テラーノベル
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どうしてこうなった。俺と勇斗は今、勇斗の家のベッドの上でお互いにパンイチのまま膝を突き合わせている。
遡ること2週間前。紆余曲折ありめでたく俺と勇斗は恋人同士となった。そこからはもうトントン拍子に事が進んでいき、「付き合ってください」「はい喜んで」の瞬間熱烈なキスと抱擁をかましてきたアホの頭をしばき、しばかれた頭を擦りながらもいそいそとポケットから自宅のカードキーを取り出して
「いつでも来ていいからな!俺がいない時でも寂しくなったら俺のベッドで寝てていいからな!」
などと蕩けきった顔で抜かすバカの腹をしばいた。
…そうだよ!照れ隠しだよ!
ともかく純粋に合鍵を貰えたのは嬉しかったので次の日にはさっそく使わせていただき、意気揚々と佐野家でインスタライブをしてカーテンまで変えさせてもらったわけで。
コメント欄では『仁人くん今日いつもよりテンション高いね』『吉田さんいいことあったの?』などとファンにも気取られるほど、俺も相当浮かれてんだなって思った。
その日は遅く帰ってきた勇斗に、玄関を開けるやいなや
「ハンバーグ残ってる!?」
と必死な顔で聞かれた時は思わず吹き出してしまった。
勇斗の為にとっておいたハンバーグを温め直して、幸せそうな顔で頬張る勇斗を見て胸の奥がじんわりと温まるのを感じた。
それからというもの、何度か勇斗の家に行ったはもののお互いに忙しくさせてもらっている身なので数時間もせずに帰宅する日々が続いた。
そんな中、隣合ってソファに座りテレビを見てきた時ふいに勇斗の方から大人のお誘いがあった。
「次の水曜日さ、お互い夜からオフじゃん?木曜日も仁人昼からってマネージャーから聞いたから…。俺も木曜は結構余裕あるから…その、だから…そろそろ俺らもさ、次のステップ行ってもいいんじゃないかなって…思うんだけど、仁人はどう思う…?」
もごもごと勇斗にしては珍しく歯切れ悪く要領を得ない喋りで、伺うような上目遣いで俺を見るその表情は緊張からか固く強ばっていた。
繋がれた手は汗でじっとり濡れていて、俺もつられてしまった。
「あ、…えっ、と…、その、…お、れも…、もっと、勇斗と…ッ!」
最後まで言わせてもらえず、抱きしめられた。
「ありがと!ありがとう仁人!大好き!すげぇ好き!」
「わか、わかった!わかったから!!お前力強いって!」
怪力バカの全力ハグに身体中からミシミシと嫌な音がする。嬉しいのはわかったから一旦離せ!!
「ごめんごめん!…へへっ」
抱きつかれた時と同じくらいの勢いで離れた勇斗が嬉しそうに俺の顔を覗き込む。でろでろに溶けた顔で微笑むその顔を見てしまえば、軋んだ身体も気にならなかった。
カードをかざすとピッと軽快な音がしてドアロックが外れる。何度か繰り返したこの行為はもう慣れたものだった。
「おじゃましまーす。」
家主は不在だが一応気持ち程度に小声で告げると靴を脱いで一番に手を洗いに洗面所へと向かった。もはや通い慣れてしまってどこに何があるかも把握してしまっている。そんな事実にふっ、と表情が緩む。と、鏡に写った自分があまりに間抜けな顔をしていたのでキリッと眉毛を吊り上げてみた。
「なに可愛いことしてんの。」
「ンォあぁ!?!?」
ふいに背後から聞こえた声に飛び上がり、洗面台に腰を強打する。崩れ落ちて悶絶する俺を見下ろしながらケラケラ笑う勇斗を睨み付ける余裕はなかった。
「何その声!どっから出したん!」
なおも笑い続ける勇斗に、痛みの波を超えた俺はスっと立ち上がり頭をしばく。
「いって!お前この前から俺の頭しばきすぎだろ!」
「うるせぇ!シバかれるようなことするお前が悪いだろ!」
また俺は可愛げもなくこんな悪態ばかりついてしまう。せっかくのお泊まりデート、せっかくの初夜…を迎えるんだからもうちょっと素直になってもいいんじゃないの?いつもよりちょっとだけ甘えてみたりしちゃってもいいんじゃないの…?
