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「カレラ君、君は異常だ。」
目を覚まして最初に聞こえたのは、そんな言葉だった。
頭が重い。視界がぼやけて、まるで霧の中にいるようだ。
目を開けようとすると、ひどく瞼が重たかった。
喉が焼けるように渇いている。
次の瞬間、胃の奥からこみ上げてくる猛烈な吐き気に襲われた。
胸を締めつける不快感とともに、何かが喉までせり上がる。
気持ちが悪い。息が詰まりそうだ。
――何かを、喰らった感覚が残っている。
頭の中を駆け巡る記憶。
記憶。
記憶……?
「……ッ!」
脳が軋むように痛む。断片的な映像が浮かんでは霧散する。
血の匂い。温もり。何かを噛み砕く感触。
誰かが、叫んでいた。
「……村は?」
掠れた声で尋ねる。答えは返ってこなかった。
目の前に立つ男を見上げる。
白い制服。冷たい瞳。
男は、もう一度ゆっくりと言った。
「カレラ君、君は異常だ。」
その声だけが、やけに鮮明に響いた。
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「えー皆さんも知っての通り、ここ『十字騎士』は感染した吸血鬼を保護、治癒するために作られた特殊組織です。」
整然と並ぶ新たなデットマンたちの前で、一人の監視官が淡々と説明を続ける。
「ワクチンによって回復したとはいえ、君たちは普通の人間とは違う。『アンデット』に対して免疫を持ち、かつその能力を残した者たち。デッドマンとして執行官の任を負い、吸血鬼の制圧、または殲滅を行うことが使命となる。」
その声は冷静だが、どこか冷徹な響きを帯びていた。
すると、横に立つ女性の監視官が鋭く告げる。
「明日が、お前たちの初任務だ。心してかかるように!」
「「はい!!」」
彼女の声に、新兵たちが一斉に声を揃える。
「明日ここに集合した際、血液パックを配布する。欠乏すると判断力が鈍る。各自準備を怠るな。」
その一言が、新兵たちの間に再び緊張感を走らせた。
「解散!」
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「カーレラ」
背後から近寄る影。カレラの肩に手が回る。
「ケイ君!」
「今日の集まり、来てたんだな。明日の作戦に行く気になったのか?」
カレラは苦笑いを浮かべながら、静かに首を振った。
「違うよ……さっきの女性の監視官に見つかって、無理やり連れてこられたんだ……」
「あの人ならやるなー。」
ケイは笑いながら言う。
「僕は戦いたくないって、ずっと言ってるのに……」
カレラの声は小さい。それを聞いて、ケイは口を開きかけたが、言葉を呑み込んだ。
そんな気まずい空気を破ったのは、軽薄な声だった。
「そーだねぇ。」
「カレラ君はお留守番してた方がいいよぉ。」
お調子者のレンが、肩をすくめながらカレラを煽る。
「レン。なんでお前はそうカレラに突っかかるんだ。」
ケイがカレラとレンの間に入り、睨むように問いかける。
「いやいやぁ!突っかかりたくもなるでしょぉよ。デットマンのくせに吸血鬼と戦うこともできない臆病者が作戦に参加するなんて、自殺しに行くようなもんでしょ!」
「そんな言い方ないだろう!!」
ケイの声が鋭くなる。
レンは肩をすくめたまま、挑発的に笑う。
「なぁに、やる気?別にいいけど、明日いけなくなっても知らないよぉ?」
「どっちがな……」
二人が睨み合い、一触即発の空気が張り詰めた。
しかし、次の瞬間——
「お前ら!喧嘩はいい加減にしろ!!」
二人の頭を容赦なく掴み、お互いの額をぶつける者がいた。
「いてぇ!!」
「お前……レオナ……!」
女性の監視官、レオナ・ヴェルナー。
金色の瞳を持つ彼女は、腕組みをしながら呆れ顔で二人を見下ろす。
「新兵同士で争ってどうする。敵はお前らじゃなく、外にいる吸血鬼どもだろうが。」
その言葉に、二人は口をつぐむ。
「ケイ、レン。お前らもデットマンなら、無駄な衝突をするな。明日は初任務だぞ。」
「……チッ。」
レンは舌打ちし、肩を回しながらその場を離れた。
カレラは俯いたまま、そっと拳を握る。
それが、どれほど恐ろしいことか分かっているのに。
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白い制服を着た男が言う。
「デットマンに残された吸血鬼の力は『覚醒』により発現できます。さらに血を飲むことにより飛躍的に…カレラ君、大丈夫かい?」
なんなんだ、この記憶は?
