫んだと思う。
だんだんとあなたの姿が薄くなり、最後にあなたは自分の方へ振り返り優しい笑みを浮かべた。
先程まで自分の声の騒がしさで埋め尽くされていた景色は、また川の流れる静かな音で埋まる。
目を覚ます。明るい太陽に包まれて、少し遠い先に車の走る音が聞こえる。
静かで穏やかな日が今日は始まる予感がする。
そう思い自分はベットから降りた途端、微かに泣き声が聞こえた。
声の主は母だった。
母は涙を浮かべ、自分に伝える。
自分の部屋は、泣き声と近くに流れる川の音で埋め尽くされる。
伝えます。
この夢は自分の祖母が天国へ行った日に見ました。何故か自分はその綺麗な景色にいて、川に祖母がいて、祖母がその川の先まで向かって、なんかやばいと思った自分はその川まで行った。けど入れなかったし、何故か祖母にこっちくんなとか言われました。
それで目を覚まして、目の前で母が泣いてました。その日は晴れてて、車の走る音も聞こえて、近くに流れる川の音が聞こえました。
昨日、急に祖母のことを学校で思い出しちゃったから泣いてしまい、クラスメイトに心配かけました()