たいして痛くもないだろう頭をさすりながら、急に黙り込んでしまった俺の様子を伺う勇斗の手を掴み、リビングまで引っ張る。
「腹減ったからまずご飯!」
これが今俺ができる最大限の甘え。
後でもっと頑張るから。
時間も時間だったので今日は簡単にUberで済ませようとお互いにあーでもないこーでもないと言いあいながらメニューを決めていく。間もなくして届いた本日のディナーを他愛もない話をしながら平らげるといつものメンバーとの泊まりの流れで
「風呂どっちが先はいるー?」
と口をついて出てしまった。自然な流れだから勇斗も気にしないか、思ったが予想に反して思いっきり動揺して目が泳ぎまくる勇斗につい吹き出してしまった。
「んはっ!勇斗、目ぇ泳ぎ過ぎ!」
「おまっ!だって仁人が風呂…ッ!どうせ俺ばっかり意識してるよ!!」
「ごめんごめん。いやいつも通りの流れすぎてすっかり忘れてた。」
笑いすぎて溢れてきた涙を拭っているとその手をとられ、拗ねたような顔の勇斗が真っ直ぐ見つめてくる。
「…やっぱり今日やめとく?」
捨てられた子犬のような顔の勇斗が珍しくて気付くとその頭を撫でていた。
「いや、しようよ。さっきはつい楽しくなっちゃって頭から抜けちゃってたんだけどさ、普通に俺もここ来るまで心臓バックバクだったのよ。いや本当に。」
素直に告げると満足したような顔で
「じゃあ仁人先入ってきなよ。俺片付けやっとくからさ。」
「あらほんと?家主に片付けまでさせちゃってごめんなさいね。それじゃあ、ありがたく。」
いつも通りを装ってはいるが、お互いにどこがぎこちなくてなんだかくすぐったかった。
風呂から上がるとソファでスマホをつついていた勇斗が顔を上げた。
「おかえりー。早かったね。」
「ただいま。いいお湯でした。こんなもんだろ。」
「じゃあ俺も入ってくっかなー。覗くなよ。」
「覗かねぇよ!」
いつも通りのはずのやりとりに、少し引っかかったもののバスルームへと消えていく勇斗を見送る。
さっきまで勇斗が座っていた温度が残るソファに腰かけて、昨日必死に頭に詰め込んできた男同士のハウトゥーサイトを開いた。
風呂から上がってきた勇斗はいつもの三倍色気が増し増しで、こいつを今から抱くんだ。と思うと心臓の鼓動が早まって爆発してしまいそうだった。
俺はともかく爆裂にモテてきた勇斗はそういう経験があるだろうにぎこちなくベッドへと誘われて油の切れたブリキのおもちゃみたいな動きで服を脱ぎ始めたところで、あぁこいつも抱かれるのは初めてだもんな。と合点がいった。
怖がらせないようにゆっくりことを進めてやろう。
緊張から潤んだ瞳に吸い寄せられるように唇を重ね、ゆっくりと勇斗の身体をベッドに沈め…………られない。
え?な、なんで?なんで倒れてくれない?え、ちょっまって力強ッ!え?え?待って待ってなんで??今そういう流れだったくない?えぇ〜?
「ちょっっっっっと待って。」
お互いの声が重なり合う。
もしかして、俺達とんでもない勘違いしてる?
