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4週目

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(なんか、濃い一日だったなぁ)

次の日の早朝、目が覚めたレイナは昨日の事を思い出し、まず真っ先にその考えが頭に浮かぶ。

布団から出て朝の支度をしているうちに、昨日は来なかったウミ達が来た。

「おっはよ〜」

「おはようございます」

窓から入ってくる二人1人と一匹は、挨拶を済ませると、早々に紹介したい人がいると言った。

「2人とも、来ていいよ」

ウミがそう言うと、その2人は窓から入ることに抵抗があるのか、少し躊躇いながら入ってくる。

「初めまして〜えっと、僕はアスカ、こっちはレイナで、あれがソウで、こっちはナギ」

あれ・・はないだろ」

1人だけアレと言われたソウは、特段気にしている訳でも無いようだが指摘する。アスカはそれに対して、クスリと笑いつつも軽く謝った。

「レイナです。よろしくお願いします。えっと、お2人は…?」

レイナも軽く名前だけ言って窓から入ってきた2人の名前を訊く。

「あ、俺はシーって言いま〜す」

「俺はハスって言います。よろしくお願いします」

シーと名乗った青年は、ジト目ガチの気怠げな顔だったが、口調や表情からしてかなりテンションが軽めな印象を受ける。ハスは少し長めでくせ毛気味の黒髪で、目付きが強く、若干気の強そうな印象をもった。

「2人はエドの後輩だよ。一緒にこの件ループについて調査する事になったから。よろしくね」

最後にウミが2人が何故来たかを軽く説明する。

「俺はソウ。よろしく。そういえば、2人はなんでスーツなんだ?」

ソウも軽く挨拶して、2人の服装について問う。

そう、ウミが猫の姿、エドはラフな普段着のなか、2人は灰色のスーツを着ているのだ。それも、ハスが白、シーが黒と、シャツの色が違う。ハスはピシッとスーツを着ているが、シーはネクタイを緩めたり等少し気崩していた。

「あ〜。ウチは調査とかの時、服装自由なんすよ。潜入調査もあるらしいし…俺たちは服考えんのメンドイからスーツなだけで。でも目立つし、シャツだけにしちゃおっかな」

ソウの質問に対して、シーは特に詰まる様子もなくスラスラと答え、上に着ていたスーツを脱いだ。確かに、これから神社に行ったり等をするのにスーツは不自然だが、いきなり脱ぐのはどうなのかと思い、レイナは少し目を逸らす。