「ウプッ!!」
「お゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛…」
ゲホッゲホッ
喉の奥からこみ上げる吐き気が止まらない。
胃の中のものをすべて吐き出しても足りないほどの感覚。
脳内を駆け巡るのは、真っ赤に染まった景色と、人の形をした干からびた肉塊。
「混乱するのも仕方がない。デットマンであるということは、感染中に吸血したということだ。しかも、通常の感染中の平均捕食数は3〜5人程度だが…」
何を言っている?
僕はそんなこと…
いや、でも、
さっきまでの出来事のように、鮮明に蘇る。
「村に生存者はなく、干からびた死体が大量にあった。彼は推定100人以上の人間を吸血したと結果が出た。」
「……は?」
声にならない。
脳が、理解を拒む。
「カレラ君、君は異常だ。」
最初に言われた言葉が、今になって鋭く胸に突き刺さる。
「通常、吸血衝動に抗うことができた者は、比較的少ない捕食で済む。しかし、君は違う。完全に理性を失い、意識が戻ったときには村が消えていた。」
理解できない。
「君は、デットマンの中でも異端だ。十字騎士として生きる道は与えられたが、君の過去は決して消えない。」
ただ、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
耳鳴りがする。
手が震える。
「僕は…そんなこと……してない……」
「……どうして……どうして僕だけ……!」
叫びたかった。
でも、声は掠れて、何も言えなかった。
『大喰らい』
それが、僕のもう一つの名前だった。
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「ってぇー…」
ケイがぶつけたところをさすりながら言う
「カレラさぁ なんで言い返さなかったんだよ。」
カレラが階段に腰掛けながら言う
「だって本当のことだから…僕は臆病者だ。」
「悔しくない?見返してやりたいって思わないのか?」
ケイが優しく問う。
「…」
カレラが俯く。
「俺は思った!」
「だから執行官になったんだ。」
「デットマンは強制執行官でしょ…」
カレラがつっこむ。
「俺たちデットマンってさ、なりたくてなったわけじゃないだろう?」
ケイがカレラの隣に座りながら続ける。
「みーんな可哀想とか怖いとか勝手なこと言ってさ。悔しいだろう?」
カレラが顔を上げる。
「でもここは違うじゃん!ここはヒーローになれる場所だ!」
「執行官が吸血鬼を制圧して、回収班が回収、治療班が治療する。」
ケイが空を指差しながら言う。
「未感染者を守るのも、感染者を救うのも、第一歩は執行官が、俺たちデットマンが踏み出すんだぜ!」
「…っ僕も…」
いや…僕には…
「応援してるよ。ケイ君のこと。」
カレラが言葉を飲み込み応える。
「まぁなんだ!明日頑張ろうな。」
ケイが優しく微笑みかける。
僕はヒーローになんかなれないんだろう…
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薄暗い中、白い制服を着た5人が円卓を囲み議論している。