そして冒頭へと戻る。
どうやらお互いにお互いを抱くつもりで今日を迎えたらしい。そんなバカな。いや、そういえばどっちがどっちとか話し合ってなかったな。バカは俺達でした。
とはいえ、
「いや、さすがに勇斗が抱かれろよ。俺リーダーよ?」
「おいとんでもない職権乱用だよ。誰だこいつリーダーにしたの。剥奪しろ!」
「お前兄ちゃんだろ。こういうのは弟に譲るもんだろ。譲れよ。」
「お前ベッドの上で弟の話すんなよ!萎えるだろ!てかそれ言うならお前も兄ちゃんだろ!弟いんだろ!今度会う時気まずいわ!」
「やめろよ!俺だって気まずいわ!」
「お前が言い出したんだろ!」
自分でもとんでもないこと言ってんなと思う。けど人ってテンパると何言ってんのか分かんなくなる時あるよね。今それ。
「てかどう考えても仁人が抱かれる側だろ!こーんなきゅるきゅるのお目目でこーんなぷるぷるの唇して!なんだお前この前のYouTube!またあの可愛い口しやがって!カメラ回ってんのにキスしようかと思ったわ!!」
「まず俺の腰が悪い事思い出してくださーい!怪力ゴリラのお前に抱かれてみろ!俺の腰パーンッなるわ!そんで可愛い口ってなんだよ!してねぇよ!絶対すんなよマジで!後で太智にグダグダ言われんの俺なんだからな!」
「腰は…あれだ、そのぉ〜…優しくする!!」
「信用できませーん!ノッてきたら絶対バカスカ腰振んだろお前!」
俺の腰が悪いことを知っている勇斗は途端にタジタジになる。勝ちを確信した。これはさすがに勝ち確っしょ。
「うるせえうるせえ!とにかく顔が可愛いお前が抱かれろ!その可愛い顔歪ませてやっから!!」
「うわっ!サイテー!佐野さんサイテー!!お前その発言クズすぎんだろ!今から好きな子抱きますってやつの台詞じゃねぇよ!」
窮地に追い込まれた勇斗がとんでもない発言をかましてきて途端に身の安全が危ぶまれる。身体を守るように抱きしめて勇斗と距離をとると肩を掴んでいた手をとられ、グイッと顔を近づけられる。
「いいんだよ!どんだけ歪んでもヨダレ垂らして鼻水べしゃべしゃになっても白目剥いてても可愛いんだよお前は!!」
「それは絶対可愛くないだろ!!!!」
絶対にそんな顔は見せない!!手元にあった枕を投げつけて突っ込むと一時撤退をはかろうと腰を上げた、はずだった。
「捕まえた。」
頭上から降ってくるテノール。後ろからも前からも勇斗の匂いがして、押し倒された事に気が付いた。
「お、…ッまえ!強行突破はズルいだろ!」
「ごめん。でも俺、どうしてもお前を抱きたいの。」
綺麗な二重からギラついた瞳が覗く。獲物を見つけた獣のような眼差しに射抜かれて動けなくなった。
鼓動が早くなって顔に熱が籠るのを感じる。
「なぁ、その顔ってわざと?」
「な、にが…」
「俺に食われたいって顔。」
心外すぎる言葉と共に唇が降ってくる。柔く触れたそれは熱く、子どものままごとのように可愛いリップ音をたてながら何度も何度も重ねられる。
やがて息が続かなくなり苦しくなって、離せと言わんばかりに勇斗の胸を押し返す。しかし逆にその手をとられ指を絡められ、そのままベッドへと縫い付けられてしまった。
足をバタつかせ首を振りいやいやとアピールするもマウントを取られた状態じゃいとも簡単に押さえつけられてしまう。左右に振り乱した髪ごと大きな手のひらに包み込まれて捉えられるとそのまま耳を塞がれてしまう。脳内に反響する水音とどんどん深くなるキスに頭が痺れて思考が真っ白に染まっていく。
ようやく解放された頃には頭の中どころかきっと顔だってぐちゃぐちゃで、とても見せられたものではない。
それでも勇斗は吐息だけで笑って
「…っ、かわいー。」
などと言いやがる。
いつもみたいにバカにするような言い方じゃないことくらい回ってない頭でも分かる。本当に愛おしそうに、そして獰猛な獣のような目で俺を見ている。
そんな顔されたらさぁ…
「はや、と…」
「ん?」
