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「あれ中也。それに芥川くん。」


「ん?羅紫?」


「羅紫さん?」







何故かこの二人に会ってしまい、荷物の内容からヨコハマを出ると思われたらしい。すぐに尋問が始まってしまった。

なんか面白そうだし乗ってみよ!



「手前…その荷物、ここから出るのかよ…」


「…うん。ここを出て遠い所で暮らす。…嗚呼、ごめん理由は言えないんだ。兎に角今までありがとう。二人とも。」



シリアスっぽい雰囲気うまあ。



「ッ、や、僕はまだ羅紫さんに!伝えたい、ことが………」


「え?」


何だ?マフィア時代に勝手に芥川くんのコート洗濯しちゃったこと?それとも厳しく育てすぎた恨みつらみ?

心当たりしかなくて泣きそう。せめて言葉の暴力だけにして欲しい。痛いのは嫌だ。そう考えていると急に名前を呼ばれた。


「ら、羅紫さん。」


「は、はひ…」


怖いぞ??顔引き攣ってるぞ?段々と距離を詰められ手を伸ばせば届く距離に芥川くんがいる。そっと彼の顔を覗くと顔が赤い気がする…?



「僕の、ことを、龍之介、と呼んでは、くれませんか…?」



途切れ途切れにそう伝えられて一瞬呆気に取られたが、あまりにも芥川くんが緊張して言うものだからつい笑みが溢れる。



「何だ。そんなことか。全然いいよ、龍之介。」


「っ!あ、ありがとうございます!!」



また顔を赤くして今度は下に俯く龍之介。よく分かんないけど良かったのか?これで?



「芥川ァ…俺を空気にするとは良い度胸だなァ?」


「あ、中也。忘れてた。」



完全に蚊帳の外にいた中也。ごめんて。睨むなて。



「チッ…なあ羅紫。聞きたいことがあるんだがよお、」


「ん?なーに。」



何だろう?美味しいワイン屋さんかな?



「手前、俺のこと、どう思ってる?」



「…えっ?!」



思っても見なかった質問にびっくりする。どう、思ってるか。

友達にしては深い関係だし、上司と言ってももう違うし。親友?いや、そんな柄でもないな。何だ?私にとっての中也…



「え、えっとね、」



「「……」」



「大好きで、一緒にいたい人?かなぁ…。」



そう言った途端龍之介は苦虫を噛み潰したような顔をし、中也は今まで見たことがないくらいに顔を赤くさせた。



「テメッ、それはっ!……みんなにも伝わる、好きってやつか?」


「いや?みんな、ではないけどごく少数だな。」



そう言うと先ほどの表情とは一変し、分かっていたかのように薄く笑う。



「そうか…まあ、何だ。偶には戻ってこいよ?」


「?うん。じゃ、またね。中也、龍之介。」



そう別れを告げ駅へと歩く。でもやっぱり、恥ずかしくて伝えれなかったあの事を、伝えたい。

後ろを振り向き思い切り叫ぶ。



「中也!えっと…ほんとは、一番信頼してるっ!!!!!」


「?!」


「龍之介!私は貴方の事、誰よりも認めてるし、尊敬してるよ!!!!!」


「?!」


「ま、またねっ!!」



凄く恥ずかしい。恥ずかしすぎて異能で吹っ飛ばして帰ってしまった。絶対顔赤い。見られてないと良いなあ…取り敢えずもう夕方。早く帰って情報収集しないと。


無理やり仕事モードに切り替え、まだ高鳴っている胸に気づかないフリをして探偵社へと急いだ。







中也side




ごく少数、か。

羅紫はいろんな奴と関わりを持っている。そんな沢山の知り合いの中のごく少数は一体どれほどいるのだろう。

羅紫は俺のものでもないのに、俺だけが一番であって欲しいと心は叫ぶ。しかしそれは俺の自分勝手な願いに過ぎない。


いつも羅紫はみんなを愛している。嫌いな奴でさえ愛しているし、殺す相手にも最後まで情を持って接している。羅紫は優しい。だからこそ傷つける。優しさは時に武器なのだ。そんな彼女も無慈悲に殺すことがある。俺や、太宰が傷ついた時だ。

その度に優越感に浸れていたがいつも拭いきれない劣等感もあった。



「羅紫の一番は俺じゃねえ…」



柄にもなく泣きそうになる。羅紫はもう遠いところに行ってしまうのに。

最後に羅紫を見ておきたいと振り向いた瞬間、羅紫が唐突に俺の名前を呼ぶ。



「中也!えっと…ほんとは、一番信頼してるっ!///」



「?!」



思いがけない言葉に吃驚し、言葉が出ない。

初めて、羅紫の1番になれた。心が晴れ、軽くなった気がする。羅紫の言葉一つで揺れ動く俺は羅紫に心底惚れているんだなと自嘲の笑みが溢れる。

照れからなのか、猛スピードで帰って行く羅紫に心惜しさを感じつつ去っていった方向を向き、夕陽をじっと見る。


俺が赤くなっているのは夕日のせいだと、誤魔化せる様に。




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