「あのカレラという新人。彼はすごい人数吸血したそうじゃないですか?」
「しかもその時の記憶がかなり鮮明にあるそうだ。」
「まさか!感染中の記憶があるだなんて聞いたことがない!」
「本当に完治しているのか?」
「彼は異常だ」
「彼が本当に完治しているのか、あの力を使いこなせるのか、確認する必要があるな。」
「まさか…あれを使う気ですか!?」
「まだ実験段階ですよ!?」
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次の日。
「遅かったな、カレラ! 来ないかと思ったぞ」
ケイがカレラの背中を軽く叩く。勢いに少しよろけながら、カレラは苦笑した。
「あぁ? カレラ君来たの? 寮でぶるぶる震えてると思ったのにぃ」
レンが口角を吊り上げて笑う。悪意というより、単なる挑発なのは分かっている。それでも、カレラは何も言い返せずに目を逸らした。
「……僕も、悔しかったから」
照れくさそうに言うと、ケイの顔がパッと明るくなる。
「いいね! 見返してやろう!」
カレラの胸の内に、わずかに温かいものが灯る。
「さぁ、車両に乗り込め!」
レオナ監視官の鋭い声が響く。カレラは軽く息を吐き、車両へと足を踏み入れた。
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車両の中。
ゴトン、ゴトン……。
一定のリズムで車両が揺れる。そのたびに、カレラの胃の奥が締めつけられるような感覚に襲われた。
(息が……詰まりそうだ……)
額にはじっとりと汗が滲んでいる。指先は冷え切って震えていた。
「カレラ、大丈夫か?」
隣に座るケイが心配そうに覗き込む。カレラは小さく頷くだけで、まともに返事ができなかった。
「お前が襲われても、助けてやんないからな〜」
向かいの席に座るレンが、ニヤリと笑いながら言う。その言葉が、重苦しい胸の内をさらに押し潰した。
「うるさいぞ、お前ら」
不意に前方の扉が開き、レオナ監視官が姿を現した。鋭い目つきで皆を見渡しながら、手短に説明を始める。
「もうすぐ感染区域に到着する。その前に、作戦の確認だ」
場の空気が一気に引き締まる。
「お前たちは二つのチームに分かれて地域を回る。チームは執行官二名、監視官一名の三人編成だ。監視官の指示に従い、勝手な行動は絶対にするな」
カレラは浅く息を吸い、無意識に拳を握りしめた。自分がこの作戦で何をすべきなのか、考えるほど不安ばかりが膨らんでいく。
「チーム1、ケイ、カレラ、ヤサカ」
レオナが告げる。
「チーム2、レン、ユウマ、そして私だ」
ヤサカ監視官とは面識がないが、ケイと同じチームでホッとする。しかし同時に不安も募る。自分が足を引っ張らないだろうか。
「さぁ着いたぞ」
車両が停まり、後部ドアが開く。
「ここから先はお待ちかね、感染区域だ」
外に足を踏み出した瞬間、異様な空気がカレラを包んだ。
冷たい風に紛れて、鉄のような匂いが鼻を刺す。
目の前には、崩れかけた建物。ひび割れたアスファルト。人気のない街。
まるで、死んだ都市のようだった。
「……」
カレラは無意識に喉を鳴らし、乾いた唾を飲み込む。
(俺は……ここで戦うのか……?)