「いいよ…。おれの、負けで。」
白く霞んだ頭の片隅にちょこんと残る理性が目線を逸らす。
掠れた声でも伝わったかな。俺さ、本当はお前にならいいかなって思ってたんだよ。
「いい、の…?いやこんな半ば無理やりみたいにしといてなんだけど本当に?」
驚きに目を見開く勇斗がしつこいくらいに聞いてくる。お前ほんとに、こんだけやっといてそれはねぇだろ。
「…いいっつってんだろ。やめんぞ。」
「すんません!!ありがたく抱かせていただきます!!」
恥ずかしさが後からじわじわやってきて撤回してやろうかと思ったけど、ベッドの上で綺麗な土下座をかました勇斗を見てほんの少しだけ胸がすっとした。
「じゃあ、準備…しないとだから…」
そう言うと勇斗は途端に顔を真っ赤に染め上げて俺の上から飛び退く。
「あ、おぉ…ッそっか!そうだよな!ごめん!行ってらっしゃい!」
はしゃいだような弾んだ勇斗の声と熱烈な視線を背中に浴びながら俺はバスルームへと戻った。
まさか勇斗のために調べた事を自分でやるとは。
一度リビングに戻り持ってきたお泊まりグッズの中からシリンジを取り出すと再びバスルームへと舞い戻る。
さっきはいたばかりのパンツを脱ぎ捨てるとそこは緩く反応していてじわりと恥ずかしさが込み上げる。
「あんだけのことで…っ」
自慰を覚えたばかりの中学生のような反応速度に自分の身体ながら情けなさを感じる。
いやいや。そんなこと気にしてる場合じゃない。今からもっとすごい事するんだから…。
さっきのさっきですでに後悔が顔を覗かせているが、覚悟を決めろ。吉田仁人。俺は鹿児島の男だ。一度言った事を反故にはしない。男に二言は無い。やると決めたらやるんだよ。
どうにか自分を鼓舞しながら洗面器にお湯を張ると持参したシリンジにゆっくりと吸い込む。目盛りいっぱいにお湯が入ると膝を付き少し腰を突き出す。
覚悟を決め、自身ですら触れたことのないそこへとゆっくりとシリンジの先を埋め込む。
ゆっくりとゆっくりと中のお湯をシリンジから押し出していくと感じたこともない違和感が直腸内へと広がる。
本来入れる場所ではないところに入れているんだから無理はない。痛くはないから耐えれるか、?
シリンジ内が空になると再度洗面器からお湯を吸い上げ同じように直腸内へと入れていく。
3本分が腹に収まると下腹部が少し膨らんで見えた。
「…ッ」
圧迫感と気持ち悪さからすぐにでも排出してしまいたいところだが少し時間を置いて出すようにとハウトゥーサイトに書いてある。やるからには完璧にやってやる。と半ば意地になりながら不快感に眉を顰める。
やがてサイト通りの時間が経った事を確認するとゆっくりと蕾を緩める。途端にちょろちょろと薄く濁ったお湯が溢れ出る。少し腹筋に力を入れるとそれは勢いを増し、ところどころ固形が混ざったそれが排出されていく。
目を逸らしたくなるような光景にぎゅっと瞼を閉じ、ただ耐える。勇斗とするためだから…っ!
やがて全てが吐き出し終わるとシャワーで軽く流し、同じ作業を数度繰り返す。最後の方はもはや流れ作業となり無心でことを進めた。
吐き出されるお湯が透明になった事を確認してシリンジと一緒に持参したローションを手に取る。
すでにここまでで30分近くかかってしまっている。これ以上勇斗を待たせるわけにはいかないとろくに温めもせず指を差し入れた。
「いッ…!!」
痛ぇ!!なんだこれ!!ごめん勇斗これ無理だ。入んねぇよ絶対。無理無理無理。絶対無理だわ。はーぁあ!こーれは無理ですわ(笑)
たった中指一本の第一関節を入れただけで引き裂かれるような痛みを感じ、すぐさま指を引き抜いた。
ごめん勇斗…。俺にはそっちの才能はないみたいだ…。
上がっていた熱がどんどん冷めていくのを感じる。
ついに風呂場のタイルに座り込み膝を抱えてうずくまってしまう。
「仁人?」
あまりに時間をかけ過ぎたからか、俺を心配する勇斗の声が聞こえてきた。
なんか、ここまでしといて情けなくなってきた…。
