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コメント
1件
うわあああ完結したんか!?😭💦 最後の「やっと見つけた」で完全にやられた…!記憶の中の湊と現実の湊が交差する構成、切なすぎるし美しすぎるよ…「今度は前を向いてね」って別れの言葉が伏線になってて鳥肌立った✨ 莉奈が一歩踏み出せたラスト、ほんと尊い…! 琴乃まりんさん、素敵な物語をありがとうございます…!!🌸💕
「……ずっと待ってたよ、莉奈」
校内放送から聞こえた湊の声。
私は、美咲を置いて職員室へ走った。
廊下には誰もいない。
なのに、職員室のドアだけが開いていた。
「……湊?」
返事はない。
恐る恐る中に入ると、机の上に一枚の写真が置かれていた。
去年の写真。
私と湊と、美咲。
そして、その隣には——
もう一人の私。
「やっと来たね」
背後から声がした。
振り返ると、そこには私とまったく同じ顔の女の子が立っていた。
「あなた……誰?」
女の子は悲しそうに笑った。
「私が、本当の莉奈だよ」
「……は?」
「湊くんのこと、覚えてないんだね」
女の子は写真を手に取った。
「一年前、湊くんが転校する前の日。あなたは私に約束したの」
「約束……?」
「湊くんがいなくなっても、絶対に忘れないって」
頭の中に、少しずつ記憶が戻ってきた。
放課後の教室。
泣いている湊。
そして、私の声。
『絶対、また会おうね』
私は思わず口を押さえた。
「じゃあ……今まで一緒にいた湊は?」
女の子は首を横に振った。
「あなたが忘れたくないって願ったから、記憶の中の湊くんを作り出したんだよ」
「そんなの……信じられない」
「じゃあ、最後に一つだけ聞くね」
女の子は私のスマホを指さした。
「湊くんから、最後に何て言われたか覚えてる?」
私は目を閉じた。
思い出せない。
何度考えても、思い出せなかった。
すると、スマホが震えた。
知らないアカウントから、最後のメッセージが届いた。
『莉奈、もう大丈夫だよ』
その瞬間。
湊の声が、耳元で聞こえた気がした。
『今度は、ちゃんと前を向いてね』
涙があふれた。
私は、やっと思い出した。
湊は転校する最後の日、笑って言ったんだ。
『莉奈が幸せなら、俺も幸せだから』
私は顔を上げた。
目の前にいた女の子は、もういなかった。
職員室には、私一人だけ。
机の上の写真も消えていた。
ただ、スマホの画面には一つだけ通知が残っていた。
『アカウントが削除されました』
私はスマホを胸に抱きしめた。
「……ありがとう、湊」
それから数日後。
私は美咲と一緒に帰っていた。
「莉奈、最近ちょっと変わったね」
「そうかな?」
「うん。でも、今の莉奈のほうが好き」
私は笑った。
もう、湊のことを忘れたわけじゃない。
ただ、思い出に縛られるのをやめただけ。
そう思っていた。
その夜。
スマホに、一件の通知が届いた。
新しいフォローリクエスト。
アカウント名は——
佐野 湊
私は息を止めた。
プロフィール写真には、見覚えのある笑顔。
そして、たった一言。
『やっと見つけた』
——完——