「あ、じゃあ俺の服貸すぞ?予備何着かあるし」

「ありがとうございます」

「あざっす」

ソウがそう言って荷物の中から白いトレーナーと、灰色のパーカーを出てきた。

「予備?」

ソウの予備に疑問を感じたのか、アスカが訊く。

「なんかあった時用の着替え」

「なんか異様に用意周到じゃない?」

「お前が何回も予想外の行動を繰り返しするからだろ」

「いつの話よそれ」

「3週間くらい前に…」

「あーあー!それ言わないでって言ったよね!?」

部屋の中で夫婦漫才のような会話が繰り広げられている中、ナギとレイナは3週目の時ウミ達に伝えられなかった情報を、メモに書いて伝える。

「そういえば、エドのメモは残ってる?私達は消えたんだけど…」

「俺のは残ってる。そうか…レイナさん達のメモは消えちゃったんだ…じゃあ、今後は何かあったら俺の方にメモした方がいいよね?」

「うん。よろしく。後、分かったこととかはメモで書いて伝えた方がいいよ。なんか禁句ワードがあるっぽい」

「そうなんだ…」

「あ、そういえば他にループしてる人たちがいてさ、今日その人達に会うんだよ」

「マジ?なんかボク達がいない間にかなり進んでるじゃん」

情報を共有しているうちに、洗面所で着替えをした2人が出てきた。

「サイズ大丈夫だった?」

白いトレーナーを着たハスと、灰色のパーカーを着たシーにソウが心配そうに訊く。

「ピッタリです。ありがとうございます」

トレーナーの裾を握って両手を広げるハスに、シーが後ろから抱きつきながらソウにお礼を言う。

「マジでピッタリでした。あざっす」

「おま、重いから抱きつくな」

「あはは、ごめんごめん」

ハスが迷惑そうに言うと、シーが全く悪びれていない様子でパッと抱きついていた手を離す。

「じゃあ昨日会った人達のとこに行きますか」

全員準備が出来たので、早速昨日帰る直前にトウヤ達と会おうと約束していた場所に行く。

「そういえば、エドって見た目小さいのにこの2人の先輩なんだね」

「うぐっ」

旅館から出る道中の廊下で、アスカが少年のエドに訊く。確かに、少年のエドが青年のハス達の先輩というのは少し妙な話だ。

「い、今はこう見えても、俺は1000年は生きてるよ」

「せっ、えっ?1000年?」

それを聞いたソウが、信じられなさそうに言う。

「え待って何それ初耳なんすけど!そんな長生きしてるんすか!?」

「ボクも一応エドと同い年だよ〜」

「え、ウミが?」

ウミも軽く言うが、千年は凄い年月だ。レイナは信じれ無かったが、嘘をついている様子もないので、本当のことなのだろう。

「そういえば、皆さんはどんくらいなんすか?」

「ん〜俺は900だった気がする」

ナギが言うと、ウミは「お、100年差じゃん」と、まるで「1歳差じゃん」とでも言うようなテンションで言った。

「僕は700じゃなかったっけ?」

「俺は最近100超えたくらいだな…年齢差が凄い」

「大丈夫。私は16だから」

全員3桁以上はある中で、1人だけ2桁なのを何故だか恥ずかしく感じる。本当に何故だろう。見た目の年齢的にはレイナが1番あっているというのに。

「え待ってこのメンツで年下いたんだ。俺18だよ!コイツも同い年。え、仲良くしよ」

レイナが年下と知って、シーの砕けた敬語が外れる。

「は、はい…?」

レイナは距離感の近さにかなり違和感を覚えつつも、頷く。すると、レイナの隣からナギが話に入ってきた。

「レイナに敬語外すなら俺らにも外して良いよ。こっちは最初からタメ口だし」

「マジ?ありがと!」

物凄いスピードで打ち解けていくシーを、(陽キャって凄…)と見ているレイナの隣にハスが並ぶ。

「すみません…あいつ距離近いですよね?」

「いえ…大丈夫です。陽キャって凄いですよね」

「分かります。なんであんなスピードで打ち解けられるんでしょうね。毎回あんな距離感で行くから見てるこっちがヒヤヒヤします…」

「大変ですね…」

2人が陽キャって凄いというような会話を続けているうちに、トウヤ達と待ち合わせていた神社についた。

「お、来た?」

「客間があるので着いてきてください」

神社に着くと、本殿の近くにマサミとトウヤがいて、そのままレイナ達は客殿へと案内された。

客殿に入ると机と座椅子が2つずつ向かい合って置かれていたが、大人数な為座布団を出て座る。

「えっと、そちらの方々は初めましてですよね?私はトウヤと申します。そして、こっちがマサミです」

「初めまして。えっと、君達がアスカ君達が言ってた人かな?」

「はい。俺はエドと申します。こいつがウミで、こっちの2人はハスとシーと申します。よろしくお願いします」

軽い自己紹介を終えると、早速本題に入った。

「話の概要は来る時に聞きましたけど、マサミさんはどうやって協力するんですか?ループに入っていないんですよね?」

レイナとハスが話している間に説明されていたのか、エドがマサミに訊く。

(確かに、どうやってループに入るんだろ?)

エドの話を聞いてそういえばとレイナも疑問に思っていると、マサミはあっさりと答えた。

「それなんだけど、俺もあの刀に触ってみよっかなって」

レイナ達が来る前に2人で話して決めたのだろう。トウヤが軽く頷いている。

「トウヤさんがループに入ったのはレイナが地蔵を戻すのと同時だったからだよね?入れるの?」

マサミの話を聞いたウミが、少し面白がるように、尻尾を揺ら揺らさせながら訊く。

「うーん…それは分からないが、まぁ何とかなるだろ」

「失敗したらどうするんすか?」

どうやら、失敗した時のことは考えていないらしい。レイナ達は若干不安を覚え、シーは実際に大丈夫なのかと聞いたが、トウヤがそれについて説明をする。

「失敗しても大丈夫でしょう。私達はおそらくまたループするだけだろうし、マサミは時間が戻るだけだと思います」

「その根拠は?」

トウヤの説明に、またしてもウミが訊くと、トウヤは自信があるように説明する。

「実際にマサミをループに引き込もうとしたことが何度かありますが、失敗する度私はループし、マサミの記憶は消えて、時間が戻っています」

「成程…成功するかは分からないけど、失敗した時の安全の保証はあるってことですね?」

ハスがまとめるように訊くと、トウヤはしっかりと頷いた。

「じゃあ、今からやりに行きます?」

話がまとまってすぐ、アスカが言う。

「いや流石にもう少し話し「そうッスね。行きましょ〜!」

ソウの言葉を遮ってシーが行こうと言う。

「そうですね。ついでに刀も見せたいですし…」

トウヤもそう言ったので、早速全員で本殿の御神体があるところに向かうことになった。

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本殿につき、扉を開く。

すると、そこには仰々しく、札の貼られたボロボロの刀が置いてあった。と言っても、レイナはその刀の周りに、刀を覆うよう真っ黒いモヤが覆われているように見えたから、少ししか見えないのだが、周りの反応を見てこれが鬼の腰にある刀だと分かった。

「なにこれ…真っ黒…」

ハスが驚いたように言うと、それにシーも頷く。

どうやらウミ達には黒いモヤしか見えないようだ。

「絶対に触らない方がいいと思うよ?」

「あ、もしかしてこの黒いモヤが見えるのかい?」

ウミが言うと、マサミが意外そうに言った。

「私も見えます…」

「多分俺たち3人以外、ここにいる人は全員見えると思いますよ?」

レイナも恐る恐る見えると言うと、ソウが自分たち以外のヒトには見えると言う。

「そうなんだ。今まで俺と爺さん以外にみえるヒト見たことなかったからびっくりしたよ。じゃ、触るね〜」

「そんな気軽に!?」

軽いノリで触ったマサミに思わずハセが言う。が、その声がマサミに届く前にマサミの姿が消えた。

「えっ?」

全員が驚く中、当たりが暗くなり、聞き覚えのある太鼓と笛の音が聞こえる。

「失敗?」

「いや、成功かもしれません…このまま抵抗しないでやられた方がいいと思います」

誰もが失敗を疑うなか、トウヤだけが成功したと言う。何かあるのだろうと思い、レイナ達は今回は抵抗せずに大人しく鬼に斬られた。




どうも。立春の癖に外で吹雪が起きていることに疑問を感じている主です。寒すぎん?暦的には春よ一応?

それでは〜 ( ᐙ)/

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