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#カンヒュBL
りた ~伝説のちくわ~
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#Sky Land
ゆーすりー
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※ この物語はフィクションです
1.鏡の中の見知らぬ自分
毎朝、洗面所の大きな鏡の前に立つ時間が、僕にとって一番きらいで、一番逃げ出したくなる瞬間だった。
そこに映っているのは、ネイビ―のプリ―ツスカートを穿き、肩まで髪を伸ばした一人の女子中学生。校章のついた指定の制服に身を包んだその姿は、どこからどうみても世間一般でいう「ごく普通の女の子」
そのものだった。
だけど、どれだけ毎日この服に袖を通しても、膝の辺りでひらひらと揺れるスカートの布地が自分の体に馴染んでいると感じたことは、一度だってない。なんだか、見知らぬ誰かの衣装を強引に着せられていて、照明の眩しい舞台の上に無理やり押し出されているような、胸の奥がざらつく違和感ばかり膨らんでいく。 自分の体なのに、どこか自分ではないみたいだった。
けれど、ガラスの向こうから僕をじっと見返してくる黒い瞳の光だけは、
どれだけ隠そうとしても誤魔化せない。
そこに宿る意思と違和感こそが、紛れもない僕の本当の核だった。
「蓮、早くしなさい!またバスに乗り遅れるわよ!」
階下から、朝食の準備をする食器の重なる音とともに、お母さんの叫ぶ声が響く。
「分かってるって。今下りていくから!」
自分の口から出た高めの音を聞くたびに、胸の奥がギュッと冷たく収縮する。
もう少し低い声だったらいいのに。 もう少し、自分の心にしっくりくる声だった らいいのにと、毎朝のように洗面所で一人、
虚しい願いを繰り返していた。
いつから自分のことを「僕」と呼ぶようになったのか、はっきりとした境目は覚えていない。小学生の頃、放課後に近所の公園で泥だらけになりながら秘密基地を作っていた頃から、僕の心は男の子たちの輪の中にいるほうがずっと自然で、呼吸がしやすかった。
泥団子の固さを競い合ったり、
木の枝を剣に見立てて走り回ったりしているとき、誰も僕の性別なんて気にしていなかったし、僕自身も自分が何者であるかなんて考える必要すらなかった。
でも、中学生になると、周りの世界は急に見えない線を太く引き始めた。男子からは「女の子」として遠慮や気遣いを向けられ、 女子からは「ク―ルで頼もしい友達」として扱われる。男子の輪にも、 女子の輪にも、本当の意味では溶け込めない。
どちらの枠組みにも自分の居場所がないまま、僕は本当の気持ちを喉の奥深くに押し込んで、ただ目立たないように、波風を立てないように毎日をやり過ごすようになっていた。
コメント
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佐我之 伶 さん、執筆お疲れ様でした 第一話から心をぎゅっと掴まれました。「自分の体なのに、どこか自分ではない」って感覚、こんなに真っ直ぐな言葉で描けるんですね。鏡の前の蓮くんの、スカートが馴染まない違和感の描写が静かで痛くて、でも「僕」って呼ぶその芯の強さに胸が熱くなりました。違和感そのものを淡々と、でも逃げずに書く誠実さがとても好きです。続き、じっくり読ませていただきますね🤍