つんと鼻の奥が痛くなって喉が詰まる。つい鼻を啜ってしまうと思いのほか音が反響してしまった。
「仁人!?え、な、泣いてんの!?え、ちょっ、開けるぞ!」
焦ったような勇斗の声と同時に風呂場のドアが開けられる。全裸で膝を抱えたまま丸くなっている俺を見つけた勇斗がバスローブを肩にかけてくれる。
「ごめん、そんなに嫌だったなんて…」
バスローブごと身体を抱き締めてくれる勇斗に、申し訳なさがつのる。
「ちが…ッ、ごめんは、おれのほう…っひぐ、おれ…才能、ないんだよ…っ」
「は?才能???」
勇斗はどうやら俺が抱かれる側を泣いて嫌がっていると思っていたのか、想定外の言葉に目を丸くする。
「中、綺麗にしたんだよ…サイトで見てやってさ…。それは上手くいったの。でも広げようと、そこのローションで指入れてみたらさぁ…ッ、痛くて、俺やっぱりそっちの才能ないんだよぉ…ッ」
己の不甲斐なさから喉の奥が張り付いて、時々つまりながらも勇斗に説明すると俺を抱きしめていた手が力強く肩を掴む。
「ごめん仁人。一回、俺やってみてもいい?」
涙の膜が張ったまま勇斗を見上げると、なぜかそこにベッドで見たあの勇斗がいた。
瞬きをすると涙がひとつぶほろりと落ちて、頷いた。
バスローブを肩にかけたまま勇斗に手を引かれベッドへと歩く。少し冷えてしまった俺の手と熱いままの勇斗の手、お互いの熱が混ざりあって心地がいい。なのに俺の心は冷たく冷えたままで逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
「本当は四つん這いがいいらしいんだけど…仁人、ここ仰向けに寝られる?」
ぽんぽんとベッドの真ん中を叩く勇斗に手を引かれ、先程と打って変わって優しく身体を横たえられる。
言われた通り仰向けに転がると全裸だった事を思い出してつい足を閉じて身体を隠してしまう。
「仁ちゃん、そんな縮こまってたらなんもできないでしょ。ほら、大丈夫だから。」
幼い子に言い聞かせるような甘い声と今から行われる行為のギャップで冷えていた頭がほぐれていく。
勇斗に優しく内ももを撫でられるとぴくりと筋肉が震え、あやすようにゆっくりとキスの雨が降らされる。
太ももを撫でていた手のひらが段々と中心へと向かい際どいところを掠める。そのたび跳ねる腰を押さえつけて、勇斗から浴びせられる愛をシーツを握りしめることでなんとか受け止める。
「まだ撫でてるだけだよ。えっちな子だね、仁人。」
吐息がかかる距離でからかうように笑う勇斗に身体中の温度が上がるのを感じた。
「えっ、ちじゃ…ねぇし…ッくすぐったいだけ」
苦し紛れの言い訳に頭を撫でられまたキスをされる。
俺の中心はすでに期待に頭をもたげはじめていて、勇斗もきっと気付いているだろうにそこには触れてくれない。
優しくお腹の辺りを撫でるとゆっくりと大きな手のひらは上へと上がっていき存在を示し始めているそこへとたどり着く。節くれだった勇斗の指がそこを掠めた瞬間、身体中に電流が走った。
「んぅッ♡」
飛び出したあられもない声は勇斗の口内へと唾液とともに食べられていく。
左手はゆるく俺の足を割さいて右手で胸を飾りを弾かれる。無意識のうちに腰が揺れ、俺の成長しきってしまった陰茎が勇斗の腹筋をなぞる。
6つに割れた硬いそれに裏筋が擦れるのがたまらなく気持ちよくて腰の動きが早くなる。と勇斗の動きがピタリと止まった。
「仁人ったらやらしー♡俺の腹筋でオナニーしてんの?」
意地悪く微笑み見下ろしてくる勇斗に、勇斗から与えられた快楽と酸欠で頭の回っていない俺はろくに意味もわからずただ、ふにゃりと微笑み返した。
「ッ、なに…それ。」
口元は笑ったまま、眉を顰める見たことのない勇斗の表情に胸がきゅうっと鳴る。もっと触ってほしい。もっと深く繋がりたい。そればっかりが頭を占めて、力の入らない手を勇斗に向ける。