胸が高鳴る。
しかし、それは決して期待や興奮ではなかった。
ただ、恐怖が、そこにあった。
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「ここが感染区域…ずいぶん荒廃しているな。」
ケイが周りを見渡しながら言う
感染中の記憶通りだ…
「で、ここからどうするリーダー?」
ヤサカ監視官が口を開く。
「基地方面には別チームがあるから反対方向に進んでいく。」
「相手は患者でもあるけど、身体能力で言えばあっちの方が優れている。」
「殺す気でかかるように…ってことでよろしくね〜」
この言葉がカレラの不安をさらに募らせる。
「おう」
ケイが元気よく返事をする。
少し歩いたころヤサカ監視官が突然声を上げる。
「見てあれ!感染者だ!」
監視官が指を刺したところに1人の吸血鬼がいた。
ケイは素早く血液パックを取り出し、血液を飲み覚醒し、監視官は銃を構える。
カレラはと言うと、足がすくんで動けない
ケイは素早く吸血鬼に向かって刀を薙ぎ払う。
「…っ!!」
しかし吸血鬼はこの攻撃をあっさりと飛んでかわす。ケイは素早く体制を整え相手の腹目掛けて切りつける。
「これでどうだ!」
吸血鬼は腹から大量に血を流し倒れる。
(すごい…!本当にヒーローみたいだ。)
(でも僕は足がすくんで動けなかった…吸血鬼が怖いからじゃない。)
記憶の自分を見ているようだったから…
(僕はなんでここにいるんだろう…)
「実際見るとエグいな!これでも死んでいないんだろう?」
ケイがヤサカ監視官に聞く。
「吸血鬼と呼ばれる大きな要因は吸血行為にあるけれど死なない体ってところも大きいね。」
ヤサカ監視官が動かなくなった吸血鬼にワクチンとIDタグをつけながら続ける。
「正しく言えば驚異的な再生能力。再生活動中は動けないから、致命傷を負わせてからその間に治療するんだ。」
「取り敢えず一体だね…ってこれ授業で習ったはずだよね〜?まあいいや次を探そう。」
作業を終えたヤサカ監視官が立ち上がる。
「あっ、あのさぁ…」
2人の後ろからカレラが言う。
「やっぱり僕には無理だ…」
「このままここにいても足手纏いになる。基地に戻るよ…」
「はぁ!?今更何言って…」
ヤサカ監視官が困惑したように声を出す。
ケイがカレラに近寄り手を振り上げる。
カレラは身構えるが、その予想は外れそっと肩に手を置く。
「…わかったよ」
「それじゃあ一旦、基地に戻りましょう。…実は僕も忘れ物をしてね。」
ヤサカ監視官が空気を和ませるように言った。
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「おぉらぁあっっ!!」
レンが荒々しく声を上げ、吸血鬼を切りつける。
「元気いっぱいだね〜」
「ケイのチームより多くかってやんだよぉ!次だ次〜!!」
「無理じゃね?ケイって俺たちの中で一番強いし。あ、でもあっちにはカレラがいんじゃん。」
ユウマが息を切らしながら言う。
レオナ監視官が言葉を遮るように言う。
「お前たち、雑談はほどほどにして周りの警戒を……」
「なんだこいつは?」
こちらを見ている2人の後ろに巨大な影がぼんやりとこちらを見ていた。
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「「γ」やつは人為的に作られた吸血鬼だ。この実験は感染者に血を与え続けて故意に「要驚異個体」を作り、より強いデットマンを作ることを目的にしている。」
「彼が「γ」を倒して、もし適応したら?」
「我々にとって強力な兵器になるわけだ。」
「そんなやつを放ったら執行官や監視官が危険では?」
「何を言っている。今までにない強力な兵器を作れるかもしれないんだ。多少のリスクは承知の上だ。」
男がニヤリと口角を歪める。
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「なんなんだこいつは!?」
次の瞬間、ユウマが壁に突き飛ばされる。
レンとレオナが距離を取る。
γは口角を上げ、笑っているようだ。
「私はユウマを連れてここから離脱する。レン、時間を稼いでくれ。」
レンが険しい表情をし、血液パックを加えながら応える。
「くそっ!やるしかねぇか。」
