テラーノベル
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昔、狐狸という村があった。
この村には2つ大きな山があり、片方には狐の神様がおりもう片方には狸の神様がいると言われている。
狐の神様は執着心と独占欲が強く、狸の神様は強欲で人の物をすぐ欲しがるらしい。
そのせいか、この山には誰も近寄らなかった。
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俺の名前は天ヶ瀬零。趣味で動物や植物の写真を撮っている。
「ここか…狐狸村…」
俺は風の噂でとても珍しい色の狐がいると聞いてわざわざ東京から狐狸村まで8時間かけてやって来た。
「えっと〜…狐山は向かって左側かな」
どんな狐なんだろうな〜楽しみだ
俺はそう胸を弾ませて狐山へ向かった。
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「ここかな?」
本当にここで合ってるのかと少し心配しつつ俺は山へと足を進めた。
「綺麗な山だな〜✨」
これなら、いい写真いっぱい撮れそうだな〜
そんなことを思いながら写真を撮りつつ俺は山の奥へ奥へと進んで行った。
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「だいぶ上まで来たな…あ〜…喉乾いた〜。どっかに川無いかな…それに雨まで降ってきたし…」
そんなことを言いながら辺りを見渡すと川があった。
「お、ラッキー。」
そういい、俺は乾いた喉をそこが見えるほど美しい川の水で潤した。
「美味〜っ…それより本当に綺麗なところだよな〜…ここ。まぁ…雨降ってるけど。」
水を飲み、辺りを見渡すとさっきまでは気づかなかったが、とても綺麗な場所だった。
目を閉じ、耳をすましてみれば川のせせらぎと鳥の声、今は雨の音すら心地よく感じた。
「いい音…」
ゆっくり目を開けると少し先には真っ白な毛にアメジストのような綺麗な目をした狐が岩の上に座っていた。
「き…綺麗…はっ!写真写真」
急いでカメラを手に持ち、ゆっくりと狐の元へ近づいて行った。
逃げられないようにそっと…そっと…後少しと思った時、俺は足を滑らせ崖から落ち、意識を失った。
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