勇斗はその手をとるとまた俺に口付けをくれて今度は一番気持ちいいところを触ってくれた。
「あッ♡♡そこ、ッきもちぃ♡♡すきっそこ、すきッ♡♡」
「はは…ッ、なにが才能ねぇだって?嘘過ぎんだろ。」
腹の底から湧き上がるような勇斗の低い声に下腹部がキュンとする。抱かれたい。それしか頭になかった。
「あっあッ♡♡も、イくッ♡はやとッ♡おれもう、…ィッ♡♡♡ 」
どんどん早まる勇斗の右手に、限界が近づく。
もう出る、と思ったその瞬間勇斗の手がピタリと止まった。
「は、ぇ…?♡はやと…ッ?♡」
「これで終わりなわけねぇだろ。」
そう言うと勇斗は俺が持ち込んだローションを手に取りゆっくり温めるとそっと奥の窄まりへと這わせた。
指の腹からゆっくりと差し込まれ、先程の痛みを思い出す。身体が強ばるのを感じた。
「はやッ…」
「大丈夫。」
俺が制止する声ごと唇を奪われる。穏やかな声と共に放置されていた陰茎への刺激が再開される。
「あっ♡♡や、そこッ♡♡」
「こっち集中しとけ。」
キスと陰茎への直接的な刺激で頭がクラクラする。
上から下から聞こえてくる卑猥な水音に耳をも犯され言葉通り身体中が勇斗に埋め尽くされている。
後孔への違和感が気にならなくなった頃、すでに勇斗の太い指を3本受け入れることができていた。
「す、ご…ッおれのここ、ちゃんと入るんだ…」
「そういうこと言わないでもらっていいですか。我慢してんだよこっちも…ッ」
唖然としながら勇斗の指を飲み込むそこへ視線を集中させていると頭上から余裕の無い声が降ってくる。
そうか、勇斗はずっと俺の後ろ慣らしてくれてたから…。
そこまで考えると急に自分の尻の穴に勇斗の指が入っている事を意識してしまって無意識にそこに力が入ってしまう。
「ッ、だからぁ!!」
「ごめん!!でもだってこんな…ッ、うぁっ♡」
「仁人!!!!!」
余裕の無い勇斗の叫びを浴びながら中に埋められた指が引き抜かれる。
「ごめん、もう大丈夫だと思うから…い、いれて…いいよ…ッ」
ここまで我慢させてしまったせめてもの労いのため、入れやすいようにそこを広げてみせる。先程までそこそこの質量があるものが入っていたからか、ぽっかりと開いた後孔がひくひくと震えるのを感じで恥ずかしさから爆発してしまいそうだった。
返事のない勇斗に、急に不安になってなってきて様子を伺うと火傷しそうなほど熱い手のひらが太ももをがっしりと掴んだ。
ギラギラと鈍く光る瞳が、汗で濡れた前髪の隙間からこちらを刺すように向けられる。
「お前…ッ、せっかくこっちは優しくしてやろうとしてんのに…。」
「へ、っえ?あれ?はや、と…?」
フーッフーッと荒い呼吸を繰り返す勇斗に全身から冷や汗が吹き出る。本能的に、やばい。と思った。
広げたままのそこに0.01mmを纏った勇斗のそれが宛てがわれる。
荒い呼吸のまま、それでもゆっくりと押し進められる腰に理性と限界まで戦っている勇斗の精神力の強さが表れていた。
「ふッ、ん…っあ♡あぁッ♡♡」
ゆっくりゆっくりと入ってくる圧倒的な存在感に腹の中が満たされていく。腸壁を引っ掻きながら進む勇斗の張り出したカリ首がある一点を掠めた瞬間、頭の中が弾けた。
「ぅあぁッ!!!♡♡♡♡♡」
反射で中を締め付けてしまったらしく勇斗の息が詰まるのを感じた。でも正直俺はそんな事に構ってはいられなかった。
身体中が勝手に痙攣して足がガクガクと震える。両手はシーツをキツく握りしめ、目は見開きそこを凝視した。
何が起こっているのか全くわからなかった。
「みつけた。」
勇斗が舌なめずりをするのが視界の端に映った。
次の瞬間、ごちゅっ♡♡♡と衝撃と共に気が付けば俺の睾丸の裏にに勇斗の陰毛が触れていた。
「あッ…♡は、ぁッ♡♡」
反射で腰が反り返る。腹筋が痙攣して声にならない喘ぎが喉の奥から絞り出される。
反り返った腰を大きな手のひらががっしりと掴むとそのまま勇斗は大きく腰をスライドさせた。