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「ケイ君…怒ってるよね…」
カレラが俯きながら言った。
「なんで俺がカレラに怒るんだ?」
ケイが前を向きながら応える。
「だって…」
「カレラが勝手に後ろめたくなってるだけだろう。俺はむしろ呆れているよ。」
ケイがカレラの言葉を遮るように言った。
「…」
「なぁカレラどうして戦わないんだ?そんなに吸血鬼が怖いのか?」
「ちがう…僕が怖いのは自分だ。自分の中の吸血鬼だ。」
「…僕には感染中の記憶がある…」
「それなら俺にも…」
「全部だ。全部覚えているんだよ。血の匂い、肉の食感…ずっとずっと苦しくてやっとの思いで吸血鬼から解放されたと思ったのについ昨日自分が人を襲ったみたいに思い出すんだ。」
ケイの言葉を遮り続ける。
「その時と同じ力を使ったら自分が自分じゃなくなる気がして、たまらなく怖くなるんだ…!」
「カレラ……すまんが俺にはその気持ちさっぱりわからん!!」
「えぇ!?」
元気よく応えるケイに驚愕するカレラ
「確かにそれは辛い記憶だ。でも覚えてないよりよっぽどいい。」
カレラに目を合わせて言う。
「お前は自分がした過ちを自分で救うことができる!それは俺たちにはできないことだ!」
「俺は…きっと皆んなも自分の覚えていない過ちをずっと悔いで生きている。」
「だからこそ戦うんだ!1人でも多く救うために!」
「僕…100人もの人を襲ったんだ…その全員を救う…?」
「100人いや1000人だって救えるさ!俺たちにはその力がある。」
カレラの両肩に手を置きまっすぐ目を見て言った。
「僕は…」
ドゴォォォン
カレラの言葉を騒音がかき消す。
「なんだ…!?」
「レンのチームの方だ!」
「2人は先に行って!僕も後から行く!」
ヤサカ監視官が声を荒げる。
2人が走り出す。
「「!!」」
「ケタケタケタケタケタケタ」
恐ろしい見た目をしたそれはレンの首を鷲掴みにし不敵な笑みを浮かべている。
レンの腕は曲がらない方向に曲がっている。
「なっ…!」
助けなきゃ!…でも僕に何ができる…?
「カレラ!危ない…ッッ!」
ケンがカレラを突き飛ばす。
「それ」は恐ろしく早い動きでケンを切りつけた。
「ケン君…ッッッ!!!」
カレラは急いでケンを引きずり物陰に隠れる
僕のせいだ…!
「カレラっ…」
カレラの腕を掴む。
「お前はなんでここにいる。何かを変えたいからここに来た。違うか?」
僕はなんでここにいるんだろう…
「僕でも…ヒーローになれるかな?」
「なれるさ」
カレラに微笑みかける。
カレラは物陰から飛び出しγに走り出す。
「カレラ…何でお前が…っ!」
レンが掠れた声を出す。
ずっと怖かった。
吸血鬼の自分と人間の自分が混ざり合うのが吸血鬼に飲み込まれてしまうんじゃないかって
「お前に何ができる!」
でも違った。
僕は今から
新しい自分(ヒーロー)になるんだ!
血液を飲み覚醒したカレラが高く飛び上がる。
「高っ!?」
「グオッ!!」
相手の攻撃を刀でいなし、地面に落ちる前にレンを掴んでいる腕を切り落とし、足を切る。
(はやい…!)
(初めての覚醒だとは思えない動き…)
2人が驚愕する
「カレラ君どうして…」
「グオォォォォォオ!!」
切ったところから素早く再生する。
「…彼が君を襲う苦しみも…君が襲われる苦しみも…どっちも嫌だったから」
「それに僕1000人救わなきゃいけないんだ」
素早い動きで腕、胸、首、背中を次々に切り裂いた。
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「ありがとうカレラ。君のおかげで助かったよ」
「なんていうか…さっきの君、ヒーローみたいだったよ!」
カレラは俯き、目からは光がこぼれ落ちた。
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「カレラの力は本物だったようだ。本当に「γ」を倒してしまうとはな。」
「やはり彼は…」
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僕は異常だ
「カレラ!」
ケイが声をかける。
異常なまでに臆病で
異常なまでに情けない
そんな自分が心の底から嫌いだけど
もう怖くはない
「さぁ!今日も救いに行こうか!」