TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君の全部をもらっても足りない

一覧ページ

「君の全部をもらっても足りない」のメインビジュアル

君の全部をもらっても足りない

1 - 足りない、を知った日

♥

2

2025年08月06日

シェアするシェアする
報告する

静かだった。ただ、その静けさは安心のそれじゃなくて、呼吸の音すらうるさいような、息を潜める静けさだった。


いつからだろう。

母の機嫌に、心臓が跳ねるようになったのは。


テレビの音が少しでも大きいと怒鳴られ、

お皿を落としたら無言で叩かれる。

「うるさい」「気が利かない」「何のために生きてるの?」


そんな言葉を、何度も、何度も浴びせられてきた。


義父の健二さんは、「まぁまぁ」って言ってくれた。

手は出さなかった。だけど、守ってもくれなかった。


……僕は、

誰にも愛されてないと思ってた。


だから、

凛に出会ったとき、息が止まりそうになったんだ。


優しいなんて言葉じゃ足りない。

あの人は、僕を見てくれた。

触れてくれた。

ちゃんと、名前を呼んでくれた。


それだけで、嬉しくて。

苦しくて。


「……ねぇ、凛」


僕、君の全部をもらっても、

きっと……足りない。




next ♡1

君の全部をもらっても足りない

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