ごちゅ♡ごちゅっ♡♡と繰り返される挿入に俺の身体は打ち上げられた魚のように跳ねた。
「あ゛ッ♡あ゛ッ♡♡あ♡ん、ぅっ♡♡あ゛♡〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡♡!、!!」
もはや意味のある言葉は発せられなかった。強過ぎる快楽に脳みそがぐちゃぐちゃになる。
「ん゙ぅ、ッッ♡ ぁ゙、あ゙っ、はぁ、ぁ゙、ん゙ッ♡ はやとっ、はやとッ!♡♡♡」
下からの激しい突き上げにより俺はただもうひたすらに喘ぎ、身体を揺らすのみとなった。ダンスに特化した無駄のない、脂肪のみならず残念ながらたいした筋肉もない下腹部が不自然に膨らんでいるのが分かる。ここまで勇斗を迎え入れているのだと視覚から理解させられ、より一層脳みそがゆだっていく。
「仁人ッ…もう、出そ…ッ♡」
「い゙ッッ♡ ぁ゙、ァ゙ア゙ッッ♡♡ あっ、はやとっ、ッ、キス、キスっ、してッ♡♡んッッ!♡」
イくときは、キスしててほしい。
そんな甘ったれた思考が焼き切れた脳みそを埋め尽くす。
口の端で笑った勇斗がゆっくりと近付いて来るのが見える。
「んぅ”ッッ♡ ぅ♡ んッ……♡」
涎が垂れ、舌が軽く出ている締まりのない俺の唇を全て包み込むように口を開いてキスをする。すぐに舌が差し込まれ、絡まり、くちゅくちゅと音をたてながら口の中が勇斗の味でいっぱいになる。
それが嬉しくって中がキュンキュンと痙攣を始める。勇斗が出て行ってしまわないように媚びるようにうねるそこは絶頂が近いことを知らせていた。
「ん”んぅッ!♡♡ ん”ぅん”ッ――!♡♡う、あ”、はやと、♡♡ひ、あ”っ、!♡♡おれもッ♡♡も、…い”ッ、イクッッッ♡♡♡」
「仁人ッ、ごめッ、俺も、っもう出るッ♡♡」
それまで一定のリズムで奥を叩き続けていた勇斗はギリギリまで陰茎を引き抜き腹に力を込めるようにひと息吐いて、一気に貫いた。
「ん”あぁあ”ッッッ♡♡♡♡♡」
最奥へ欲を叩きつけるように吐き出した勇斗はそのまま中へと塗り込むようにゆるく腰を動かす。
もう指1本たりとも動かす余裕のない俺はされるがままただ引き伸ばされ続ける快楽を受け止める器となっていた。
「あ”ッ♡♡あぅ”、ん”っ♡♡ん”ぁあッ♡♡♡」
腸壁が痙攣して勇斗が吐き出す白濁を一滴たりとも零すまいと搾り取るような動きで甘える。
ゆっくりと抜かれていく陰茎に未練たらしく縋り付くナカ。
「ふ、っ…仁人はこっちも甘えん坊ね?」
勇斗のからかう声に反応する元気もなくただ霞む視界をなんとか勇斗とへと向ける。
もう正直限界なんだよ。好き勝手やりやがって。
意識を失う前に恨み言のひとつでも零してやる、と口を開くも、蕩けきった頭から出てきたのはやっぱり甘ったれた本音で。
「はぁ、と…♡だぁいすき…ッ♡♡」
あ?おいこいつ何言ってんだ。いや俺か。文句言うはずだったのに…、いやねむ…。もーいいや。後片付け全部させてやる。ざまぁみろ。
眼球がこぼれ落ちんばかりに目を見開いた間抜けな勇斗の顔を最後に映した瞳はゆっくりと瞼の裏へと隠れていった。
「お前あんだけ言っといて結局白目剥いてたよ」
「うッッッッッッッそだろ!?!?!?」
ゆゆ

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1,070
コメント
2件

まっっっっじですきです。
「白目だけは剥かねぇから。さすがに。」読了!いやもう、最高でした…!お互いを抱くつもりで迎えた初夜のすれ違い、仁人のツッコミと照れ隠しのバランスが絶妙すぎて何度も吹き出しました。風呂場で「才能ないんだよ…」って泣きながら告白するところ、抱きしめたくなる気持ちと笑いが同時に来て大変でした(笑)。勇斗の、あのギラついた目と優しい手つきのギャップも見事です。構成としても、合鍵→デート→すれ違いの会話→覚悟の準備→という流れがテンポ良くて、一気に読ませられました。続きが気になります!